[ダウンタウン物語] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

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  アラン・パーカー監督・脚本。ミッシェル・ミュレン、ピーター・ビジウ撮影。ポール・ウイリアムス、ロジャー・ケラウェイ音楽。76、イギリス映画。   70年代の映画から、アラン・パーカーのデビュー作です。彼は、あの[小さな恋のメロディ]の原作者であり、監督デビューに選んだ本作も子供を主役に据えたミュージカル。日本公開は、77年1月。[タクシー・ドライバー]の娼婦役で、話題になったジョディ・フォスター主演作として、スバル座(小さい劇場)で公開、封切りで観ました。ちなみに、本当は彼女は脇役です(笑)。

 30年代のニューヨークを舞台に、パーカーの視点は子供に大人と同じギャングの格好をさせ、争わせることで、アイロニカルに人間の醜さを見つめていく。ただマシンガンの弾をパイに、クラッシック・カーはゴーカートのようにペダル式。観る側が、楽しさを失わない配慮をしながら、何と全編吹き替えなしのミュージカルに仕上げている。ポール・ウイリアムスによるサントラ全十曲は全ていい曲で、僕もすぐサントラを買った。そして、主人公バグジー・マローン(スコット・バイオ)と歌手を目指すブラウジー(フロリー・ダガー)が夢を叶え、最後は抗争する二つの勢力、各国の人種が一つになって、人生は一つじゃない、手を取り合おうと歌い上げる。
 アラン・パーカーの夢や希望を込めた大団円には、思わず拍手を送りたくなる。

 物語。30年代ニューヨーク。バグジー・マローンはいい男だが、出世を夢見るも仕事がない。太っちょサム(ジョン・カシージ)の店で、仕事を断られた歌手志望のブランジーと知り合い、同じような境遇から、惹かれていく。
 サムの店は、情婦タルーラ(ジョディ・フォスター)を看板に流行っているが、そのシマを狙いダンディ・ダン(マーティン・レブ)が立ち上がる。彼は新しく開発された漆喰銃で、サムの手下が殺られる。
 起死回生を狙うサムは、バグジーを運転手に雇い、ダン暗殺を企てるが失敗。バグジーの運動で逃げ切る。
 褒美に200ドルを貰ったバグジーは、ブラウジーにハリウッド行きの切符を買うことを約束するが、悪党どもに襲われ、金を奪われてしまう。 バグジーは、窮地を救ってくれたリロイ・スミスをボクサーにしようとマネジャーになる。しかし、約束を守れなかったブラウジーには愛想をつかされ、再び落ち目のサムに協力することになり、早速、勢力を奪回する作戦を立てる。かくして、大抗争が始まり、果たしてバグジーの恋の行方は…。

 14歳とは思えない、ジョディ・フォシターの妖艶ぶりは出演者では群を抜き、圧倒的な存在感を見せている。

 [小さな恋のメロディ]以来の子供の視線で描かれる大人の世界。パーカーの持つ基本路線は、この映画で結実に見て完結、彼はハリウッドに渡る。

 ミュージカルとしても、気軽に楽しめますし、DVDもレンタルにあります!必見。