統合 ⒋ | ブログ.

ブログ.

事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.














でも
その日は











わたしが
いつも一瞬で泣き
世界一だと絶賛する
友人料理を
食べたいとも思わず











白湯だけで
過ごした

























そして
翌日の昼前に
ふと











庭に干してあった
みかんの皮を
見たとき












ああ、
みかんジュースが
飲みたいな…
と思った











だから
はんなりには
皆みかんが好きなので
よくみかんが
あるので











ある?と聞くと
無いと言い










でも
ちょうど
買いに行こうと
思っていたからと












すぐに
買いに行ってくれた











そして
小さなみかんの
一粒だけを










口の中で
よく噛んでジュースにし
汁だけ飲んだら











もう
それは
想像以上で













そして
からだへの
浸透の











スピードや
感動の強さや
広がりも











今までの比では
無くなっていて












まるでそれは
初めて
みかんを口にした
人間の感動だった













そして
夕方前には
今度は
味噌ラーメンが
食べたくなり














インスタントの味噌ラーメンがあるよ
と言われたが












まだ
固形物を食べられない
わたしが











それを
食べられるとは
思わなかったので












友人に
味噌汁の汁だけが飲みたい…
とお願いすると













彼女は
自家製の味噌と
昆布と
野生のなまこ茸を
入れた












味噌汁を
作ってくれ












汁だけ
飲んだら











もう、もう
それは今まで
味わったことの無い
感動で











わたしは
ずっと
唸り続けた













そして
その翌日は













久しぶりに
固形物が
炭水化物が
食べたくなったので














その
味噌汁のなかに
ご飯を入れて











なまこ茸と
昆布と
ご飯を










ドロドロに
なるまで
噛んでから
食べるようになり












その頃には
頭痛も
ほぼ無くなり












目やにや
肌荒れも
良くなっていた













そして
その夜には
友人の次男くんが
食べていた











レトルトの
ミートソースパスタが
食べたくなり













でもまだ
肉が食べられるとは
思わなかったし








 



もう
ミートソースも無い
と言われ












でも
トマトソースパスタが
食べたいならと














友人が
なまこ茸と昆布の味噌汁の
余った具に












トマト缶と
渋柿を熟成させた皮と
しその実を漬けた
だし醤油を入れた
トマトソースをかけた












パスタを
作ってくれた





























そして
それを












はんなりの
リビングで
一人で










ドロドロに
噛みながら











一口に
5分も10分も
かけて
食べていたら











涙が
ポロポロ
ポロポロ
止まらなくなった












そして
友人が
リビングに
入って来たとき











わたしは
彼女に
抱きつき
しがみつき










おんおんと 
そう、おんおんと
泣いた












そして
しがみつきながら
彼女の背中を
バンバン叩き











彼女の服を
強く掴み
引っ張り











泣きながら
頭を
ぶんぶん振り
























そのときの
わたしは












内から
核爆弾のように











徐々に
一瞬に











爆音で
無音で











発狂で
静寂で










どこに向かうか 
一切分からないのに
大安心しかなく










持て余しているのに
大信頼しかなく










身の置き場が無いのに
これ以上無い
秩序で
収まっているような











相反するようで
調和しかなく
広がる










純粋な
狂気の
エネルギーを











ただ
何も考えず











露わに
することに























そして
そのうち
彼女は











座っていた
わたしの膝に
向かい合って
座り











彼女も
わたしの
背中を叩き










わたしたちは
ずっと
強く強く
抱き合った










そして
時おり
見つめ合い











わたしが
泣きながら
ありがとう
ありがとう
と言うと










彼女は
微笑みながら
ありがとう
と言い











それは
まさに










絶頂を迎え
野生の動物のように
雄叫びをあげ









喜びを
表現する










剥き出しの
女と











どこまでも









大宇宙のような
男の間で
起こった









まさに
セックス
まぐあいで






















わたしたちは
どちらも女で
どちらも男で










どちらも
狂ったように与え
狂ったように受けとり









それは
統合した
人間同士の











統合で




















だった