[アウトロー]鑑賞記 | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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  クリストファー・マッカリー監督・脚本。リー・チャイルド原作。キャレブ・デシャネル撮影。ジョー・クレイマー音楽。12年、アメリカ映画。

  13年2月1日公開。全米ベストセラー、リー・チャイルドのジャック・リーチャーシリーズ9作目の映画化。[ユージュアル・サスペクツ]のクリストファー・マッカリーが脚本監督という作品。DVD化につき鑑賞。

 評判が良かったので観てみたが、特に見所のある映画とは思えない。オールドファンにとっては、後半ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)の相棒キャッシュ役でロバート・デュバルが登場。また謎の男ゼック役でウ゛ェルナー・ヘルツウォーク監督が登場すること位。
 ハード・ボイルドのスタイルではあるが、肉体を使ったアクション、カーチェイス、リーチャーによる事件の謎解きを見せ場としている非常にオールド・タイプの映画で、そのどれもが中途半端で凡庸。最初から観る側には犯人が提示されていることもあり、この手の作品に最も重要であるスリリングな緊迫感がないことが致命的。

  ペンシルバニア州ピッツバーグ、アルベニー川付近。5人の男女がスナイパー、チャーリー(ジェイ・コートニー)によって殺害される。
  捜査に当たったエマーソン刑事(デビット・オイェロウォ)と地方検事アレックス・ロギン(リチャード・ジェンキンス)は、元陸軍のスナイパー、ジェームス・バー(ジョセフ・シコラ)を逮捕するが、バーは[ジャック・リーチャー]を呼べと書き残し、何者かに重症を負わされる。
  現れた元米軍の憲兵隊捜査官で今は流れ者のジャック・リーチャーは捜査に疑問を感じ、バーの弁護士でアレックスの娘ヘレン(ロザムンド・バイク)と共に独自に調査を開始するが……。

 このクリストファー・マッカリーという人の脚本はいつも思うのだが下手。冒頭から観る側に事件のほぼ全貌を見せてしまったのでは、好奇心で引っ張ることが出来ない。 また被害者のエピソードを挿入女弁護士ヘレンの葛藤を描き、人間ドラマに厚みを持たせようとするが、これも余計。映画が長くなりサスペンス・ドラマに緊迫感を持続出来ないのだ。
 このヘレンを演じるロザムンド・バイクという女優、ローラ・ダーンと若き日のカトリーヌ・ドヌーウ゛を足したような、取り立てて特徴がなく、リーチャーとの明確なラブ・ロマンスすらない。要するに 何が売りなのかわからない。
 またトム・クルーズのアクションにしても、[ミッション・イン・パッシブル]のよいなハードな見せ場はないし、カーチェイスも地味で70年代と錯覚する位に迫力も何もない。
 チャンドラーのような、スタイリッシュな渋い男の魅力を推理ドラマの中に描き込むハード・ボイルドを目指すとしても、トムの演技力にそれを求めるのは無理(笑)。

  まぁ典型的なハリウッドの凡作。 お暇な方はどうぞ。(笑)。

 DVDはレンタル開始。

 クリストファー・マッカリー。
脚本家。[ワルキューレ]等。