モラサン県ドライブ旅行(4)チョレロン滝 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候がいいので日本よりよほど健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意しなければならないのは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

モラサン県内の訪問先候補をグーグルマップで探していて、ホンジュラスとの国境付近に一つの滝を見つけました。チョレロン滝 (Cascadas El Chorrerón) という名です。今回は他の滝も訪れる予定でしたので、この滝の存在を知ったことにより、「滝」を一つのテーマに据えることにして、訪れられるだけ訪れてみようという気になりました。

ペルキンの町から更に奥へ向かいます。

 

 

滝の手前にある町は、サンフェルナンド (San Fernando)

 

 

モラサン県の最北端にあり、従ってホンジュラスとの国境に近い所(4キロの所)にあります。エルサルバドルのどこにでありそうな、地方の町の典型的な雰囲気です。

 

 

中央広場。やや殺風景です。

 

 

そこに隣接する教会もこれと言ってパッとしたところがありません。なので写真を二三枚撮ったらすぐに滝に向かいました。町を出るとすぐに未舗装道路になりました。

サンフェルナンドの1.5キロほど先、国境まではまだ2キロ以上も先のはずなのに検問があり、迷彩服を着たお兄さんが出て来ました。私は彼に、「サンサルバドルに住んでいるんだが、観光している (estoy paseando)。滝を見て戻って来るから国境は越えない。30分か1時間くらいで戻る」と説明し、求めに応じて居住者のIDを見せると、問題なく通過させてもらいました。実際、40~50分でこの検問に戻って来ました。

 

 

更に1キロほど進むと分かれ道になっていましたが、このように明確な道標があるので迷うことはありません。

 

 

着きました。手前の民家風の受付で2ドル支払って、示された方向に歩いてすぐのところにチョレロン滝がありました。

整った直線状の滝で、広い滝壺もあります。十数人の先客がいました。

 

 

雨季後半の現在、水量も豊富です。

滝巡りはやはり雨季に限ります。ただし、場合によっては悪路だったりするのでアクセスが問題になります。この滝は、首都からの距離はかなりあるにしても(約220キロ)、道路状況としては、最後の数キロ以外は舗装されていますし、その最後の未舗装道路も概ね良好です。

冒頭に「ホンジュラスとの国境付近」と書きましたが、この滝は実は正確にホンジュラスとの国境に位置しています。つまり、この川――名前は何と言うのか分かりませんが――のこの部分は国境線でもあるのです。

 

検問の警備員に「国境は越えない」と言った以上、越えませんよ。つまり、川は渡らない。

 

 

この辺りは石灰質の土壌のようで、地面は白っぽく、従って川の水も、やや緑がかっているものの白濁しています。手を触れると、さほど冷たくもありません。普通に水の温度です。

 

 

再びサンフェルナンドを通って別の滝へ向かう途中、道路上でハゲタカの群れが犬の死骸を啄(ついば)んでいる光景に出くわしました。クロコンドル (Black Vulture) です。北米南部から南米にかけて広く分布する鳥です。

実はその死骸を食べているところの写真も撮ったのですが、あまりにグロい――特に死骸の頭部がはっきり見えるあたり――ので気分を悪くする方もいらっしゃるでしょうから、掲載は差し引控えさせていただきます。

それはそうと、今回の記事のついでに書かせていただくと、初日にモラサン県に入ったあたりだったでしょうか。カーラジオで、普段聞いている放送局の電波(92.5MHz, 92.9MHzなど)が入らないので別の周波数(96.9MHz)のラジオ・エルサルバドル (Radio El Salvador) を聞いていたところ、突然「でっきるっかな、でっきるっかな、はてはてフム~」のむかし懐かしの曲が10秒くらい流れるではありませんか!

私の子供の頃のNHK教育番組、『できるかな』のオープニングです。

後でネットで調べたら、当地でも教育チャンネル「カナル・ディエス (Canal 10)」――つまり「10チャンネル」――で、毎週土曜日朝6:15から15分間放映されているとのことでした。ラジオでは、何かの特集番組の番宣の一部に、これが使われていたのです。

しかしそれにしても、びっくりしたなあ~~! いきなり日本語の懐かしい歌が流れるんだもの。

日本の番組、特にアニメは当地でも見ている子が多く、先日訪問したある小学校で、ある生徒が「コンニチワ」「ヤメテヨォ!」「オニーチャン」といった日本語の意味を聞いてくるものだから、「どこで覚えた?」と聞くと、やはりアニメでした。『セーラームーン』、『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『NARUTO』といった有名どころのタイトルが彼女の口を突いて出て来るのでした。「Anime」は今の時代、世界共通の単語になっています。もともとは英語の animation が語源ですが、日本語化した「anime」として英語に逆輸入され、更にはスペイン語にもなっているわけです。

しかし、NHKの教育番組までエルサルバドルで放映されているとは知りませんでした(『できるかな』はアニメではありませんが)。

なお、私はテレビを持っていないので(正確に言うとテレビはありますが番組配信・受信を止めているのです)、懐かしの『できるかな』は YouTube でなければ見ることができません。