先日、感激するほどうれしいことがありました。4月から凛童舎に通うことになっている新1年生の男の子のお父様が、凛童舎のご見学を兼ねて、代表の私と話をしに来てくださったときのことです。
お母様は、「あちらも結構楽しそうでしたよ。」とおっしゃっていましたが、お父様は、あてがわれたコンテンツで、かつ室内だけで過ごすというスタイルが「望ましい環境ではない。」と感じられたとのことです。
当方が目指すところと同じ方向性の価値観をお持ちの方に巡り合えたこともうれしかったのですが、私が感激したのはそれに続くお父様のお言葉でした。
「ですが、放課後を自由に過ごさせたいという価値観をお持ちの親御さんは少数派でしょう。特にお母様は、せっかくだから何かやらせたいと思われる方が多いから、こちら運営が大変でしょうね。がんばってください。」と。
少数派を相手にすることになるのは、百も承知で、「自己裁量の時間こそが自立心とクリエイティビティを伸ばし、イノベーティブ人材を作る。」との信念で始めた事業です。運営が大変なのは仕方ないと思っています。事業として存続が可能なのか未知数だと今も思っています。
でも、そこの部分までご理解いただける親御さんがいらっしゃるとは思いませんでした。
そういう方にご入会いただけたことは、本当にありがたいことです。続けていく勇気を与えていただきました。
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さて、都心を中心に広がっている月5万円以上もする営利の高額民間学童保育は、親に「金額に見合う」と思わせるための学習コンテンツや、子どもに「楽しい」と言わせ親を納得させるためのプログラムなどで時間を埋めようとします。広さも公的基準と同じ1.65㎡を採用するところが多く、過密さは公設学童保育と変わりません。そのため、子ども達に自由に動かれては困るというのもあるのでしょう。
そういう、「盛りだくさん」の内容がお好みの親御さんが多数派だと思います。
ですが、それは、子ども達が「与えられたフレームの中」だけで過ごす環境。子ども達が「自分で考えて行動」する環境ではありません。
(そういう園では、「イベントに参加する・しないはお子様の自由です。」と説明しますが、それは、目の前においしそうなお菓子を置かれ、「食べないという選択もありだよ」と言っているようなもの。大抵の子どもは参加し、そしてそういう「与えられるだけの日常」に慣れていきます。「今日は何するの!?」と言いながら学校から帰ってくるようにそうです。)
一方、公設の学童保育は、どこも狭くて(1.65㎡/人、船橋市はその20%増しまで許容)大人数(80人超多数@船橋)のため、収拾がつかなくならないように、どうしても管理的になります。勉強の時間、おやつの時間、昼寝の時間、読み聞かせの時間などと決められ、決められた席や居場所にじっとしているよう指示されます。行動が制限された環境。
どちらも、子ども達が「自分で考えて行動」する環境ではありません。
(公設学童に3年生まで通い4年生から当園に来た子に「夏休み、何したい?」と訊いたら「それは大人が決めることでしょう?」と返ってきたのには驚嘆しました。子どもの頃の私にとって夏休みはわくわく感満載のパラダイスだったのに・・・)
これでは、指示待ち人間を量産するのみで、課題多き日本の将来を担いうる自立したクリエイティブな人材が育たないと思っています。
それに対し、当園では、子どもたちに自己裁量で行動できる『自由な放課後』を提供することを主旨に運営しています。子どもがやりたいと言ったことはできるだけやらせるよう工夫し、できるだけ禁止事項を少なくするよう努力しています。広さも100㎡に20人までと、ゆったり過ごせる空間と適度な子ども集団を形成できる規模・年齢構成を目指しています。
はっきり言って、当方のような環境こそが、将来を担う人材を多く輩出するという自信があります。
というのは、私自身が、早稲田大学の建築学科で、クリエイティビティを要求される各種の課題で上位の成績おさめ、おかげで日建設計という日本を代表する大手設計事務所に採用され、かつ、そこで銀行本社ビルや超高層ツインタワー、駅前商業施設や大規模病院などの建築で設計アイディアを採用されてきたのも、子どもの頃の放課後に、心が解放されるような自由な時間と空間、それに好奇心喚起しかつ満たす様々な題材の中で過ごせたことによる「想像力の旺盛さ」「引出しの多さ」の賜物だと思うからです。
同級生は、有名進学校出身者の方が多数派で、私のような地方無名校出身者はほんの一握りでしたが、発想力の貧困さは、一部の変人を除いて、お受験上手の彼らの方が上でした。
凛童舎は、私が子ども時代に体験したあの「解き放たれたような放課後」の再現が目標です。
当園でも、放課後を習い事で埋められている度合いが高い子ほど「のんびりしたい」という願望が高く、そのため、何かに好奇心を抱くことも面倒くさくなってしまっています。そんな子は、興味の種となる多様な要素を環境にちりばめておいても動こうとしません。
いろんなことに興味を持ち、解明に挑んでいく子は、心に余裕のある子、つまりは自己受容感が高くて時間に余裕がある子です。
親御様には、ぜひ、「放課後という空白の時間帯」の空白であるが故の価値を再認識していただければと思っています。
また、政治家の方々に知って欲しいのは、凛童舎のような「公設学童より豊かな子育ち環境」の施設は、国や市が公設学童保育に投下している助成金(施設費無料かつ児童一人当たり年間12万)と同等の支援をもらえれば、公設学童と同額で市民に提供できるということです。
場所は、市内各町内に出始めた100㎡以上の空き家を借り上げれば、月10~15万円ほど安価で、かつ防犯にもなります。子ども達が帰ってくる午後3時までの空き時間を使えば、地域の交流拠点ともなるので一石二鳥です。
市や市議には、NPOや町内会、保護者グループなどが運営するこういう環境の良くかつ地域再生にもなる施設の後押しと援助をぜひ提案していきたいと思っています。




