[華麗なる対決] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

クリスチャン=ジャック監督。ギイ・ガザリル、クレマン・ビドル・ウッド、ダニエル・ブーランジュ脚本。アンリ・ベルサン撮影。フランシス・レイ音楽。71年、仏・伊・スペイン。


スカパー、イマジカBSの録画にて鑑賞。ブリジット・バルドー、クラウディア・カルディナーレ、フランス、イタリアを代表するセクシー女優を配して、19世紀のメキシコを舞台に繰り広げられるコメディ西部劇。


フランス映画って時々、めちゃくちゃな設定の映画を作るのだが、特に西部劇には憧れがあるようで、[レッドサン]などがその例なのだが、これもセクシー女優ふたりのお色気を強調しながら、石油の土地を巡り、ガンプレイ、最後には殴り合いまでする西部劇としての面白さに、バルドー側の弟たちとカルディナーレ側の妹たちが恋愛で絡むコメディになっている。


何か全部中途半端に終わってる感じ。オープニングの牧場に石油があることを提示したあと、転がるように、バルドー側、カルディナーレ側のエピソードが展開するのだが、笑えるシーンも少ないし、お色気の見せ場も西部劇なために強調できていない。



一八八〇年も終りに近い頃のニュー・メキシコ--フォート・サージュ一帯を荒し、人々に恐れられていたフランチ・キングという武装強盗団の一味の正体はセクシーな女ルイーズ(クラウディア・カルディナーレ)とその妹たちだった。一方、この地区のフランス系移民の住む町ブージバルには、マリア(ブリジット・バルドー)というお転婆娘がいた。その美しさには、滅法人のよい保安官(マイケル・J・ポラード)が三年越しで惚れ込んでいた。あるクリスマスの日、二人の美女が対決する事件が起こった。ブージバル行きの汽車が突如としてフランチ・キングに襲撃され、客の一1人であるドック・ミレーという謎の男の黒鞄から重要な書類が盗まれたのだ。二つの関連した書類はマリアとルイーズの手に渡った。マリアには、近くのリトル・P牧場の石油鉱脈があることを示している地図、ルイーズにはリトル・P牧場の売買契約書である。フランシ・キングことルイーズ一家は、ドック・ミレーとその妹たちになりすまして牧場にやってきた。一方そこには、厖大な石油鉱脈があることを知ったマリアが、賭場で稼いだ札束を手に現われたのだ。町の祭りの日。フランシー・キングの黒装東に身を包んだルイーズ姉妹は、マリアの弟たちを次々に誘惑して、P牧場に石油が眠っていることを聞き出し…。


音楽はいかにもウェスタンっぽい音楽にブリジット・バルドーが唄うフランシス・レイの音楽。いかにも職人で何でもこなす。


設定がメキシコにフランス人の町というめちゃくちゃな(笑)物語。お色気はカルディナーレと妹たちが小川に飛び込むシーン、バルドーにちょっかいを出してくる男たちに胸がチラリ。西部劇だからか、強引な盛り込み方がなされていて、これならもっと女の色気を前面に押し出した作品を考えた方が良かったのではと感じた。こういう映画なら、徹底的に笑える脚本を考えてもよかったと思う。監督のクリスチャン=ジャックはアラン・ドロンの[黒いチューリップ]を監督しているように古典的な活劇は上手いのだが、西部劇としての活劇の中にいかにお色気を差し込むかを考え過ぎて、コメディとしてのテンポと笑いのツボが上手く伝わってこなかった。



クリスチャン=ジャック。[花咲ける騎士道]など。