年末にも書いたけれども『カミ』の仕事は2日から始まった。
その日私は自分自身の「年始」の意味も込めて「寿司」……細巻きを作って持参した。
(注;普段から「差し入れ」は良くしている)
内容は基本「生もの」を嫌う人達だから……と考え、キュウリ・ベジ明太子・カニカマ。
で、結局その中で好評だったのは「カニカマ」だったのだけど、一番好評だったのが一緒に持って行ったチューブの「ワサビ」だった……!
…というのが今回の話、ではない。
「仕事始め」のその日の朝は当然と言えるけれども「日配」があった。
いつも注文している大手スーパーからで、配達して来る人もほぼ同じなので当然「顔見知り」になる。
その日も「顔見知り」のオジさんで、皆が順番に荷物を受け取って運び入れながらお互い「新年の挨拶」を交わした。
その後、配達人としては私達が急いで「配達箱」の中を空けるまで微妙な「待ち時間」がある。
そこで私が彼の直ぐ傍にあった「寿司」を勧めると、喜んで2つほど摘まんだ後で仕事に戻って行った。
「事件」はその直後に起こった。
配達のオジさんが居なくなった途端、満面の笑顔で『ジュリー』が私に近付いて来たと思ったら、はしゃいだ……というか本当に嬉しそうに大声でこう言ったのだ。
「リオ~、アノ人に優しいのね~っ!
旦那さんを探しているの~っ!?」
……はあ?
( ̄□ ̄|||)……!??
……最初はまさにそうとしか浮かばなかった。
しかも、それでも「もしも」ジュリーがその一言……まさに
「それだけ」
…でその後何も言わなかったら、私は例え返事はしなくても一応「愛想笑い」の一つでもしてやり過ごしていただろう。
『ジュリー』という人間が元々そういう「ゴシップネタ」が大好きな人だというのは『ロッテ』との会話を聞いていて理解していたし、その会話の中に「悪意」などが全く無いことも理解していたからだ。
しかし。
久し振りの職場=同僚との会話?に「ハイ」になっていたのか何かは知らないが、「ネタ」を得たその時の『ジュリー』の「興奮」は簡単に収まらなかった。
「ねえ~っ、リオ~、
アノ人に優しかったわよね~っ!?
旦那さんとして
探しているんじゃな~いっ!?」
…(━_━)……!
そう言われて、私は(私なりに)ハッキリと不愉快と戸惑いの顔を見せた……と思ったのだが、興奮?していた『ジュリー』には届かなかったようだ。
彼女は『ミキサー部屋』に移動する私に笑顔のままぴったりくっついて来て三度(みたび)「同じ言葉」を繰り返した。
ああ「また」か……!