力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

劇場最新作品の感想も書いています。

サム・ペキンパー監督。A・S・フライシュマン原作・脚本。ウィリアム・H・クローシア撮影。マーリン・スカイルズ音楽。61年、アメリカ映画。

スカパー、ザ・シネマにて鑑賞。後にアメリカン・ニューシネマの代表監督としてバイオレンス映画の旗手になるサム・ペキンバーの劇場映画デビュー作品。

南北戦争で捕虜になり、南軍兵士に頭の皮を剥がれそうになり、復讐に燃える主人公”イエロー・レッグ”(ブライアン・キース)は肩に弾丸が入ってままで右手を上手く使えず、頭の傷を帽子で隠している。敵のターク(チル・ウイルス)を殺さず彼の相棒で早撃ちのビリー・ケプリンガー(スティーブ・コクラン)と銀行強盗を画策、その最中、ダンスホールで働く赤毛のキット・ティルドン(モーリン・オハラ)の子供ミードを誤って撃ってしまう。町の夫人たちに嫌われてることを気にするキットは元夫が埋葬されていて、今はゴーストタウンのシリンゴの墓に息子を埋葬すると周囲が止めるのも訊かずに馬車で出発するが…。

さすがにデビュー作だけにまだペキンパー独自の色が出せていない。50年代まで多数製作された西部劇の流れを色濃く受け継いでいる。ヒロインに起用されているモーリン・オハラはそのいい例で、ジョン・ウェインの西部劇時代の女優だ。それでと、ギリギリのお色気でさすがの存在感があり、ブライアン・キースが冴えない分、存在感が際立っている。

 三人のメンバーはイエローレッグと袂を分かち、やがてラストの駆け引きになっていく。先住民との攻防、いつしか愛を芽生えさせていく、イエローレッグとキット。ハリウッド的なお決まりの結末。インパクトを売りにしているペキンバーらしさは微塵もないのだが、この映画、モーリン・オハラの魅力でかなり観れる作品にはなっていた。