自分の老後までを準備できるほど、女性が一人で生きていくのは簡単ではない

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今、母が病床にいます。

本人は気がつていいたにも関わらず、私たち家族にガンであることを告げたのは今年の４月。その日は五女の中学校の入学式でした。

親は自分よりも早く死ぬだろうとは思っていたけれど、その期限が見えた時、こんなに悲しい気持ちになるんだとその日はじめて知りました。

自由奔放に生きてきた人だから、最後も自分らしく「死に方」を決めました。

治療は一切しません！ってね。

とにかく意志の強い人だから家族全員根負けです。

病院に行って痛み止めをもらうようになってからは、見違えるほどに元気になって、「このまま数年いっちゃうんじゃないかな」ってみんな感じていたけれど、やっぱりガンはいるんですね。

急激に、坂を転がるように体の自由がきかなくなり、肺に転移しているので呼吸が苦しく、それに耐えられなくなっていったんです。

毎週のように通ってくれている母の妹が、母のベッドの下からロープを見つけました。

「これどうしたの？」

「もう苦しくて生きているのが辛い。でも自分で自分の命を絶つことは私にはできないよ」って。

母はそう言ったそうです。

１２年前に復縁した父と母。それまではシングルマザーでした。

一人ですっごい頑張ってきた人です。でも私たち子どもが大きくなってからは生活が成り立たなくなり、ちょっと心配だった時に、ちょっとしたきっかけで父と復縁。

母の最後の１２年を、心安らかに生活させてくれた父に、私はとっても感謝しています。

嫌がっていた入院を先週からしています。入院したらしたて、どうも快適のようです(笑)

「看護婦さんたちがみんな優しいよ」って。

明日は子どもたちと皆で伊東までお見舞いに行きます。

頑張っても、なかなか自分の老後までを準備できるほど、女性が一人で生きていくのは簡単ではない。

うちの場合は父が現れましたが、母１人だったら私と妹の負担も大きかったでしょう。

もっと家族がいがみ合っていたかもしれませんね。

だからね、もっと生きやすい世の中にならないかな～って思うんです。

母が私に望んでいるのは、仕事を頑張ること。それだけなんです。

私の親孝行は仕事ばっかりしていることだったりします(笑)

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