裏世界の「全て」を知る『タダの主婦』??? 27 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

      『キュリさん』=『実母』、という感覚に当てはめると、

 

 

     「私の考えが世界基準!

 

     私が今言ったことが世界常識!」

 

  …という有形無形の態度も妙に納得が行くようになったというか、ある意味「突っ込みのツボ」みたいなものも判って来て(不愉快さは変わらなくても)そうした時の相手の反応を確認する「ゆとり」も出て来るようになっていた。

 

  

    

  そんなある日のこと。

 

  その頃既に独立していた「マオ」が同棲を始めていたのだが、パートナーとなった女性を初めて我が家に連れて来る、という事になった。

 

  軽い気持ちでその話を『キュリさん』にすると、

 

 

 

  「まあ!

 

   それはスゴイわね! 良かったわね!

 

   結婚はイツ!?

 

   若しかして、もう『出来て』いるんじゃないの!?

 

   良かったわね、アナタ『おばあちゃん』よ!」

 

 

 

   ……(゚д゚)?????

 

 

 

   正直、「マオ」は顔を見せに行く、と言っただけだし、私もそれ以上のことを考えもしなかった。

 

 

   何より我が家の場合、同棲した時ですら

 

  「あ、そ~言えば今、一緒に暮らしているコが居るから~」

 

   …と、その数か月後に向こうから言って来て初めて知った、というような家族だ。

 

 

 

 

   『キュリさん』のように彼女が毎日のように電話を掛け、また、何かあると向うからも直ぐ連絡があるような関係からは程遠い。

 

 

  

  「…いやあ、今は互いにキャリアを作りたい時期なんだから、そんなことはしないでしょ」

 

 

   呆れつつも模範的、とも言える回答をしたのだが

 

 

 「そんなことないわよ!

 

  びっくりさせようと思っているのよ!

 

  何たって、子供はサッサと作った方が良いんだから!

 

  もしまだだったら、サッサと作れって言ってやりなさいよ!!」

 

 

 

  …いや、別にアナタに世話してもらう予定は無いですから……と呆れつつ、ふと思いついて切り返した。

 

 

 

  「じゃあさあ、アナタのところはどうなのよ?

 

   『同棲』としては先輩じゃない?

 

   アナタはサッサと作れって言わないの?」

 

 

 

  …『キュリさん』の態度が急にオロオロし、口ごもるようになったのが直ぐ判った。

 

 

 

 

   「う、う、ウチはぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    はい、図星。

 

    そうなのだ。

   「息子さん」の方が『同棲』期間は先輩で、パートナーの女性も既に彼と一緒に何回も彼女の家を訪ねて来ているそうなのだが、『キュリさん』は

 

 

 

 

  「息子に嫌われるのが怖い」

 

 

 

 

 

  …ので、彼女=パートナーの女性のする事に関しては一切口を出していない。

 

   出さないどころか直接会った時には「言いなり」に近い態度らしく、彼らの「訪問後」は必ず私に「未来の嫁」の愚痴の電話が掛かって来ていた(ここら辺の行動も実母と同じと言える)。

 

 

 

   自分は出来ない・やらないことを、平気で人に強要出来る人間ってのは結構居るものなのだ……と既に理解している私だが、この時は流石に少しイジワルしたくなっていた。

 

 

 

  「自分の息子には言えないことを、私には言えってこと?」

 

 

   ゴニョゴニョと口ごもる『キュリさん』に向かって、追い打ちを掛けるように……でも真剣にならないように、冗談っぽく笑ったような態度で言うと、返す言葉が見つからずイライラしていた彼女がやっとこう言い放った。

 

 

  「な、何よぉ!

 

   アナタなんて、「タオ」ちゃんも居るじゃないのさ!!

 

   アタシなんて、息子一人からしか

 

   (孫が)出来ないんだからねっ!!!」

 

 

 

   ……うん、 『図星』が一番腹が立つ、だよね~?

 

 

    ( ̄ー ̄)

 

   

   我が子達は『孫製造機』じゃありませんぜ、奥さん……!