★先週の金曜日、実は誕生日でした・・・。


もう28歳・・・四捨五入すると・・・いや、やめよう(笑)


よけい悲しくなるだけですね・・・ハハハ(力のない笑い)


そんなわけで、まあ自分にむけて詠んでみました。


自分に、というところが悲しいけど笑、まあ、いっか!



★風花が  生まれし朝に  ちらつくは


     天の女神が  祝いなんめり



        ※風花~晴天時にちらつく小雪片。


          なんめり~ ~であるようだ



★冬に咲く  いと美しや  寒薔薇(かんそうび)


     とこしなへこそ  なれかしぬかも


        

        ※とこしなへこそ~変わらないで


          なれかしぬかも~ ~であってほしい



★冬のこる  空に翔けるは  揚雲雀(あげひばり)


     いやつぎつぎに  そながらぬかも



        ※そながら~そのままで


          ぬかも~ ~ほしいなあ


          いやつぎつぎに~いつまでも

         女友達7



 話は涙の所為で途切れ途切れになった。しかし先生は


何も言わず、陽子の話を見つめながら、頷きながら聞い


ている。陽子は有り難いやら、切ないやらで顔が段々と


赤らんでゆくのを感じながら懸命に話す。

 

 一通り説明し終えた陽子は唯々茫然となった。寒くもな


いのに体が震えて仕方がない。辺りはすっかり暮れてし


まった。教室から見える夕陽がとても綺麗だ。何処かで


烏が鳴いている。一匹ではないらしい。三、四匹か、とて


も煩い。


 凝っと陽子を見ていた先生がゆっくりと話し出す。


「そうか。そんなことがあったのか。君はとてもロマンチスト


なのだね。いや、愚弄している訳ではない。褒めているの


だ。近頃の若者はそのような思想は持っていない。やれ化


粧だの、彼氏だの、バイトだの、そんなのばっかりだ。そう


してやることといったら総て人の迷惑になることばかり。そ


れでもそういう輩は反省をしない。思想がないからだ。だか


ら人のことなどどうでもよいように思う。無神経というよりは


寧ろ利己主義者だ。教師として甚だ不愉快に感じる。

 

 実はね、先生も君のように思った時期があった。そう、調


度君位の頃だったか。先生にもね、中学・高校と無二の親


友がいてね、何時も一緒だった。何時でも、何処へでもそい


つと一緒だった。お互いを信頼し合って励まし合ってよく夢や


思想を語り合ったものさ。だけど、卒業してね、そいつは坊主


だった頭を伸ばし始めてね、久し振りで逢ったら肩を越えて


いた。その頃は調度男が髪を長くするという一種のブームが


あってね、そいつと先生は何時もそんな奴等のことは男らし


くないと嫌っていたさ。そいつを見た時もうだめだなと感じた。


自分を裏切ったと思った」

 

 先生は其処まで一気に喋ってそっと席を立って窓を閉めた。


 陽子は何も言わない。唯黙って先生をみつめている。遠くで


生徒の声が微かに聞こえる。先生はまた話し出した。

「正直言ってね、死のうと思ったさ。でもね、馬鹿げていると思っ


た。たかが友達の為に自分が死のうと思い付いたのも、髪を伸


ばした位でそう思い詰めてしまった自分にも。そしてね、考えた


んだ。

 

 あいつはあの髪型のように本当に人間も変わってしまったの


かどうか。確かめる必要があると思った。お前はあの約束を覚え


ているかと聞いたんだ。そいつは覚えていた。卒業する時にね、


学校の裏庭にタイムカプセルを埋めたんだ。そして十年経った


ら見に行こうという約束をしたんだ。そいつは忘れずにいてくれ


たんだ。先生とそいつとは抱き合った。お互いがお互いの背中を


万々叩きながらそいつは済まなかった、けれど外見だけだと言っ


たんだ。それを聞いて先生ははっとなった。何故はっとなったか


解るかい」

 

 先生は首だけを此方に向けて優しげに聞いた。けれどその聞き


方は別に陽子に答えを求めているようにも思われないようにみえた。


陽子は唯頭(かぶり)を振った。


         

