『私の手がしてきたこと 歯科技工士編②』
Rin.ka.kaのコスチュームジュエリーを
作っている私の手。
この手がしてきたことを
お話したいと思います。
マニアックな鋳造技術を学ぶ
歯科技工士の専攻科を卒業した私。
ところが、その技術を全く使わない
歯並びを治す
矯正専門の歯科医院に就職します(笑)
矯正専門の技工士にも
色んな分野の仕事があるのですが
新米の私に与えられた仕事は
きれいに並び終えた歯並びが
後戻りしないように使う
リテーナーという保定装置の製作でした。
リテーナーはワイヤーとレジンで
作られているのですが、
患者さんの模型にピッタリと合うように
オーダーメイドで作ります。
その為、ワイヤーも
歯の適切な位置に沿わせて
かなり繊細に曲げていく必要があります。
学生時代からワイヤー曲げが苦手で
ずっと避けてきたワタシ。
学校の求人で見つけた歯科医院が
家から近い上に
美容院と間違うくらいお洒落な空間で
とても素敵だった…
そんな不純な動機で就職してしまった事を
深く後悔する日々が始まりました。
毎日朝から晩までワイヤーを曲げ続けても
ひとっつも曲げられない。
他にもやる事が山積みなのに。
もちろん
先輩からのダメ出しは1日中続き
自己肯定感はダダ下がり。
自分は何て不器用なんだ
こんな不器用な自分が
なんで職人になっちゃったんだろ…
しばらく落ち込む日々が続きました。
途方に暮れて
先に就職して、他の矯正歯科に勤める友人に
どうやったらワイヤーが
曲がるか相談したところ
「ハンドパワーが出るんだよ〜」
と、にっこり。
な。
なんじゃそりゃぁ。
そんなの
何の解決にもなりゃしないよっ。
と、泣きそうになりましたが
そのうち、友人の言う通り
本当に曲がるようになりました。
ハンドパワーが出たんです！
この言葉には今も支えられていて
実はRin.ka.kaを立ち上げる前
コスチュームジュエリーらしきものを
作り始めた当初
自分的に越えられそうにない
技術の壁にぶち当たったのですが
ひたすら練習したらハンドパワーが出て
できるようになりました。
少しずつできる事が増えていくと
けして楽な仕事ではなかったけれど
だんだん楽しくなっていきました。
Rin.ka.ka costume jewelry
自由で繊細
