[名探偵再登場] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ロバート・ムーア監督。ニール・サイモン脚本。ジョン・A・アロンゾ撮影。パトリック・ウィリアムズ音楽。78年、アメリカ映画。

スカパー、ザ・シネマの録画にて鑑賞。大抵続編はダメな作品が多いので、ずっとパスしていたのをやっと鑑賞。前作はある屋敷に招待された名探偵達が推理合戦を展開する物語だったが、本作は探偵ルー・ペキンポー(ピーター・フォーク)を巡る女性たちのコメディで前作とはスタイルを異している。[マルタの鷹]と[カサブランカ]のパロディで、ルー・ペキンポーはサム・スペードを演じたハンフリー・ボガードを意識して書かれている。

1940年代、第二次世界大戦のさなか。架空町サンフランシスコの一隅にオフィスをかまえる私立探偵のルー・ペキンポー(ピーター・フォーク)は、多忙な毎日を送っていた。そんな中、彼の相棒が何者かに殺され、その未亡人ジョージア(マーシャ・メイソン)の証言で、なんとペキンポーが容疑者になる。彼は早速真犯人探しに動き出す。この難事件には『12個のダイヤモンドの卵』と呼ばれる高価な美術品がからんでいることをつきとめる。それは、マルセル(ジェームズ・ココ)が経営しているカフェで、常連の小男のペペ(ドム・ドルイス)がその美術品を捜し出して欲しいと頼んできたからだ。そのカフェで、ペキンポーは、昔、彼が恋した美しいマルレーヌ(ルイーズ・フレッチャー)に会い、彼女の夫ポール(フェルナンド・ラマス)の国外逃亡の協力を依頼される。警察に追われるペキンポーだったが、マルレーヌのためにナチのシュリッセル大佐(ニコル・ウィリアムソン)や歌姫のベティ・ド・ブープ(アイリーン・ブレナン)の裏をかいてポール逃亡に協力する。モンテネグロ夫人(マデリーン・カーン)や大富豪のジャスパー(ジョン・ハウズマン)、その手下、ボーイ(ポール・ウィリアムス)、そして老人の美術収集家エズラ(シド・シーザー)や彼の若妻の美人ジョゼベル(アン=マーグレット)らの、複雑な陰謀にかかりペキンポーも窮地に追いこまれるが…。その間にも刑事たち(エイブ・ヴィゴーダ)の追求の手はのびてくる。まわりはみんな怪しい人間ばかりだが証拠はない。忠実な女秘書ベス(ストッカード・チャニング)も信用できない。事件は意外な方向へと展開され…。

ニール・サイモンらしからず物語を複雑化し過ぎたこももあり、観てる側は何が何だかわかりづらく。ギャグも少ないために観ていて面白くない。やたら誘いをかけてくる女たちは70年代では常連の実力女優が多いが、やはり前作の豪華さと比較すると落ちる。犯人はわかるが、結末的には複雑化しておいて、何だよこれはと思ってしまう。[エイリアン]や[ターミネーター]で続編が注目させるまで、ハリウッドの続編は駄作というレッテルをそのまま貼られそうな映画。さまざまな仕掛けが用意される。しかし、ペキンポーは、それらを突破し、ついに真犯人をつきとめるのだった。