この日は友人(Sさん)宅を友人(Hちゃん)と訪問(弔問)することになっていた。
Sさんは高校の同級生で、Hちゃんは幼稚園、小学校、中学校が一緒の幼馴染。SさんとHちゃんは結婚前に料理教室で出会って意気投合して以来の友達同士。
私が二人の共通の友達ということがわかってから、一緒にドライブに出かけたりしていた。また、ここ数年は≪かしまし会≫と称してランチしてお茶して大いに喋りまくる仲間になっている。
Sさんのご主人が長い闘病の末、今年2月に亡くなった。コロナ禍ゆえにお悔やみにも伺えなかったのだが、やっとこの日にお参りさせてもらうことになったのだ。
朝から土砂降りの雨。前もってお願いしていたお供え用のアレンジフラワーを花屋さんで受け取り、Hちゃんの待つモールへ向かった。
このモールの身障者用駐車場に登録してあるので、いつもはスーパー近くの外の駐車場へ停めるのだが、雨がひどいので2階にもある専用駐車場へ停めることにした。
場所がわからず駐車場をぐるぐる周ってやっと見つけて駐車した。後部座席に積んであった供花が傾いていたのであわてて、毛布など噛まして倒れないように整えた。予想外のタイムロス。
そんなことをしていたら約束の時間になってしまっていて、その場所に行くとHちゃんがすでに来て待っていてくれた。モール内のケーキ屋さんで手土産を買ってから出発。
Sさん宅へはずいぶん前に行ったきりで正確な位置を知らなかったが、Hちゃんがよく知っているので、ナビを任せ、約束の時間より少し遅れて到着。
Sさん夫婦の住まいと廊下で繋がったSさんのご両親の住まいだった古い家に仏壇があり、そこでお参りをさせてもらった。
〈こんな広い家で一人になって、いろいろ大変やなぁ〉と、3人姉妹の長女として跡を継いだSさんのこれからを思った。一人息子さんは関東在住だし…。
準備してくれていたお弁当を食べながら、すぐにいつものお喋りモードに入って、コロナ問題や時事問題や著名人の噂話や…等々。お持たせのケーキでティータイムも過ぎ、話題が尽きることはなく、夕方になって時間切れで解散となった。
お悔やみに来たはずなのに…と申し訳なく思うほどかしましく喋ったのだが、それでもSさんがずいぶん元気になっていたようで安心した。
コロナが落ち着いたら、泊りがけの旅行などして楽しもうと約束して帰途についた。
しかし、Sさん宅を出発してからいつになっても私の思う道路に出ない!Hちゃんが何も言わなかったので走り続けていたのだが、気が付けば大津方面とは反対方向に向かっていた。
あとでわかったが、私は南北を間違えていたのだ。
Hちゃんは私が道を良く知っていてこんなルートもあるのかと思っていたそうだ。というのも往路で走ったルートはHちゃんが知らない道だったので、すっかり信用してくれたようだ。
しかし、往きのSさん宅近くの道で、私がHちゃんに「Sさん宅はこの道の左手にあるんやね?」と訊いた時、「右手やで」と言われたので、もうそこから私は方向が全く逆になっていたということだ。
ずいぶん遠回りしてしまったが、帰路もHちゃんが知らない道を通ったので、渋滞も無く、意外に早く大津に戻って、Hちゃんのマンション近くまで送り届けた。
日頃は独りで車に乗っているので、久しぶりに人を乗せると緊張して疲れた。しかも道を間違えたし…。
夕飯は予定通りのラタトウィユパスタとポテトサラダ。前の日に頑張って料理しておいて良かった。
私は「これでもか!」といういうほど粉チーズをかける。ちょっと優しい味だったのでタバスコもかけてパンチを効かせていただいた。
金曜日に続く。