それは
元夫の車だったでも
元夫とは
まだ一緒に住んでいたが
離婚をしていて
面白いくらいに
怖いくらいに
タイミングが合わなくなり
もちろん
顔は覚えているが
顔をまともに見たのも
思い出せなくなっていたし
その車は
離婚した後に
替えた車だったし
替えたばかりだったし
色は知っていたが
メーカーや車種などは
覚えていなかったので
だからまるで
息子は知らない人の
知らない車に
突然連れて行かれたようだった
しかも
息子が
外にいたのは
10分15分くらいで
それは
平日の昼間で
車が止まったら
元夫だとはわかったが
その日元夫は
仕事だったのか
休みだったのか
半日だったのかもわからないが
なぜそこに
その時間そのタイミングに
現れたかわからないが
でもそれは
息子が
「いる」と「いない」の間に
一切の境界線がないくらい
物凄く自然に
でもどこか
物凄く用意周到に
起こり
まるで
最初から
シナリオがあり
それを
皆が演じているかのように
物凄く完璧に
それは起こった