鈴木雅之監督。小山薫堂脚本。江原詳二撮影。佐藤直紀音楽。23年、東宝配給。
スカパー、チャンネルNecoにて鑑賞。失われつつある日本の銭湯を通じて、人々の心の繋がりを描いたヒューマン・コメディ。
とにかくキャストが豪華。父の死により銭湯[まるきん温泉]を継ぐことになる長男三浦史郎(生田斗真)、風呂焚きをしながら、守ったきた弟悟郎(濱田岳)。番台や様々な仕事を受け持つ秋山いずみ(橋本環奈)。
風呂が生きがいの定年間近の社員横山(小日向文世)。息子の出世を待ち侘びる小林良子(天童よしみ)、息子で出所してくる竜太(クリスハート)。まるきん近くの中華料理屋の夫婦高橋大作(寺島進)と瑛子(戸田恵子)。日本人の婚約者を持つアドリアン(厚切りジェイソン)、その父山岡(浅野和之)、その妻由希子(堀内敬子)。妻の貴子(吉行和子)が途中亡くなる風呂好きの堀井豊(笹野高史)。DJFLOW(ウェンツ瑛二)。
そして、兄弟に風呂を続けることを決めるきっかけになる温泉評論家の太田(吉田鋼太郎)など。
マンションを建てようと画策する史郎と風呂を守りたい悟郎の確執と再生を通じて、様々な心温まるエピソードを見せてくれる。天童とクリス歌手ふたりが紡ぐ[上を向いて歩こう]、妻を亡くした堀井のエピソード、怒って実家に帰るいずみを迎えに行く先で入る五右衛門風呂のエピソードなど、失われた銭湯の風景の中に昭和を垣間見ることができ、心豊かになる映画だ。
風呂仙人(柄本明)の存在もキイワードになり脚本的にも様々なエピソードをバランスよく挿入、そこまでは笑える映画ではない変わりに心温まるハートウォーミングな作品に仕上がっていた。
お推すめの一本。
