ベネズエラ青少年・児童オーケストラ全国制度財団 | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

先週、今年度の「高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者が発表されましたが、併せて発表された「若手芸術家奨励制度」の対象には、ベネズエラ青少年・児童オーケストラ全国制度財団が選ばれました。

http://www.praemiumimperiale.org/jp/laureates/grant.html


オーケストラの代表を務めるホセ・アントニオ・アブレウ博士(67歳)は、元文化大臣。

「子供たちを犯罪と貧困から救い、善良な市民に育てるためには、オーケストラのクラシック音楽が最良の手段」と、1975年、カラカスのガレージで11人の子供に音楽演奏を指導したことから、この制度がスタートしたそうです。


これを読んで思い出したのが、前に当ブログでも紹介したことのある『マロア』(ベネズエラ・スペイン合作)。

主役の少女、マロアが初めてクラリネットの音色に心を惹かれたのも確かガレージでした。

ストリートチルドレンの生活から犯罪に巻き込まれ、更正施設に入れられた少女マロアが、そこでオーケストラに参加し、音楽と師に導かれて、新しい人生を歩み出す、その過程は決して平坦ではないものの、淡い恋心やラテン的な情熱が織り込まれた、生き生きと魅力的な映画でした。



9月8日の産経新聞によると、実際に「犯罪を重ねて少年院に収容された少年がこの制度に参加、クラリネットを通じて更正し、現在はクラリネット教師として子供たちに教えている例もある」とのこと。まさに、マロアの原型です。


その他にも、同オーケストラからは、世界的に活躍する卒業生が何人も巣立っている様子。

そして、同様の試みは他の中南米諸国にも広がっており、アブレウ博士の提唱で、来年には「カリブ・ラテンアメリカ青少年交響楽団」が結成されるそうです。


2008年10月には、ベネズエラ全国青少年管弦楽団が日本でアルゲリッチと共演する計画も進んでいるそうですし、この際映画『マロア』もぜひ日本で上映してほしいものです。

        Maroa

『マロア』紹介記事:http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10008907076.html