ミス・ユニバース世界大会(上) | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候がいいので日本よりよほど健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意しなければならないのは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

なんと、この「ミスコン」の最高峰、最も権威のあるこの大会の2023年世界大会が、このエルサルバドルで開催されたのです!

しかし、現地在住日本人の関心は総じて冷ややかで、「確かにそんなのがあって、11月はホテルの予約が取りにくいようだ」程度にしか感じていない人がほとんどの様子です。

私もそういう人の一人になっているところでした。

しかし! ひょんなことで、この大会に大きな関心を持つことになりました。

これに関しては、あまり詳しい事情は個人的な話になるので書けませんが、このアメブロを通じてミス・ユニバース・ジャパン(日本代表)の親御さんと知り合ったのです。

それ以上の話は、すいません、ご想像にお任せします。

とにかく、こうしてブログを書いていると、色々な縁があるものだとあらためて思った次第。

ちなみに、このミスコン、1952年に第1回大会が開かれ、今年は72回目。エルサルバドルが会場になるのは1975年以来実に48年振りです。日本ではまだ開催されたことがありません。

そして日本代表の成績ですが、過去に2回優勝しています。私の印象では、ラテンアメリカの女性の優勝する頻度が最も高いようですが、近年はインド人やアフリカからの代表も優勝しています。

今回のミス・ユニバース・ジャパン、このブログを書いている私自身が匿名なのに、彼女のお名前を明記するのも不公平であり卑怯な感じもしますが、今や代表に選出された彼女はいわば公人とも言え、お名前は公表されているわけですし(だからネット検索すればすぐに出て来る)、それを敢えて隠すのも何か不自然ですので、ここは書かせていただきます。宮崎莉緒(りお)さんです。静岡県出身の共立女子大3年生で、ご両親は静岡県在住です。身長172cmと長身で、チアリーダーをやってきたことが自慢です。

大会は11月15日(水)・16日(木)・18日(土)の3日間開かれ、15日は予備選、16日はナショナル・コスチューム(敢えて訳すと「民族衣装」になりますが、実際には皆かなりアレンジしてあって派手派手です)、そして18日に本選。各国代表者は3日間とも出場しますが、最終日の本選では、入賞者がだんだん絞られてきて、選外になった人から出番がなくなってきます。

宮崎さんご夫婦、それに莉緒さんご本人と会った話は次の次の記事に触れるとして、今回と次回は「ミスユニバース世界大会」そのものについて書きます。

上記のような縁があったので(って具体的には何も書いていませんが)、私としても、急遽、是非ともミスユニバース世界大会を観てみたいと急遽思ったわけです。

チケットの購入方法は、ネットによる情報収集に強い同僚のN君(以前も書きましたが、この「N」は Nonbee すなわち「呑兵衛」の「N」です)が調べて、親切に教えてくれました、そこで紹介されたサイトに入ると……。

最低価格200ドル(約3万円)、最高価格5,000ドル(約75万円)。更にコミッション10%。

た、た、高いっ!!

と一瞬たじろぎましたが、でも、これだけのビッグイベントなら、むしろ妥当かもしれない。

私は奮発して、……いや、奮発したんですけど、結局本選より安い2日目の「ナショナル・コスチューム」、すなわち各国の代表者がそれぞれの国を象徴する衣装を着飾って披露する回の、最安価の座席チケットを購入して、我がニッポン、我が莉緒ちゃんを応援すべく、15日、会場に向かったのでした。自宅からご両親夫妻の泊っているホテルに自分の車を運転して行き、そこに停めさせてもらって、そこからご夫妻がチャーターした車に同乗して向かいます。直接会場に向かった方が早いではないかと思われるかもしれませんが、夜間、所定の駐車スペース周辺は治安状況が悪くなるかもしれないので、彼らのホテルに停めておく方が安全なのです。

 

 

その会場は国立体育館 (Gimnacio Nacional José Adolfo Pineda)。私の「一般席」とご夫妻の「招待席」とでは、入口からして違うので、到着して早々に別れました。イベント終了後にまた連絡を取って入口付近で落ち合うことにして。

宮崎ご夫妻の来場予定に合わせて早めに到着したものの、まだ開場していなかったので、外で2時間程度待つことになりました。しかし会場側もそれを想定していて、ビール等の飲み物を販売しているコーナーがあったりしました(私は車の運転があるので残念ながら飲めません)。たくさんの人が開場を待ってたむろしています。

 

 

噴水も上品です。このイベントにふさわしい。

入口前ではエクアドルの応援団が大きな旗を広げて「エークァドール、エークァドール!」と掛け声をかけていました。マスメディアがそれを取材しています。

では、いざ会場へ。

 

 

会場内はこのように、全体を暗くした所に紫色を基調としたイルミネーションで、さすがにオシャレな装飾。舞台はこのように十字に設置されており、各国代表者が縦横交互に出て来て、来たのと同じ所を戻っていくようになっています(が、誤って違う方に戻って行った代表も何人かいました)。

 

 

右手には大型スクリーン。安い席(とは言っても上に書いたように約3万円)からは実物の出場者は豆粒くらいにしか見えず、細部は分かりません。このスクリーンと実物の間で目を行き来させながら見ることになります。

