昼食の続きを書く前に「救世主」となった人々のことを書いておこう。
ケレタロに到着して一週間。【死者の日】も近づいたある日、学校では、スタッフや先生方と一緒に「祭壇」を作る時間があった。学校の門はすでにこんな飾りがしてあった
たいして手伝いもしなかったが、先生やスタッフが飾りつけたのがこの祭壇
真ん中の写真は、なぜか作家のカルロス・フエンテスのものだった。
普段はすれ違ったりして、なかなか話す機会が無い他のコースの生徒たちと交流し合うのに絶好の時間だった。日本人、韓国人、台湾人、インドネシア人、アメリカ人、カナダ人、ニュージーランド人…。コミュニケーション手段はスペイン語のみ。
「なぜスペイン語を勉強するのか?」というのは、先生とも生徒同士でも必ず聞き合う質問だ。みんなメキシコでの仕事や生活やその他諸々、必要を感じてスペイン語の勉強をしている。
こんな時、私は少し答えに困ってしまう。この年齢のバアサンがたった2週間のスペイン語留学!なかなか説得力のある説明はできない。
それはさておき、この祭壇作りに集まった人々の中に「救世主」がいたのだ!彼女はこの学校の生徒だが、少しの間休学中で、学校から祭壇作りの連絡が入って参加していたのだ。
そして、同じ日本人の私に声をかけてきてくれて、「一緒にお昼を食べましょう」と、それから私の授業が終わるまで1時間も待って下さった。2人で学校を出ると真ん前の駐車場へ。ええーっ、車なの?すごーい!
ケレタロ空港からタクシーでホテルに着くまでの間、運転手さんといろいろ話した所、ケレタロでは一般道の制限速度が90kmで高速道は120kmと聞いていた。ケレタロの一番賑やかな場所(セントロ)は全て一方通行で、交差点に信号もなく、譲り譲られのサバイバルドライビング!
(一台ずつという標識?)
異国でのこんな道路を左ハンドルのホンダの車でスイスイと運転って、なんて男前のYさん!
前もって連絡していたらしきお友達を、山の手の高級住宅街までお迎えに行き、2人目の現地ミセスのYさんとご対面。3人で目指したのは日本食専門のスーパー。そこで車で来ていた3人目のミセスのYさんと合流。
名前はそれぞれ違うけど3人ともイニシャルがYさんだったのだ!
そのスーパーで、ホテルでお湯をもらえば食べられると考えて、カップ麺やインスタントみそ汁、そして梅干しも買った。
カップヌードル1個が46.5ペソ(=325円)!メキシコ人の生活館感覚からすれば465円ってこと?
この日のお買い上げ:
カップ麺 × 3個
マルコメの即席みそ汁3食入り × 1袋
カツオ梅 × 2パック
合計292ペソ(=2045円)、メキシコ感覚で3000円近い!
ケレタロでの3週間くらいはなんとかメキシコ料理で凌げるはずと踏んでいたので、日本食は何ひとつ持って来なかったのだ。せめてお気に入りの梅干しくらいは持って来れば良かったのだが…甘かった。
買い物後、2台の車に分乗して、最近オープンしたという日本食のお店へ。
お米に飢えていた私は迷わず「ヤキメシ」を注文。Yさんはカツ丼、他の二人のYさんはラーメン。車なのに昼間からビールも飲んで!
美味しかった!身体が生き返った気がした。Yさんたちも「美味しい!」とその味を大絶賛。コックさんが日本人なので現地の材料で日本の味を上手に出している。
ラッキーなことに、このレストランは私のホテルと同じ通りにあって、歩いて十数分だということがわかった。しかし、セントロとは反対の方角にあるので、その近くの市場や教会をルートに入れて、その後何回か通った。
一番若いYTさんは、なんとJちゃんのお友達ということがわかった!YTさんは週に何回か同じ学校に通っていて、翌日、私にお弁当を作って持ってきてくれた!こんなに親切にしてもらっていいのだろうか。
昼食と夕食に分けて、インスタントみそ汁やカップ麺と共に本当に美味しくいただいた。キュウリのお漬物は自分で漬けている糠漬けとのこと。納豆菌も培養しているらしい。「食べたいものは自分で作るしかない」と…。なんというたくましさ!
ネット環境については先のブログで書いたのだが、このYTさんは「繋がるはず」と私のiPhoneをものの5分で繋いでくれた!ええーっそんな簡単なことだったの?機内モードのままWiFiにつながるなんて?!おかげでその後、皆さんとLINEも繋がり、簡単に連絡をとれるようになった。
またある日、男前のYMさんは、そのお友達のYNさんと、ケレタロにあるピラミッドへピクニックに誘ってくれた。お弁当には鮭がたっぷり入った大きなおにぎりを二つずつ作ってきてくれて、写真を撮るのも忘れてかぶりついて完食した。大きな海苔に包まれた野趣あふれる豪快なおにぎり。いやあ、本当に美味しかった!
ピラミッドはすでに閉園していたが、係りのオジサンに入れてもらって写真だけ撮ってきた。どっちにしてもまだ発掘途中で登れないそうだ。
その後、YMさんのお宅にお邪魔して、フレンチブルドッグのウーピー君とハスキーのベル姫と対面した。広々とした明るいお部屋で伸び伸びとメキシコライフを楽しんでいる様子。ウチのショータ君に会いたくなった。
お宅近くのお店から撮った写真。
お宅のベランダから撮った写真。
異国での慣れない習慣や食生活で、ずいぶんストレスが多いことと思う。でも皆さんまだ数年はここケレタロでの生活が続くとのことで、様々な努力をしているようだ。
Yさん軍団のおかげで私のケレタロ滞在がとても充実したものになった。スペイン語学習だけを目標にしていたので、これは全くの想定外。本当に中味の濃いプチ留学生活となった。
3人のYさんたちが3人とも口を揃えて、「また絶対ケレタロに来てください。今度はホテルに泊まらなくても我々の家で滞在してください」と言ってくれている。
困った!【冥土の土産】にとこれが最後のメキシコ行きと考えていたのに、お礼参りにケレタロを再訪しなければならなくなった。