ジャック・ターナー監督。カート・シオドマク、アーデル・レイ脚本。J・ロイ・ハント撮影。ロイ・ウェッブ音楽。43、RKOアメリカ映画。
[ブードゥリアン]という別タイトル名もある劇場未公開の、作品で、[吸血鬼ボボラカ]に続く、RKOホラー第2弾です。
何と調べたら、2回目のリメイクが決定。これは設定と脚本が素晴らしいからなんです。
ACDCさん。早速見ましたよ!
皆さん。タイトルがあまりに変なので引かないで下さい。名作です。
まず驚いたことは、死者が歩くというゾンビという概念が40年代に既にあったということ。僕の感覚からすると、ジョージ・A・ロメロ版の[ゾンビ]68年の[ナイト・オン・ザ・リビングデッド]が始めてかと思いきや、この作品の台詞で、[ゾンビ]と言っているので、間違いなくゾンビ作品の原点なのだ。
物語。カナダで看護婦の面接を受けたベッツィ・カーネルは、西インド諸島で砂糖農園を営む金持ちポール・ホランド(トム・コンウェイ)の妻ジェシカ(フランシス・ディー)の看護を頼まれる。
奴隷が連れて来られ島民の祖先となった島では、イギリス人が父のポールとアメリカ人が父のウェズリー異父兄弟と、ポールの妻ジェシカ、二人の母ランド夫人の四人が雇い主であった。
噂から弟ウェズリーはジェシカに恋心を抱き、その彼女は熱病に侵されついに意識のない夢遊病で歩き回るため、塔に閉じ込めるという事件があったらしい。
ベッツィは塔でジェシカを見るが医者のランド夫人によれば彼女は生きる屍(ゾンビ)との説明を受ける。
二人の父親の死後、病院を引き継いだランド夫人は医院を開き島民の面倒を見ていた。
ウェズリーは兄・ポールと険悪の仲、だがベッツィは妻のため苦しむポールに次第に惹かれ、彼のためにジェシカを回復させたかった。
島に伝わるプードゥー教に最後の望みを託したベッツィはショック療法にジェシカの手を引き、その館に向かうが…。
恐さという物はあまり感じないが、ゾンビ・ジェシカを演じるフランシス・ディーは息を呑むほどに妖しく美しい。
[ジェーン・エア]をベースにした原作。ゾンビの存在を巡る兄弟、そして家族の愛憎崩壊劇に繋がっていき、ホラーの枠を越えた面白さがあった。
DVDは紀伊国屋から3500前後で出ています!