ホテルの朝食は無料なのでお仕着せの朝食かと思っていたが、だんだん私の希望を聞いてくれるようになった。
ケレタロで最初の朝食で出してくれたのは、パパイヤとメロン、オレンジジュース、トースト、そしてチラキレスというメキシコ定番の朝ごはん。
チラキレスは、揚げたトルティーヤ・チップスをサルサで煮たものだそうで、このホテルでは緑色のサルサだった。
(ネットでお借りした写真ですが、チラキレスの食卓はまさにこんなイメージでした)
時差ボケの上、14時間の時差で日本時間でいえば真夜中の時間帯に、こんなにチーズたっぷりで大量のチラキレスが食べられるはずもなく、二口三口食べただけで、オレンジジュースとトーストとミルクティーで済ませた。
その後は、毎朝、Rosaが「何食べる?」と聞いてくれるので、卵料理は《目玉の卵》にしてもらって、エッグオントーストにしていた。紅茶はどれも薄くて香りも何もないので、こんなこともあろうかと持参したお気に入りの紅茶(English Breakfast)を毎朝食堂に持って行った。
生々しい目玉焼きの黄身の味は、日本の卵とは味が違うので、そのうち、しっかり火が通ったチーズ入りオムレツにしてもらった。
フルーツは種類が豊富だ。パパイアやメロンやスイカを毎日出してくれるのだが、私の身体にはフルーツの果糖が良くないので、その理由を伝えて断った。
ただ、このホテルの名前は【オレンジの木の家】というだけに、パティオには大きなオレンジの木があって、それを絞ったジュースを出してくれる。酸っぱかったり甘かったりいろいろだが、とても美味しくて、これだけは自分に許して毎朝一気に飲んでいた。
日本での日常生活とできるだけギャップのないように過ごすことが、身体への負担を少なく出来るものと考えていたので、朝食も日本と同様、トーストとチーズとミルクティーくらいで済まそうと思っていた。
しかし、9時から1時半までは学校で、昼食はどうしても2時ごろになるという一日のスケジュールを考えると、朝食はたっぷり目にとっておいた方が良い。ということで、卵料理を食べることにしたのだ。
上の写真でオムレツの上にある黒っぽいものはフリホーレスといって、しょっぱい味の小豆みたいなもの。(写真はクリックで拡大されます)
野菜類がほとんど摂れないメキシコ料理では、このような煮豆が唯一安心して食べられる料理だ。繊維不足解消のために毎朝つけてくれるようにお願いした。
それでも、たまにはメキシコの卵料理を所望した。ウエボス・ランチェロスという朝食の定番で、トルティーヤの上に目玉焼きを乗せ、そこに赤いピリ辛のサルサをかけてある。
卵とサルサを混ぜ合わせて食べるのだが、手で持ち上げようものならボタボタと中味がたれるし、ナイフやフォークで切ろうとしてもなかなか切れない!Rosaに「どう食べるの?」とSOSを出すと、見かねてスプーンを持ってきてくれた。
オムレツは 塩とチーズだけの淡白な味なので、ケチャップを頼んだところ…無い!って ケチャップ好きなのに!
トルティーヤはもちろん、卵もなにもかも(エサがトウモロコシなのだろう)、なんだか《とんがりコーン》のような匂いがして、バアサンの私にはなかなか「美味しい」とは思えなかった…