一度投稿した記事ですが、旅の時系列順に並べるために再度アップします。
鶴岡を発つ日、鶴岡駅の上に広がっていく青空を見ながらホテルで朝食。
午前中に《致道博物館》をざっと周ってから湯殿山へ向かう予定だったが、駐車場に着いたときすでに満車状態。親切な警備員のオジサンが少し離れた駐車場を教えてくれて行ってみたが、そんな所から往復して見て周っていては、予定の湯殿山での時間が足りないかも知れない。
この博物館はあきらめて、とにかく午前中に湯殿山を制覇しておこうと出発した。途中のPAで休憩してトイレに入るとこんなものがぶら下がっていた。山形は紅花の産地だからベニバナのつもり?
高速を降りて湯殿山へ向かうと、湯殿山の駐車場までは有料道路を通るしかない。大駐車場へ到着すると、そこには参拝バスの乗り場があって、そこから先はこのシャトルバスしか通行できない。
大駐車場から見上げるとまだ雪が残っている。
寒いはずだ。標高1000メートルを超えているのだから長袖のTシャツの上にカッターシャツを着て、日よけ用のアームカバーを腕にかぶせて、フード付きのウィンドブレーカーを着こんだ。
参拝バスの終点以後は神域ということで撮影禁止になっていた。
湯殿山の神域やご神体については「語るなかれ、聞くなかれ」ということらしいが、私はすでに友人に語ってしまっているので、ここにも書いておこうと思う。
「聞くなかれ」だが「読むなかれ」ではないので、読んでいただいても特に差し障りはないと思うが…
山道をしばらく進むと木々の間から白いモノが見えてくるが、それは木の棒の先に御幣を付けたもので、悪天候用にビニール袋に包まれている。見れば一本一本に奉納者の名前が書かれている。
順路に従って進んで行くと沢が見えてくる。両横に小屋があり、近づくと左手の小屋から神主らしき人から「ここで裸足になってください」と言われ、右手の小屋で靴と靴下を脱いで裸足になり、ズボンをたくし上げた。
そして、お祓い料を支払うと、小さなヒトガタの紙と御守らしきものをいただく。ヒトガタの紙は穢れを祓うために沢に流すように言われた。そして数人まとめて短い言葉でお祓いを受けた。
雪が残る寒い中、冷たい石畳の通路を裸足で歩いて行った先に見えたのは巨大なオレンジ色の岩だった。そこには温かい水が流れていて、順路はその岩をよじ登ることになっていた。オレンジ色は温泉水の鉄分の色だ。
これが語る無かれ、聞く無かれ、といわれ続けてきた湯殿山のご本尊なのだろう。冷え切った足に温泉水の心地良かったこと!あまりにも驚きが大きくて、この時のことはあまり詳しく覚えていない。しかし【湯殿山】という名前の由来に大いに納得した。
登りつめた先を順路にしたがって歩いていくと、峡谷を見渡すところに神の名が刻まれた石碑があり、そこをお参りした。帰り道には足湯があったが誰も足をつけていない。レジオネラ菌とかいるかも…と思ってやめておいた。
ここの社務所で求めた御守はこれ赤字のお守りはヒトガタの紙と一緒に渡されたもの。
神主さんから写真撮影してもいい場所を確認してから帰り道で撮った数枚。雪が深い。数日前に開山祭をしたばかりだということだ。
参拝バスで降りてきてから撮った写真。
湯殿山参拝の費用は、駐車場までの有料道路代400円、駐車場から参拝バスが往復300円、そして絶対に受けなければならないお祓いの料金が500円で合計1200円也!
今日のノルマは果たしたので、あとは山形へ帰るだけ。湯殿山からは高速道路を使わずに国道を走るつもりだったが、そろそろレンタカーのガソリンの残量が少なくなってきた。
駐車場に居るバス会社の人に湯殿山から一番近いガソリンスタンドの位置を尋ねたところ、「さあなぁ…」と隣のおじさんと二人で考えて「112号線を30分くらい走った辺りだよなあ?」とのこと!
30分くらいは持つだろうけど、ガソリンスタンドがそんなに遠いとは…。さすがに修験道の山はずいぶん人里離れたところにあった。〈お昼は下界で何を食べようかなぁ〉と雪の湯殿山を後にした。