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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

ラルフ・ネルソン監督。ジャック・J・トマス脚本・原案。、アニタ・ドーハン脚本。フレッド・コーネカンプ撮影。ジル・メレ音楽。77年、アメリカ映画。

Amazon Primeにて鑑賞。久しぶりに70年代の愛すべき映画たちを紹介できる。この時代ジョイパックはB級でも面白い作品を配給しており、この映画も怖い作品でよくできている。監督はラルフ・ネルソン、[野のユリ]などの社会派作品を手がけ、キャメラは名手フレッド・コーネカンプ。主演もロック・ハドソンだし、案外、力の入った作品なのかもしれない。

胎児の成長促進の研究を続けるポール・ポリストン博士(ハドソン)の手によって、急速に成人となったヴィクタリア(バーバラ・カレラ)。だが彼女の成長スピードは留まる所を知らず、抑制するためには胎児の骨髄液が必要であった......。

医療の発展と実験、学者の欲望の危険さをこの映画は如実に伝えてくる。ポールは若くして妻を救えなかったことを悔いており、彼女と研究していた成長ホルモン剤を自分が雨中で轢いてしまった犬の胎児に使い成功させてしまう。これが成功すれば死にかけた人間の胎児を救うことができると考えたポールは友人の医師から胎児を譲り受け、投与してしまう。やがて胎児は急速に成長ヴィクトリアという美しい女性に成長する。

だが、ヴィクタリアの身体には異変が現れ始め、彼女と愛し合ってしまうポールだが、彼女は自身何生き延びるために怪物に変貌していくのだ…。

冒頭にこれは空想やあり得ない話しではないと説明がなされるように単なるSFホラーとして片付けられない問題提起とスリリングな恐怖を内包させた拾い物の一作と言っていい。

Amzon Primeで観れますが、かなりの画質の悪さなので覚悟してご覧下さい。