[キャノンボール] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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  ハル・ニーダム監督。レイモンド・チョウ製作総指揮。ブロック・イェーツ脚本。マイケル・C・バトラー撮影。アル・キャップス音楽。81、アメリカ・香港合作。

 本当は、野良犬さんが日記で紹介された[激走5000キロ]が見たかったのだが、ソフトもないので、81年の作品だがこちらを見た。これもDVDはレンタルになく。プレミアで凄い価格になってるらしい。

 この手のレース物は沢山の登場人物をいかに手際よく見せるかが、監督の腕の見せ所。9組の主要チームとそれを阻止する安全推進委員会を最後に絡んでくるネタを巧みに取り込み紹介している。 実際に北アメリカを縦断するレースに監督のニーダムと自動車ジャーナリストだったブロック・イェーツが参加した経験をベースにした脚本だけに、実にあの手この手で警察を欺く手段が考えられている。
 またロジャームーアが本人の役で登場、007をパロる等、映画ネタのギャグも多く。映画ファンは余計に楽しめる作品になっている。
 物語。コネチカット州ダリーンから、西海岸ロサンゼルスを警察の取り締まりを突破し、タイムを競う縦断レース“キャノン・ボール”が開催され、各地からスピード自慢が集まってくる。オープニングから黒いランボルギーニ・カウンタックに乗る美女コンビ(タラ・バックマンとエイドリエン・バーボー)の滑走で始まる。彼女達はお色気で警察を脳殺する。
 本作の主人公レーサーのJJマクルーア(バート・レイノルズ)とエンジニアのビクター(ドム・デルイーズ)は、モーター・ボートで事故を起こし搬送される経験を元に、救急車での参戦を思い付く。いかにもマッドなヘルシング医士(ジェック・イーラム)の乗せ、患者には樹を愛し安全推進委員だったパメラ(ファラ・フォーセット)が乗り込む。
 セスナで買い物という無謀なことをして、ビクターはいつも妄想している、少年期にイジメられた時に変身したミスターケーオス(カオス)に変身窮地を救う。
 ライバルは、フェラーリ308GTSで元F1ドライバーの偽神父ブレイク(ディーン・マーチン)とフェンダー(サミーデイビスJr.)のコンビで、マクルーアのチームとハメ合う。
 アストン・マーチンに乗るロジャームーアは美女を連れ、ボンド気取りで秘密兵器を仕様するも、かならず失敗するお馬鹿キャラ。
 日本人コンビとして登場するジャッキーチェンとMr.BOO役のマイケル・ホイ。最新コンピューターを屈指したスバル・レオーネで参戦。 世界最速の王家を目指すロールス・ロイスのシーク(ジェイミー・ファー)等が、あの手この手で警察の取締を突破する。
 あまりの常識を逸脱したレースの実態をルポしようとする安全推進委員会のアーサー(ジョージフェース)は毎回、酷い目に合う。
 工事で皆が止められているところに、ピーター・フォンダ演じるバイクの一団が集まり、大喧嘩。ジャッキーの見せ場なのだが、そこにあのミスターケーオスも参戦、大騒動。
レースの行方は…。

 超豪華なオール・スターがそれぞれの持ち味を発揮し、頭を使った作戦を考えだす。救急車の使用もニーダム達が実際に試したアイディアらしい。 とにかく退屈せず疾走感を楽しめるレース・ムービー!
 こういう遊び心一杯の作品が、ハリウッドで最近見られないのは寂しい。