中学時代の山に住んでる友人の話を。



中学時代 行動範囲が広がり

自転車🚲さえあれば

どこにでもいけるんじゃないかと思うほど

遠出をしていました。


通った中学は

田舎ながらも街からくる地域と

山から降りてくる地域で出来ており

街からくるわたしにとっては

山から降りてくる友人の話が

とても興味深いものでした。


ドンドンと叩く音が聞こえて目覚めたら

タヌキが窓を叩いていて起こされた とか


バスを待っていたら

野生のキツネもバス停に来た とか


カラスと喧嘩しながら学校に来た とか


話を聞いているだけで

えーなんそれぇー♡爆笑

友人が話す山の暮らしは

ほっこりとあったかくなっていくものでした。


同じ市でも

こんなに生活が違うものなのだと

驚いたと同時に

わたしも そんな山の暮らしに

憧れを感じていました。


🌳


◯◯ダムまで行かん?

俺 ダムの景色が好きとよね

ある日 山から来ている友人が

誘ってくれました。


ダム?

えー💦ダムって あの水が溜まってるダム?

行けると?

行けるよ。俺よくじーちゃんと行くもん。

行く行く!!


3人ほどで みんなでダムを目指して

自転車🚲🚲🚲で山道を登って行きました。


ガードレールがあるべき場所になく

道路の横は絶壁。

もちろん街灯もありません。


ここ落ちたらやばすぎるやろ😵

そんな事をいいながら

山道を はぁはぁいいながら

駆け上がっていきました🚲


ようやく辿り着き

初めて見たダムの景色には感動しました。

写真はイメージです。


こんなにダムがきれいやったなんて

知らんで生きとった。


ダムの城壁のアーチや

見た事ないほどの勢いで流れていく水に

これを人が創造したんだ。

これをつくったひとも

昔はわたしと同じ中学時代があったんよね…


自分が今 水を飲む事が出来て

生活ができるのは

雨や雪が降った事の他に

このダムをつくってくれた人達のお陰だ

感動しました。


人間ってほんとうに素晴らしい…

そう思うと

自分もこのダムを作った人達と

同じ人間である事が

嬉しくてなっていきました。


自分が感じたことを言葉にするには

照れ臭くて

ただ、ただ、○くんに感謝を伝えました。

◯くん 教えてくれてありがとう。

よかろ?

これ みんなに教えてあげたいっちゃんね。


自分よりも

うんと田舎暮らしをしている友人は

自分の知らない世界を知っていて

自分がやった事ない経験をしている姿に

丁寧に耕された

ふっくらとした土のような心の持ち主だなぁと

思いました。



ダムのゴーーゴーーという

圧倒されるほどの大きな水の流れる音に

しぜんとわたしたちの声は大きくなって

身体はへとへとに疲れているのに

心は行く前よりも

元気になっていきました。


特別な事は何もせず

ただただ、ダムの音が響くその場所で

ひんやりとしたコンクリートに

ごろんと寝そべって

水の音を全身に浴びながらぼーっとしました。


今度さ お弁当持ってこようよ。

お菓子とかジュースとか。

ここで食べよー

いいねー!


ダムの美しさに魅了されたわたしは

また別の日にも

一緒にダムを見る為に山道を上り

重たいペダルを喜んでこいでいきました。



通うようになって何度目かの日。

その日は

曇り空で、霧雨が降っているか?いないか?

そんなお天気でした。


いつものようにダムを眺めていると

雨が本格的に降ってきました。

この雨もいつかうちらの身体の一部になるね照れ

そうやね。随分先やけどね爆笑

っていうか

やばい!どうする?