私の右の座席には、メキシコから来たと言うオバサン2人。左の座席には、プエルトリコから来た「私ミスターなの」と言う、つまりはトランスジェンダーの美「女(?)」。本当に美しい方で(ただしやはり声は低い)、ひょっとして代表として出てもと思うくらいでした。ツーショットを撮らせていただきましたが、モザイクをかけても意味がないので、申し訳ありません、ここには掲載しません。

彼「女(?)」、プエルトリコの旗を周囲に配りまくって応援をするように依頼。もちろん私も1ついただき、プエルトリコの番が来た時には、立って一緒に旗を振って応援しました。

 

 

美「女(?)」の代わりと言ってはなんですが、今は彼「女(?)」からいただいた旗を自宅のテーブルに飾っていますので、それをお見せしますから、どれほどの美しさだったかをご想像くださればと思います(って、無理)。

さあ、お待ちかね。イベントショーの開始です。

 

 

この日の司会進行はミス・ユニバース大会のエグゼクティブ・プロデューサーであるニック・テプリッツ (Nick Teplitz) と前年度のミス・ユニバースであるロボニー・ガブリエル (R'Bonney Gabriel)。

では早速(さんざん前置きで読者の皆さんを待たせておきながら)、お待ちかねの各国代表の出場です。全84の国・地域がアルファベットで出て来ますが、写真を撮るのが目的で来たわけではないので、その中の一部しか撮影していません。でも、全部で32。今回の記事では最初の11人をお見せします。

 

 

まずはアルバニア。鷲をモチーフにしたとのこと。黄金色で大きな翼がゆらゆらひらひら。のっけから圧倒されます。

 

 

次いでアンゴラ。こちらは黄色の地に赤・青・緑の原色系で彩(いろど)り、これはこれで華やかです。

実は背面は大きな円形で、そこに等身大の民族衣装を着て乳房をもろに出した現地の女性が描かれており、それが観客の前に現れた時には「わぁーっ」という歓声が沸き上がりましたが、あいにく撮り損ねてしまいました。

次回の記事の終わりにリンクをはりますが、YouTube でこの全イベントを見ることができます。その女性像をご覧になりたい方は、とりあえずは「Miss Universe 2023 National Costume」あたりのキーワードでご検索くださればと思います。

 

 

3番目はアルゼンチン。国旗の中央に描かれている「5月の太陽」と呼ばれる紋章をコスチュームのモチーフにしています。なので、きんきらきん。

ここまでヨーロッパ、アフリカ、アメリカと、3つの大陸からの代表が出て来ました。肝心のアジア、そしてもちろん日本は、次回のお楽しみ。

このあと、アルバ、オーストラリア(3位になりました)、バハマ、バーレーン、ベルギーと続きますが、写真は撮影せず。

 

 

ボリビアは青と黃でまとめていますね。これは手にしている鳥(の模型)、恐らく――ルリコンゴウインコだと思いますが――をモチーフにしています。

次のブラジルも、写真を撮っていませんが同様に青いインコをモチーフにしていて、こちらはインコの着ぐるみとさえ言えるくらい、もろにインコを強調していました。

英領バージン諸島、ブルガリア、カンボジアと続き……。

 

 

カメルーン。同国で女性の権利のために運動してきた人たちの写真とのこと。

 

 

カナダ。多様性とインクルージョンを強調して、各国の国旗を掲げています。

次は蝶をモチーフにしたケイマン諸島。

 

 

チリはコンドル。黒で渋くまとめています。それにしても、南米は鳥をモチーフにした衣装が多いですね。

初めてのお母さん(すなわち子持ち)代表が出場したことで話題になったコロンビア、コスタリカ、クロアチア、五輪をモチーフにしたキュラソー、チェコ。ここまでで、「C」まで終わりました。

 

クジャクのようなコスチュームのデンマークは、この国に対する私のイメージとは裏腹にかなり派手です。バイキングをモチーフにしたのだそうです。

 

 

陽気なカリブ海のメレンゲの国、ドミニカ共和国は、今度は逆に私の思っていたよりも、むしろ色としては落ち着いていると言えます。でも奇抜です。植物としてのバナナ(プランテイン)をモチーフにしています。

細部がうまく取れなかったので、大型スクリーンの画像をお見せしています。

エクアドルは写真を撮っていませんが、鉄道をモチーフにして、機関車の正面(の模型)を背にし、その下には線路(をかたどった衣装)。実にユニークです。
 

 

 

エジプトは真っ黒で、ぐっとアダルト、渋々です。クレオパトラはこんな格好でアントニウスやカエサルを誘惑したのでしょうか。

男性読者のあなた、拒めますか?!

 

 

さあ、出て来ました、ホスト国のエルサルバドルです!

会場は一気に大歓声に包まれます。この国にたくさんある火山をモチーフにしています。

お、光った。噴火だ! 溶岩も流れている!

 

 

スクリーンでも大噴火の様子を。地球のパワーを象徴するコスチュームに艶(なま)めかしい手の動き。何か神妙な気がしてきます。

他の出場者は1分程度の出場なのに、彼女だけは倍の2分以上も出ていました。やはりホスト国に敬意を評してということなのでしょう。

続きは次回。