その人 | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.












学習ボランティア
していたとき










学習ボランティアは
だいたい
勉強が苦手な子や
授業をじっと受けられない子などの
フォローを頼まれるのだが









あるときわたしは
いつも真面目に大人しく
授業を聞いている
背の高い女の子に








「いつも
大人しく聞いてくれて
ありがとうね…」








と声をかけた








それは
授業の邪魔をせず
聞いてくれて








自分のできることを
コツコツとやる
子どもたちの存在は
決して当たり前じゃない
そう思ったから…
















するとその子は
ハッとして
びっくりして
わたしを見た









そんなことを
初めて
言われたのか








自分に起こった出来事が
信じられない
というような顔で
わたしを見た








そして
わたしは
毎日息子の迎えに
学校に行っていたので










あるときも
下駄箱で
息子を待っていたら








ごった返す
子どもたちの中で
遠くからの視線を
なぜか感じ







 

ふと
遠くからその女の子が
わたしを
じっと見つめていることに
気づいた









そして
わたしは
その女の子は
わたしだとわかった









わたしは
子どもの頃から
なぜか
ある大人の女の人を
探していたから…











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それが誰なのか
なぜなのか
どんな人なのかは
わからなかったが








なぜかわたしは
その人
いつもいつも
探していた








でもわたしは
その人
出会うことはなく
大人になり








そして
いつしか
その人を探していた
ということも
忘れた









でも
忘れていた何か
あることを
思いだしはじめ








そしてふと
同じように
息子の下駄箱で
息子の帰りを
待っているとき








たくさんの行き交う
子どもたちに








おかえり
おかえり
と微笑んでいる
自分にハッとし








わたしが探していた
その人は
わたしで









わたしは
目覚めて生きるひとを
探していたことに
気づいた











そしてその
わたしだったのだと
気づき








小さなわたしも
大人のわたしも
同時にホッとした