博多の旧市街にも空海ゆかりのお寺がある。


地下鉄祇園駅から地上に出るとすぐそこ。



真言宗別格本山南岳山東長密寺。



唐から帰国した空海が密教東漸を祈って建立。



東長寺には、高さ10.8mの福岡大仏がある。

日本一大きな木造坐像。



大仏さまの台座の中が「地獄・極楽巡り」となっている。

最初に地獄、そして幕の中の通路に入ると真っ暗闇。

マジでやばいくらい真っ暗で光がない。

手探りで闇の通路を抜けるとそこは極楽。

ああ、よかった。



こちらは五重の塔。

5月の緑と青空に映える。





東長寺は交通の便がよく福岡大仏もあるので、お参りの方々も多かった。

外国人も多く、英語の案内をよく目にした。


祇園界隈はお寺めぐりをするのもいい所。

爽やかな気候の中、のんびり散策することができた。

本ブログの「空海を訪ねてシリーズ」はついに九州上陸。


今回は福岡県宗像市にある、真言宗御室派別格総本山屏風山鎮國寺。


意外なところに空海ゆかりのお寺が。


宗像市といえば世界遺産宗像大社が有名である。


鎮國寺は、宗像大社に対して釣川という川を挟んだ向こう岸にある。


JR東郷駅からバスで10分、道の駅むなかた館で下車。



バスは制服を着た学生さんの集団や観光の方々が大勢乗っていて、むなかた館の所でほとんどの人が下車した。


私は鎮國寺のある橋の方に向かったが、私以外は宗像大社の鳥居の方に向かっていた。


橋を渡ると鎮國寺の入口の階段へ。


入口の石の柱。




風化しているが、弘法大師最初…と読める。


階段を登り切る。



お寺の略縁起によれば、入唐の際に空海は大暴風雨にみまわれたが、海の守護神宗像大神に祈誓を込めたところ無事唐に辿り着いた。

その後、帰国した空海は宗像に礼参し、この地に鎮護国家のための鎮國寺を建立した、ということである。



この日はどんより曇っていた。(この後暴風雨となる。)


お庭がきれい。



お休み処もあります。



立派な護摩堂。



ご本堂。



ご本堂の仏さま、素晴らしかった。

特に如意輪観世音菩薩さまが印象的だった。

大日如来さま、釈迦如来さま、薬師如来さまは、伝弘法大師作。



奥の院は空海が修法した岩窟があるそう。

奥の院の入口。

ここから山道を登ります。





奥の院の不動堂。

月に一度お護摩が焚かれる。



宗像の地は宗像三女神が古くから信仰された独特の神気を纏った場所。


帰国直後に、この地で密教寺院を開いた空海の志はいかに。

前回の当ブログ記事からはや3ヶ月。


再び、20日の土曜日がやってきた!



川崎大師平間寺では毎月20日は宵大師で夜7時からお護摩修行がある。

私なつくさは、仕事の関係で土曜日にしか参加できないので、3ヶ月待ちましたわよ。


今年最後の宵大師。

そして今宵は今年最後の新月の日。

天気はあいにくの雨だが、湿気を帯びた闇の空気は柔らかい。

良い晩となる予感がした。


6時半から法話が始まるので間に合うように大本堂へ。



宵大師の法話は20日会というお坊さんのグループで担当されているという。

今回は昨今増えている熊被害について。

仏教的には熊の命も人の命も同じ命。

自然と人間の共存という難しいテーマ。

人の安全を優先せざるを得ないが。


遍照講の方々の御詠歌があり、僧侶の方々が信者席の間を通って壇上に上がられた。

昼間のお護摩のときより大勢のお坊さんが参加されており、しかも前回参加したときの宵大師よりも多い。

これが納めの宵大師なんだな、と。


太鼓の音に合わせた大勢のお坊さんの読経の迫力。

弘法大師空海のことを考えながら聞いていた。

そうすると、太鼓の音、響きが嵐の遣唐使船に揺られているようで、その時の空海の姿、彼の読経の声、祈りが私の心をいっぱいにした。

1200年の時を越えて、この場所が遣唐使船の中であるような錯覚。


私の普段の仕事は科学や技術に深く関わっており、法律、政治や経済にも無関係ではない。

宗教やスピリチュアルから最も離れたところにあると言っても過言ではない。

しかし、ほんのひととき、世事を離れ、自分を取り戻す時間を過ごせる場所があることはありがたい。


空海は若くして官僚になることを捨て仏道に入ったが、自分はいつまで世事にしがみついていくのだろう。

覚悟いずれの時ぞ。

空海を追いかけることが私にとってささやかな抵抗なのかもしれない。(真面目だな。)