             続く~~~~

      女友達6



 ふと気付くと学校の前に居る。何故私は此処に来たのだ


ろうと思いながら、しかし心の何処かで此処に来ることを望


んでいたかのような気がして、赴く儘に校内へ入った。

 教室に入る。とてもしんとしている。耳が痛い。静けさが針


のように陽子の体に突き刺さってくる。痛い。とても痛い。窓


の傍に行く。大きく深呼吸をして考える。私はどうしたらよい


のだろう。どうするべきなのだろう。私は今日、一気に大切な


ものをなくしてしまった。友情も信頼も思想も。私はこれから


果たして生きてゆけるのだろうか。


 そこへ、後ろから声をかけてきたものがいた。浜田先生で


ある。びっくりした顔をしてにこにこ笑いながら此方にやって


来る。先生は何時もの陽子ではないことを悟ったらしく、静か


に、


「どうした」


と言った。その言葉がやけに優しく感ぜられたので、陽子は泣


き崩れてしまった。涙が次から次へと溢れ出た。どうしてこんな


に涙が出るのだろうと不思議に思う程だった。恥ずかしくて恥ず


かしくて涙を止めようとするが止まらない。ああ、何ということだ


ろう。この人の前でこんなにも泣き崩れてしまうなんて、きっと呆


れているに違いない。この子はどうしようもない子だ、卒業しても


このように迷惑をかけにくる、そう思われているに違いないと陽子


は思うけれども浜田先生は唯々心配する一念だけで此方を見て


いることに気が付いて、情けないような、嬉しいような感情が入り


混じって、余計に涙がぼろぼろと出てきた。



            続く~~~~~

      女友達5



 走っている所為で体が熱くなり、汗ばんでくる。息もか


なり荒い。体とは反対に段々と心が冷めてくるのを陽子は


冷静に不思議だと感じずにはいられなかった。心が平常


心に近付いてくるに従ってあんなものかと思う。

 

 人間は変わる。変わらない方がおかしいのだ。所詮は


口だけの生き物。嫌なものと思う。

 

 次第に後悔の念よりも憤慨の念の方が強くなってきた。


三人は私の心を欺いたのだ。掌(たなごころ)でうんと遊ん


でおきながら飽きたから溝に捨てるが如く、私を捨てたのだ。


あの夢のような語らいも誠実な思想も共に流した美しき涙も


あの欅の並木道で約束したことも総ては嘘だったのだ。私は


騙された。完全に心を操られた。


 陽子は走り続ける。走りながら、しかしこの考えはいけないと


自分を叱咤する。けれどこの思念は中々消えず、さっきよりも


更に広がってくる。苦しくて、辛くて、遣る瀬無くなって、ああ私は


もう誰も信じないと思う。




         続く~~~~~~

     女友達4



 一気にがっくりして、総ての気力が一瞬にして消え去った、


まるで剣士が試合を終えて、それまで溜めてきた力を出し


切ったように、唯俯き、そして後に残るのは後悔と恥ずかし


さばかりで、三人の顔をまともに見られず下を向いて項垂れ


ている。三人は同時に陽子の言わんとしていた言葉を理解し


たらしく、


「私達、こんな格好しているけれど心はあの時の儘よ。あの


日、欅の並木道で別れた時の儘よ」


 陽子は麻依子の言う言葉が何か違う生き物が宙に浮んで


いるように聞こえた。その言葉がゆっくりと陽子の体に沁み入っ


てきて、何とも気怠い感じがして、その気怠さが嫌で気が付い


たら私達もうダメねと言っていた。

 

 その場に居ることが急に恐ろしく思えて陽子は走った。頭の


中は、もう後悔の渦が嵐となって自分を責めている。こんなこ


とで!と思う。こんな形だけのことで心はちっともあの時と変


わってなどいないのに、なぜ私はあんなことを言ってしまったの


だろう、ああ本当にもう終わりだと思いながら陽子はひたすらに


走る。何処へ行こうとしているのか解らない儘に、それでも走ら


ずにはいられない気持ちがして、横腹痛くても、息が苦しくても


休まず走った。



         

         短いですが、一旦きります。続く~~~~

   女友達3



 さて、約束の日が来た。少しは大人らしい服をと母が買ってきた新し


いブラウスに袖を通して家を後にする。爽やかな朝だ。新品のブラウ


スに四月の暖かい風が当たって、それが体から離れたり、ぴたりとくっ


ついたりする。膝よりも少し短めの黒いスカートを穿いて、陽子は待ち


合わせの場所へと急ぐ。

 

