[探偵マーロウ] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ニール・ジョーダン監督・脚本。ウィリアム・モナハン脚本。ベンジャミン・ブラック原作。レイモンド・チャンドラー(キャラクター創作)。シャビ・ヒメネス撮影。デヴィッド・ホームズ音楽。22年、アメリカ映画。

DVDにて鑑賞。日本では昨年公開されたリーアム・ニーソン映画出演100本記念作。原作はレイモンド・チャンドラー原作[長いお別れ]の公認続編ジョン・バンヴァルが名義変更で書かれた[黒い瞳のブロンド]の映画化。

リーアムのフィリップ・マーロウ、ハマってる。この企画を聞いたときに合うのではと感じていたが、期待通りだった。物語の方も、二転三転する物語をマーロウが捜査することで、ハリウッドの闇を暴き出す上質な人間たちの確執が描き込まれた秀作スリラー。

1939年、ロサンジェルス。行方不明になった愛人ニコ(フランソワ・アルノー)を捜してほしいというクレア・キャヴェンデッシュ(ダイアン・クルーガー)の依頼を受けた私立探偵フィリップ・マーロウ(リーアム・ニーソン)は、調査を進めていくうちにハリウッドの闇に巻き込まれていくが…。

マーロウは捜査で警察からニコは高級クラブを出たところで交通事故にあって死んだと伝えられるが、クレアは彼を見たと語り、マーロウは捜査を続ける。クレアの母で有名女優ドロシー(ジェシカ・ラング)との確執が明らかになり、目撃者であれ妹リンを二人のメキシコ人と裏社会の顔役ルー・ヘンドリックス(アラン・カミング)がマーロウと接触してくるが…。

物語の決め手になるのは女性の欲望。公認続編だけあり、チャンドラーの世界観が見事に再現されている。時代を再現する美術、セット、衣装。ムーディーな音楽。何人もの監督が映画化してきたマーロウ物の中でも本作の完成度は高い。
チャンドラーとマーロウ好きに推すめたい一本。