ディエゴの世界:音楽編 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

昨日「ディエゴの世界」について視覚的な観点から紹介しましたが、音楽も大事です!

最もキューバらしい要素かもしれません。

 

ディエゴはマリア・カラスが大好きなようでしたが、私としてはエルネスト・レクオーナやイグナシオ・セルバンテスへの言及や登場が嬉しい!

また、ホセ・マリア・ビティエルが作曲・演奏しているテーマ曲もハバナの美しさと哀しさを彷彿とさせ心に浸みます。

 

ところで、イグナシオ・セルバンテスの曲が使われるようになったきっかけを、原作者で脚本も手掛けたセネル・パスが次のように話しています。

「ある日ティトン(アレア監督の愛称)が私のところに来て、「主人公が家で聴くと思われる曲をもってきた」と言って、イグナシオ・セルバンテスマヌエル・サウメル曲をカセットで聞かせてくれた。

私はすぐに、それがティトンが大好きな曲だということに気づいた。幸い著作権も切れていたので、新たなシーンを作って、この音楽を使うことにした。また、セルバンテスの生涯を調べると、ディエゴ同様に問題があってキューバを追放されたことが分かった。それで『アディオス・ア・キューバ(キューバに別れを)』を聴くシーンを加えた。私自身が最も好きなシーンのひとつになった。ティトンは大層おどろき、喜んだ。最高のプレゼントになったと思う」

 

それではお聞きください。

 

★Adiós a Cuba(キューバに別れを)/ イグナシオ・セルバンテス作曲

 

★Ilusiones perdidas(失われた夢)/イグナシオ・セルバンテス作曲

 

※参考までに、マヌエル・サウメル作曲 Los ojos de Pepa(ペパの瞳)

 

★『苺とチョコレート』テーマ曲 /ホセ・マリア・ビティエル作曲・演奏

 

Marysolより

前回の投稿で紹介したグスタボ・アルコスの言葉のように「ディエゴのアパートにはキューバという宇宙の中心がある」とすれば、私はキューバの映画を通して、数々の美しく貴重なピースに触れることができたわけで、なんという幸せ!

 

*トリビア

ティトンことアレア監督は多才でしたが、ピアノも非常に上手だったそうです。