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鈴と空のブログ

読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

オーダーメイド殺人クラブ/集英社
¥1,680
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教室内ヒエラルキー上位の「リア充」(=現実の生活が充実している)
女子グループに属する小林アン
中学二年生の四月、突然友人たちから無視されるが、
同級生の「昆虫系」(=イケてないキャラモン男子)、

徳川勝利の言葉をきっかけに仲直りする。
しかし、家や教室に絶望感を抱くアンは、自分と共通する美意識を感じる徳川に
「私を殺して」と衝動的に依頼する。
ふたりが作る事件の結末とは――!

どうしても「事件」が必要なの――。
私を、殺してくれない?

「リア充」女子と「昆虫系」男子、
中学二年生ふたりが互いの闇を重ね、共鳴する、「悲劇」の計画。

――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


今回もまたやっぱりチクチクする辻村さん。


ちょっとしたことでひっくり返ってしまうような

不安定なアンと友人との関係だったり、
反発やら安心やらがごちゃ混ぜになったアンと母親との関係だったり、
「自分は人とは違う」という思い(というか思い込み)だったり。


程度の差こそあれ、どれもこれも分からない感情でもない。
自分が中学生だった頃を思い出すと、
自分自身がそうだったと思う部分もあるし、
「あぁ、いたな」と思い出す同級生たちもいる。


だからこそのチクチクが。


事件の結末はそういうことになったのか。
ああいう終わり方でよかったかな。


と思う反面、
計画が完遂された後の周りの反応が見てみたかったとも

いくらか思ってしまう。


気分次第で無視したり頼ったりと好き勝手に扱っていた友人が、
「イケてない」と軽んじていた、

意識の端に追いやって(外に追い出して、か)いた同級生が、
どれほど意識していたかはさて置いて、ひたすら自分の思う形にしようとしていた娘が、
そんなことを計画し(計画するだけならともかく)

実際に一線を越えてしまったとしたら、
彼女ら(彼ら)が何を思ってどうするのか、
反省・後悔するのか、忘れる(なかったことにする)のか。

それを辻村さんがどう描くのかを読んでみたかったような気が。


スクウェア Ⅰ/東京創元社
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薬物対策課の刑事・三田が〈スクウェア〉で出会った、

清潔そうなバーテンダーの青年。
この男と長いつき合いになるとは、三田は想像していなかった──。
福田和代の新境地。
――――― Amazonより


スクウェア Ⅱ/東京創元社
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その男は、洗いたての糊の利いたシャツを思わせた。
バー“スクウェア”を中心に事態は動く。
男たちが描いたシナリオは佳境へ。
大阪府警察本部・刑事部薬物対策課所属三田靖彦惑う
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★☆☆


嫌いじゃない。


三田とリュウ・宇多島との関係、
警察内部においての同期や後輩とのやり取りだったり。


嫌いじゃないんだけど、そんなに記憶・印象に残ることもないかな……。


リュウが「名無し」である理由、
彼や宇多島や周囲の人たちが抱えるもの、
その背後にある社会問題などなど、
とても重い、苦いものが描かれている割に
なんともサラッと流れて行っちゃって。


確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム/角川書店(角川グループパブリッシング)
¥1,365
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アンニュイでミステリアス、

そして、少年と大人が同居するエキセントリックな数学者、
その名は御子柴岳人。
警視庁に新設された「捜査一課特殊取調対策班」を舞台に、

御子柴岳人の鋭い推理が冴え渡る!
――――― Amazonより


個人的評価 : ★★★☆☆

4つ寄り。


数学的に、論理的にというのは面白かった。
「刑事の長年の勘」だとか、
私たちの普段のちょっとした行動
(例えば家の中で失くした鍵をどう探すか)だとか。


そんな理論だの確率だのということで

もっと小難しいものになってしまうのかと思いきや。
それほどとっつきにくい感じもなく。


賢いはずなのに簡単な国語(というかもう常識か)が分からなかったり、
仕事なのに「ヤダ」なんて言ってみたりする御子柴と
そんな彼とは対照的に

直球で物を考え口にしてしまう友紀のキャラクターのおかげか。


チラッと登場する八雲たちにニンマリ。

これもきっとシリーズとして続いていくのかなと思うけど、
比べてしまうと八雲の方が好きかな。

御子柴はともかくとして、
周り(直球の友紀だとか一歩後ろで見守ってくれている権藤だとか)が。
あまり好印象でなかったり、そもそも印象が薄かったりで。
その辺はシリーズを重ねれば変化していくものか。


タイムスリップ聖徳太子 (講談社ノベルス)/講談社
¥840
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倭国に君臨する聖徳太子は、自ら幻術を駆使し、

隣国・塊やマーシア国との戦いに勝利し征服した。
太子の次なる狙いはラバダ王国。
彼は部下に老若男女問わず王国のすべての人間を抹殺することを命じる。
圧倒的兵力をもってラバダに侵攻した倭国軍!
だが王国にも天才的軍師が出現し太子をも翻弄する。
戦いの行方はいかに。
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★☆☆


歴史には詳しくない(むしろずっと苦手科目だった)からよく知らないけど、
聖徳太子ってこんな人だっけ……?

順番通りでないどころかまだほとんど読めていないけど、
タイムスリップシリーズってこんなだっけ……?

と、「?」や違和感の連続。


おまけに苦手な要素が幾つも。
時代や舞台の設定にしても、

そこでの戦いに幻術が絡んじゃうことにしても。


そんな色々があってどうにも楽しめなかった。
短時間であっという間に読めはするけど。


Fake/幻冬舎
¥1,785
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平成16年1月。
興信所の調査員・宮本と20歳の東大生・加奈は、

浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、
大学入試センター試験で完璧なカンニングを実行する。
しかし、カンニングは露呈し、宮本は職を、加奈は学籍を失った。
彼らを嵌めたのはカジノのオーナーで砥川組組長の息子・沢田。
宮本、加奈、昌史、そして昌史の父で元港区会議員の西村は復讐のため、
沢田と10億円を賭けたポーカーの勝負をする。
入念なイカサマを仕掛けた4人は、絶対に負けるはずがなかったが―。
名画「スティング」を超える驚愕の大仕掛け。
奇跡のラストが待っている、痛快至福のエンタテインメント小説。
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★☆☆


うーん……。
これといって好きなポイントが見つからず。


面白くないわけじゃない。

沢田は本当に悪どい厭なやつで、
そんな沢田がどんな風に潰されるのか、まさか最後まで勝ち抜けるのか、
気になって最後まで読みはする。


思ったとおりに進んでいくことがいくつか。


あの人から目を離すと危ないだろうとか。
うっかりするといとも簡単に敵方に取り込まれるだろうことは想像に難くないのに
なんで誰もそれを気にしないんだろうな、なんて。


さらには沢田。
過去に接点のあったほとんどの人間が口を揃えて言うくらい頭の切れる、
かつ人間性は大いに問題ありな男相手にそう上手く行きゃしないだろうとか。


10億円を賭けたポーカーのシーンがかなりの見せ場なんだろうけど、
そこが私にはあまり楽しくなくて。
張り詰めた空気だとか、ヒリヒリするような緊張感だとかが
どうにもピンと来なくて。