そして
息子はその上から
今度は
色鉛筆で
直線を描きはじめ
わたしは
「凄い!凄い!」
と叫んだ
そして
先生も驚き
「りんくんは
触覚的な絵を描く」
と言い
そしてわたしは
これがわが子なのかと
目を疑った
そして
後にわたしは
息子が障害を負った直後の
全盲だったときに
息子が
絵本をパラパラとめくったり
絵本の背表紙を
歯でビリビリ剥くなど
楽しんでいたことを
思い出し
あれが
ここに繋がっていたことに
また鳥肌が立った
そして
それだけではなく
息子は
今まで
一切教えたことも
ないのに
今まで
一切話したことも
ないのに
先生に
突然敬語で
話しはじめた
そして
それは
10年以上前
日本では
重度の知的障害児で
理解力や表現力が低い
と診断されていた
息子が
渡米先の
スタッフの指示には
魔法にかかったように
従ったことと
重なり
何か
凄いことが始まった
と思った