[ペーパー・チェイス] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

力道のブログ-98bcd476_640.jpg

  ジェームス・ブリッジス監督・脚本。ゴードン・ウイリス撮影。ジョン・ウイリアムス音楽。73、アメリカ映画。

 70年代の映画より、本日はこの作品。これは未見で、この作品の後、日本で人気が爆発するリンゼイ・ワグナーの作品なので見た。

 ハーバードの法科大学院の学生達の青春映画で、なかなかの秀作。
 弁護士として一流になるには試験で高得点を出さねばならないハート(ティモシー・ボトムズ)が、学生を理論でやりこめるキングス・フィールド教授(ジョン・ハウスマン)の娘・スーザン(リンゼイ・ワグナー)に恋をする。厳格な父の影にプレッシャーを感じながら、自由奔放なスーザンに振り回され、学問と恋愛の狭間で葛藤。仲間の挫折等、エリート学生の日常が実にリアルに、活写されている。
 物語。ハーバード法科大学院に入学したハートは入僚の際に三年生から、学生をやり込める名物鬼教授キングス・フィールドの事を聞き、挫折しないようにするには、女は御法度と注意を受ける。
 最初の講義で、教授の洗礼を受けたハートは厳しさを実感。仲間のフォード(グラハム・バケル)やケビン(ジェームス・ノートン)等、六人で勉強会を開き、それぞれが講義のノートを担当することになる。
 だが、ある日の帰り道、夜だから送って欲しいと頼まれるスーザンと一夜をともにする仲になる。
 教授の懇親会に参加したハートはなんとスーザンが教授の娘だと知り、更に偽名を使ったと思った彼がそれを責めると、彼女は学生と結婚し、離婚調停中で夫の姓なのだと説明した。
 父親の厳格な影を意識しながらも関係を重ねる二人だったが、恋愛に対して奔放なスーザンに対して、学業を優先したいハートに溝が生じる。
 暫く距離を置くことにしたハートは何とか成績を上げるため、フォードと図書館に忍び込み、教授の学生時代のノートを盗み見る。それは自分達のレベルと変わらない物だった。
 自信を持ったハートは再びスーザンに近付く。彼女は父親を弁護士に調停ん進めることにしたと彼に告げる。
 試験も迫り、六人のうち三人が挫折。ハートはフォードと一週間ホテルに缶詰になり、遂に試験を終える。講義で直接、批判をしたことで少しは名前を覚えて貰ったかと思われた教授と、エレベーターで一緒になり、声をかけるが教授は覚えてはいなかった。ハートの中で何かが弾け、彼はスーザンとケープ・コッドの海岸で遊び、試験の結果を紙飛行機にして飛ばす…。

 ウイリアム・カットやジャン・マイケル・ビンセント等より前は、このティモシー・ボトムズは青春映画のスターで、実に沢山の主演作があリ、懐かしい気持ちでいっぱいになった。
 長髪、パーマ、口髭等。まさに時代の名残りを感じさせるファッション。
 よくある落ちこぼれの青春像ではなく、エリート学生達の淡い青春像を描いていることも珍しく、好感が持てる。この時期の青春映画の秀作と言っていい!

 DVD販売中。レンタルにあります。