明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、新年最初の投稿にも関わらず、昨年末の話題で恐縮ですが、キューバの映画と現実との関わりを示す事例として、書き残しておきたかったことを。
① すでにここに書いたが、〈夜9時に口笛を吹こう〉というMSIの呼びかけの背景には、フェルナンド・ペレス監督の映画「口笛高らかに」があった。
② この動画もここ
で紹介済みだが、ペレス監督の『José Martí: el ojo del canario(ホセ・マルティ:カナリアの目)』のシーンと、昨年11月27日の出来事(27N)が重ね合わされている。
しかもペレス監督自身が当日の証人として、27Nのデモを「ホセ・マルティ同様、詩的(多面的)で、対話に向けて開かれている」と評価。
また、ICAIC(映画芸術産業庁)について「確かに検閲をしたが、芸術的で複雑な表現に貢献した」とも指摘している。
③
【タニア・ブルゲラの像+「一度目覚めた真実は二度と眠らない」 ホセ・マルティ】と書かれたイラスト
これを見たとき、ペレス監督の『マダガスカル』のワンシーンで「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)が使われていたことを思い出し、改めてその意図を再確認した。
④ 劇作家で俳優のジュニオール・ガルシア・アギレラ(27N)の呼びかけ:
「近所の縁石に座っている写真をSNSに投稿しよう」
背景にあるのは、ここで紹介したカルロス・バレラの「メモリアス」という歌。
歌詞の一部:
僕は近所の縁石に座っている
まるで1世紀も前からそうしているように
『メモリアス(邦題:低開発の記憶)』は今も好きな映画だ
不思議だ、20年も経つのに輝きを失っていない
(中略)
それでも僕は闘うんだ
*************
Marysolより
以上、27Nを含め、私にとって映画と現実がシンクロした例でしたが、どれも大きな動きにはなっていないのが、ちょっと残念。
それでも、映画のメッセージ(批評精神)が若者に届き、インスピレーションや励まし(支え)となっていることは確か。