[さらば友よ] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ジャン・エルマン監督・脚本。セバスチャン・ジャプリゾ原作・脚本。ジャン・ジャック・タルべ撮影。フランソワ・ド・ルーペ音楽。68年、仏・伊合作。

DVDにて再観。アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン共演作品として有名な本作だが、劇中ブロンソン演じるフランツ・プロップがやる5ペソを飲み物をいっぱいに入れたグラスに落とすゲーム。そして、決まったときの[イェー!]という歓喜の声。そのカタルシスガ本作の魅力になっていて、無言の中に培われた男と男の友情を描いたクライム・サスペンスだ。

だが、物語そのものはジャプリゾの割には面白くない。アルジェリア帰りの外科医ディノ・バラン(アラン・ドロン)とブロンソンの出会い、そのきっかけとなる軍医のモーツァルトを知らないかと聞いてみるくる謎の女性イザベル・モロー(オルガ・ジョルジュ・ピコ)、いかにも怪しい女がポイントになり、プロップから誘われたコンゴの仕事を断ったバランは彼女に依頼された金庫破りに挑んでいく。彼女に紹介された仕事の看護師ドミニク・ワーテルロー(ブリジット・ファッセー)も絡み、後半の事件の真実に絡んでくるのだ。

ただ、結局ハメられているのだが、バランとプロップによる金庫破りのシーン、として閉じ込めから脱出の場面が淡々と進み、映画的なサスペンスとしての面白さがまるでない。そのサスペンス映画としての妙味がなく、バランとプロップのメローティス警部(ベルナール・フレッソン)も絡めた人間ドラマを見せることに終始している。監督のジョン・エルマンは有名作品がこれくらいしかないこともあり、熟れてないのかもしれない。