反対派の中に、

改正部分と元から存在する条例部分とを混同してしまっている人がいるので、

気を付けてください、

という記事を書きました。→ 「ワンピースも規制される?



この元の条例部分については、

過去の記事でも触れましたが、

もう一度よく見てみたいと思います。




●自主規制が必要な表現


「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し(7条1項1号、9条の2 1項1号)」



●知事が不健全指定できる作品


「青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するもの

(8条1項1号)」



「エロ規制なら賛成」と考えている人に対して、

特にお願いしたいと思います。


既に条例の中に存在する、



「(著しく)性的感情を刺激し」



という文言ですが、

「エロ規制」であれば、

これで十分ではないでしょうか。


もう一度考えてみてください。



この条例は単純なエロ規制ではない、

ということは、

このブログでも繰り返し指摘してきました。

→「源氏物語だって規制できちゃう



現条例の文言であっても、

既に十分広いのです。


エロ規制であれば、

十分に規制することができるのです。



一方、

東京都治安対策室の倉田氏は、


「必ずしも読み手の性的感情を刺激する度合いが高いとは限りません。(中略)したがって、現行の三つの基準とは別に、新たな基準が必要であります。」


平成22年第4回定例会質疑応答

 (東京都の資料からのコピペですが、疑われる方は原文を当たってください。)


と、

「性的感情を刺激しない」ものまで規制対象とすることを認めています。



「性的感情を刺激しない」なら、

それは「エロではない」のではないでしょうか。



私は現行の条例案で十分だったと思います。


「自主規制が不十分」であるとか、

そういった議論については、

条例の文言の問題ではありません。

それは運用の問題です。



運用がうまくいっていないだけなのに、

条例の網が足らないと言って、

網を広げるようなマネをするのは、

法律の世界では最悪の行為です。



なお、

分かりやすくするために、

旧条例と条例改正案との規制対象をまとめる図を作ってみました。



マンガ・アニメの規制について考えてみる

※(D)は下位の(A)~(C)をふくみます。


(A)規制賛成派の規制範囲


ネット上で「こんなの子供に見せるな」と言われている作品が含まれると思われるゾーン。


(B)現条例の規制可能範囲


現条例の文言で規制することができると思われるゾーン。


(C)改正推進派が規制すると主張している範囲


東京都が今回の改正案で拡大したことを認めている規制範囲。


(D)条例改正案の文言上、東京都が規制できる範囲


条例改正案を法律的に文言に即して解釈した場合、東京都が規制できる範囲。

(東京都は明文上認めてはいないが、否定もしていない。)



さて、

ざっとネットでの反応を見たところ、

だいたい「過激な性表現を子供に見せたくないから賛成」と言っている一般的な賛成派の挙げる作品は、

上記のとおり、

現行の条例の「(著しく)性的感情を刺激し」という文言で対応可能であるように思います。



それにもかかわらず、

エロくない作品まで規制しようとする今回の改正案を受け入れても良いのでしょうか。



「エロなら賛成」と思っている人たちの、

善意が踏みにじられていると、

私は感じます。



もし仮に、

賛成派の人たちが「エロくない作品」まで規制しようというのであれば、

それはどこまででしょうか。


具体的にはどこで線引きしようというのでしょうか。

それがこの改正案からは全く読み取ることができません。



それなのに実態としては、

条例の文言上は、

(D)まで規制することが可能なのです。




「エロ規制なら賛成」と考えている方は、

子供の成長を純粋に思いやる、

やさしい方が多いんだと思います。

育児に悩んでいる方も多いんだと思います。



(D)まで規制することを、

あなたは本当に望んでいるのでしょうか。


それが本当に子供のためなのでしょうか。





現状に問題があるから改正、

という改正推進派の主張は、


「改正」


という結論ありきにしか見えません。



彼らがなぜそんなに改正を急ぐのか、

少しだけ考えてみてください。



少しでも多くの人にこの問題を知ってもらいたいと思う方は、
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