 皆どのようにしているかしら、服は、髪型は、靴は、バックは。陽子の


頭の中にはまだ高校生だった時分、四人で遊びに行った時のような服


装や髪型が脳裏に浮ぶ。今日のスカートだって、皆と逢う時に多く使っ


た服の一つである。恐らく三人共そうだろうと勝手に思い込みながら、


待ち合わせの場所に着き、あら少し早過ぎたかしらなどと一人で呟い


ていると忍がやって来た。


 「久し振り」


そう言った彼女を見た陽子は一瞬時が止まったのかと思った。

 

 化粧をびっちりとしていて、スーツを着ている。元々顔立ちが割りと


美しく、目鼻立ちがくっきりしているので、化粧すれば何処ぞのお嬢さ


んだろうという雰囲気があるし、スーツなど着れば尚更いい所のお嬢さ


んに見える。続いて愛子、麻依子と現れたが、陽子は追い討ちをかけ


られたように茫然としているしか出来なかった。

 

 二人共違っていたのだ。愛子は長くて黒かった綺麗な髪の毛を脱色


してパーマをかけている。服は可愛らしいが、靴がハイヒールだ。麻依


子は眼鏡を止め、コンタクトにしている。爪には赤いマニキュアが光り、


指にはきらきらとした指輪。皆、前のような美しく清純な姿ではなかった。


「今時」になっていたのだ。


 陽子は暫く声が出なかった。何だか自分だけが時の止まった何か違う


次元に居て、今この時を唯見ているだけのような、淋しい感情になった。

 

 違う、これは私の想像していたのとは全く違う。この人達は私の美しい


思い出を土足で汚したのだ。陽子は呟きとも独り言ともつかない調子で、


「何で・・・」


と言った。

 

 三人は首をこちらに向けて唯黙っている。陽子の態度が何時もと違う


ことに今更ながらに気付いたように目をぱちくりさせて、陽子の次の言葉を


今か、今かと待っている。陽子はいきなり息苦しさを感じて、けれど言わな


ければいけないという何か使命感に似たような気持ちで、掠れた声でもう


一度、


「何で・・・」


と言った。

 

 もうそれだけが精一杯だった。それ以上言ったら何もかも壊れてしまう、


私の美しい思い出も、友情も、思想総てが無くなってしまうように思われて、


声が出ないのだ。




             続く~~~~~

   女友達2



 教室での最後の挨拶を終えて、静かに席を立つ。まだ講堂にいる


だろう、父と母の所に行く。二人共何も言わずに陽子を待ち受けて


いた。


父は一言、にこりともせずに少し不機嫌そうに


「おめでとう」


と言う。陽子にはそれが嬉しい。この父は元来無口な男で、必要あ


ること以外は何も言わない。しかし何かものを言う時は、如何にも


勿体振って不機嫌に物々しく言う。陽子はそんな父の癖に何時も


苛ただしさを覚え、癇癪を起こしそうになるが、今日はそんな癖が


妙に心に沁みて、ああこの人は恥ずかしいのだ、自分の娘に対し


てでも一言言うのが精一杯なのだと納得出来るような心持ちが


する。母は父より半歩下がった所にひっそりと立ち竦んで、父が


言ったその一言の台詞に大袈裟に、如何にもそれが大事かの


ように大きく頷いて見せ、この後どうするかと何時も優しい声だ


がこの日は特別という風に柔らかく聞くので、別にこの儘帰って


もいいがと答えたが、ふと考えてやっぱり友達と帰るわと言う。


「そうね。それがいいわ。そうするべきよ」


と母は言う。まるで自分に言い聞かせるように。父は何も言わ


ない。ただ窓の外を見ているだけだ。

 

 二人と別れて、愛子と忍と麻依子を探す。三人は大きな桜の


木に凭れながら小さく固まっていた。陽子は弾んだ息を整えな


がら、わざとゆっくりと進む。


「終わったね」


少し声が上擦ったようだったが、さも急いで来なかったように


平淡に落ち着いて言った。


「そうね」

 

 私達にはこれだけの言葉だけでよいと思った。四人はゆっ


くりと歩く。

 

 校門を抜け、一斉に笑い合う。何か吹っ切れたようだ。悲し


んでばかりなどいられない。私達には明日があるのだ。四人


の目はそう語っている。

 

