マッサージ屋愛子に
お客さま
ご来店で
いつも
自分の体を
触るときも
そうしているので
７８年間
この体は
本当によく頑張ってくれたな…
ありがとう…
ありがとう…
と思いながら
母と二人で
こんな幸せな時間を
味わえるなんて
奇跡だな…
と思いながら
母の全身を
マッサージしていたら
母は時おり
ヨダレを垂らしながら 笑寝息を立てながら
「愛子の手は
しなやかで気持ちがいい…
極楽…」
と言っていた
そしていつも
幸せに、穏やかに
死にたい
と言う母に
たくさん体に
極楽を味わわせてあげると
本当に極楽に行けるのよ…」
と話し
わたしももっと
極楽、地上天国を
生きようと思った
そして
今夜は
焼きそばを作ろうと
思うけど
作る気力も
食欲も無い
という母に
わたしが
焼きそばを作り
作り置きしてあった
トマトのポークシチューを
あげたら
母は
久しぶりに
ご飯が美味しくて
仕方がなかったらしく
特別な物は
何も入れてないのに
何を入れたの？
とまで聞いてきて
父と二人で
美味しいね美味しいね
と山盛りのご飯を
ペロリと食べた
と喜んでいた