着いてすぐやけど 帰らんといかんよね。

そういいながら

自転車にまたがり

山道を降りていきました。


行き道は ひたすら登り坂ですが

帰りは ペダルをこぐ必要がない降り坂を

進んでいきます。


何度も通ってきたこの道に

緊張感が薄くなっていたわたしは

この道のスリル感も

楽しんでいました。


わたしは先頭に進んでいた為

友達来てるかなぁ?と振り返りながら進み

友達がいることを確認して前方を見ると

正面は絶壁。

直線を進んでいるつもりが

山道のカーブに差し掛かっていました。


ここはガードレールが無い為 

絶壁に向かって突進。

雨もふり、下り坂でブレーキがききません。

ハンドルを取られてしまい

道路の縁ぎりぎりになり

たすけて…えーん

ほんの数秒の時間でした。


すると

ハンドルが突然 

誰もいない絶壁の左側から

ぐんっと強く押しあげられ

自転車は道路側に傾き

バランスを崩した後 倒れました。


左側の

絶壁へ落ちなかった事も救われましたが

右側の

車道に車が通過していなかった事も

救われた事の一つでした。


今のなんだ!?びっくり

凄い力で押される感覚。

感覚的には横スライドのボリュームを

いきなり0からMAXまで上げられたような

ボワンとクレッシェンド𝆒するような力。


自転車を道路脇に止めて絶壁を見ると

目が眩むほどの高さに

膝から崩れ落ちました。

驚きすぎてしばらく立ち上がれない経験は

この時が初めてです。


もしここから落ちたら

助かるどころか

見つける事も困難だっただろう…


後から来た友人に話すと

危なかったね。

もし、りもっちゃんが落ちとったら

俺も責任感じとったよ。

誘ったのは俺やけんね。

護られたんやと思うよ。



無事に家に帰宅できて

何事もなく夜が過ぎていく様子に

とても不思議な感覚がありました。


事故は一瞬で

生活は流れなんだと。

それから

護ってくれた存在に心から感謝しました。


ゆっくりゆっくり飲み干した白湯が

身体に染みわたる夜でした。


🏔️


長男が以前

天使は分にとって

悪い方に向きそうな時に助けてくれたり
見守ってくれたりする。と話してくれた時に
自転車がチっと止まった話をしてくれました。


お母さんもたくさんあるはずだよ。絶対。

そう言われた時に

このダムの出来事が鮮明に蘇りました。

 

大きく命拾いした経験を幾つもしていたので

こういった出来事を

つい忘れてしまっていましたが

無難に済んでいる事こそ

日々の積み重ねは守られている証だという事を

忘れちゃいけないな…と感じます。


花


ダムへ連れて行ってくれた

友人の事を思い出すと

色々な記憶が鮮やかになっていきました。


💒


わたしの結婚式の2週間前に

急遽 1つ空きがでました。


たまたまこのタイミングで

ダムへ案内してくれた

◯くんと再会する事になったので

◯くん ◯曜日暇?

なんも用事ないけど。

うち 結婚するとよね

えー!!そーなんやおめでとう!

あのさ、 お願いがあるっちゃけど

結婚式こん?

俺 今、金欠ったいねー

いらんいらん。こんな急にお願いしよるとに

お祝儀を貰うつもりないよ。

ご飯たべにきいよ。

ご飯食べるつもりで結婚先こんね?

いいと?本当にそれでいいと?

当たり前やん。

ただね、受付で『祝儀なしです』は

◯君が居心地悪いやろうから

祝儀袋だけ 買ってくれんやろか?

空の祝儀袋を受付で渡してくれん?

本気で? 

うん。こんな事

うちらの関係やけん 成り立つやろ?

今 再会したのも

意味あると思うっちゃんね。

うん。わかった。ありがとう

こちらこそ ありがとう 

これまでの御礼ね!

やけん ちゃんも御礼受け取ってね

分かった。

おれ 結婚式行くのはじめてやーん



そうやって、◯君は式に参列してくれて

祝福してくれました。


式が無事に終わった翌日。

お祝儀の中身をチェックしている時に

母が、◯くんのお祝儀袋を

開封してしまいました。

あれ?これ入っとらんね…

あ…これはいいと。

わたしが いらんけんって言ったんよ。

受付で気まずいやろうけん

袋だけ出してって。


母は、わたしがした事に驚いていましたが

その行為に喜んでくれました。

これを分かってくれる親で良かったと

その時に思いました。


◯くんは中学時代の思い出を

お手紙にたくさん書いてくれて

それがすごく嬉しくて

今も大切に保管しています。


◯くん 本当にありがとうおねがい



しばらく会えていませんが

どうしているかなと思います。


一生会えなかったとしても

あなたは一生

わたしの友達であり無条件の親友です。



UMAくんりもっちママのあるがママなすがママ。

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