 ふと、話題は四人のこれからの道についてになった。忍は


浪人し、医学科を目指すと言う。愛子は調理学校に行き、将


来は調理師になりたいと言う。麻依子は美術学校に行き、


マチスやゴーギャンを勉強するつもりだと言う。


「陽子は教師ね」


愛子が念を押すように言う。陽子は何も言わず頷く。


「出会った当初から言っていたものね。夢を諦めずに頑張り


なさいよ。浜さんを目指すのでしょう」


忍が半ばからかいながら、陽子の脇腹を突きながらにやに


やして言う。陽子は「浜さん」という言葉が出てきたので嬉し


くなり、有頂天に話し出す。


「そう、私は浜さんのような教師を目指すわ。それがどんな


に険しい道だとしても負けるわけにはいかない。私は私の


理想である所の先生に近づく為には沢山の努力もするし、


勉強もするわ。早く教師になってあの人の傍で働くの。で


もこれは決して傍にいたくて教師になるのではないのよ。


決して私はそんな空想家じゃない。文学が好きだからよ。


そりゃあの人は数学だけども人間性はそれとは関係ない


わ。総理大臣やってるからって偉いとは限らないし、まし


てや乞食だからっていってその人が立派ではないとは


言い切れないのよ。解るかしら。あんな良い人は中々い


ないものよ。私はもっと文学を究めて、そうしてあの人の


傍で文学を教えてゆくの。それが私の夢」

 

 話に夢中になって息が弾んでいる。ちらと三人を見ると、


呆れた顔でしかし、陽子らしいと言って笑っている。少し


熱中し過ぎたなと赤面して、


「もうよしましょう。それより皆ばらばらになってしまうの


だから、今度逢う約束でもしましょうよ」


少しわざとらしいかしらんと思ったが、それくらいしか


この場をはぐらかす言葉が浮んでこなかった。

 

 幸いなことに皆この約束に注意がいったらしく、次の


土曜にしようだの、日曜にしようだの、いや明日にしよ


うなどと言っている。陽子は、この儘では埒があかな


いと判断して


「ではこうしましょう。毎月第三土曜日。時間は十時。


場所は川崎駅。それから、若葉の会とでも名付けま


しょう」


一行はそれで別れた。




                続く~~~~

   女友達



 校歌が流れ出す。三百人近くの生徒達が音をたてずにたちあがる。


厳粛で満ち溢れた講堂で、薄明かりの中に響く涙の声が小さく谺(こ


だま)しながら陽子の耳に幽かに入ってくる。既に陽子も泣いている。


泣きながら歌う校歌は最早歌ではないという程に乱れ、喉はからから


に渇き、幾度も舌で唇を舐め回し、目はしょぼしょぼし、視界もはっき


りせず、少し頭痛がして、ああ、この校歌を歌い終わってしまったら


私はこの愛しき学校を卒業してしまうのだなと、寂しさと悲しさの中に


いる自分がとても愛おしく、切ないような思いがする。

 

 無事式が終わり、とぼとぼと教室に向かう。頭がぼーとしてしょうが


ない。まだ夢の中にいるようで心が漠然としている。少し陰気臭い教


室は陽子のそんな心を慰めるような気がした。

 

 席に着き、少し集中する。今の自分の精神を平常に戻すよう努力


することが必要だと感じる。桜の木のことを考える。あの木は恐らく


私が生まれるずっと以前からああしていたのだろう、そうして私が


死んでからも微動だにせずにその姿勢でいるだろう。池も噴水も


恐らく其の儘だろう。世の中は常に変わるけれども、この学校だけは


変わらない。いや、変わるか。変わらぬのは私の心の中に存在する


この学校の思い出や景色だけだろうと少しざわめいてきた教室に一


瞥して陽子はそこで精神集中を止めた。

 

 ドアが開き、浜田先生が入ってきたからだ。陽子は先生の顔を見て


ドキリとする。浜田先生は良い人だ。あれ程の人物は他にはいないと


感じる。さっき卒業式の中頃、先生がよろめいた。他の先生の影にい


たからちょっとやそっとでは解らない。他の生徒は気付かないだろう。


私だけが知っている出来事だと陽子は思う。最近具合が悪いと言って


いらしたけど、今日は大丈夫かしらと実は式の始まる前から心配をし


ていたのだ。案の定、先生は倒れそうになった。

 

 思わず声が出そうになったけれど、ぐっと我慢した。この涙する幻


想的な雰囲気を壊してはいけないと判断したからだ。


 先生が教壇の中央に立つ。ゆっくりと、しかし確かに四十三人の


顔を眺める。はたと陽子と目が合った。何も言わない。けれど微かに


微笑む。陽子は微笑まない。微笑んでしまったら、精神がまた元に


戻ってしまうだろう。少し睨んだように凝っと先生を見る。私はあな


たが好きです、敬愛しています、あなたのふと遠くを見つめる癖も、


生徒に丁寧な言葉遣いするのも、コーヒーが好きな所も総て。


それは恋愛ではない。もっと高尚なものであり、言葉では表すこ


とが困難なものであることを陽子は知っている。

 

 先生はそんな総ての気持ちに気付いてるかのように小さく、


皆には悟られないように頷いてみせ、他を眺める。

 

 陽子は急いで目頭を押さえる。陽子には先程の倒れかかった


事件も私だけが見ていたことを知っているかのようにみえた。


もうこれだけでいいと思った。もう何も、贐(はなむけ)の言葉も


別れの言葉もいらないと思った。あの微笑と頷きが総てを語って


いるように感じられた。





       中途半端ですが、一旦きります。次回に続くーーー

    聖者



あなたのその瞳が好きでした


あなたのその笑顔が好きでした


あなたのその優しさが好きでした



いつもあったかくて  ほがらかで


どんな時でも自分より


他人を大切にして



悲しみをその綺麗な


笑顔の裏に隠して


誰にでも平等だったあなた



今思えば


私はそんなあなたに


頼っていた


そんなあなたに


甘えていた



遠くにいても


近くにいると


何も言わなくても


受け止めてくれると



人の生命(いのち)は


永遠ではないのに


あなたを喪うことを


恐れていました



聖者は多くの人を


助け連れて逝かれた


聖者は多くの子の


涙を受けて旅立った



多くの悲しみ  多くの涙  多くの辛さ



あなたは


戦い過ぎました


休むことを知らず


自分の生命を削って


たくさん  たくさん戦っていました



輝いていたけれど


儚い姿


勇士なのに


なぜか切なくて



時々咳き込む


あなたを見ると


自分が恨めしい



あなたの辛さを


あなたの苦しさを


あなたの痛さを


私に代えることが


できたなら


私にとって


これほどの幸せはなかったのに



私の心にはいつでも


あなたが居ます


輝いているあなたが



あの眼鏡の奥の


優しい瞳が


いつまでも私を


護ってくれているのです




     故・岩田 克己先生に贈る言葉

     飛べない小鳥



私は飛べない小鳥


籠の中でだけしか


生活できません


毎日ご主人様の


ご機嫌をとって


おいしい餌を


ただ待っている



命令されるがままに


唄を歌って


かわいい仕草をして


利巧な振りをして


そうして生きて


ゆくしかないのです



今までそれが


当たり前だと思って


生きてきたけれど


あなたと出会って


知りました


私は飛べない小鳥


だということを



あなたは


自由気ままに


大空を飛び周り


自分の意思で


生きている



私は?



私の人生は籠の中



水と餌しかない


この籠の中


他には何もない



私はあなたを追って


籠から


飛び出しました



自由なあなたに


憧れて


私も連れていって


ここから連れ出して



あなたは素敵に


笑ったから


私はご主人様を捨てて


安全な生活を捨てて


飛び出しました


大空を求めて


あなたのいる


その世界に行くために



窓辺から


そっと


翼を広げて


私は飛んだ


あの太陽めがけて


広い大空へ



けれど私の翼は


思うように


動かない



あなたのように


羽ばたかない



私は飛び方を


知らない小鳥


そう私は


飛ぶことができないのです



飼い慣らされた小鳥は


決して飛べない


翼は飾りで


しかなくて



私は地面へ


真っ逆さまに


墜ちてゆきました



ーーー一筋の夢を残して



ああ


あのままずっと


籠の中にいれば



ああ


あのままずっと


唄さえ歌っていれば



ーーーあなたに出会う


ことさえなかったならば



私はずっと安全な


籠の中にいられたのに



私は飛べない小鳥