I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT ~希望の光が見えてきた~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。


電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いです。歌詞は一番下に掲載しておりますSAYUうふふ
 
I’m Beginning To See The Light 
~希望の光がみえてきた!~

1944年
作詞/ ドン・ジョージDon George  ,ハリー・ジェイムズHarry James
作曲/ デューク・エリントンDuke Ellington ,ジョニー・ホッジス Johnny Hodges

【4人の共作ですが】

この中に出てくる、4人の名前・・・。

ジャズ界の偉大なピアニストで
 
作曲家のデューク・エリントン。

彼のバンドのアルト・サックス奏者の
 
ジョニー・ホッジス。

トランペッターでバンドリーダーの
 
ハリー・ジェイムズ。

作詞家のドン・ジョージ。
 
の名前が挙がっています。


どういうことなのでしょうか?


それぞれの資料には色んな書き方があり、
 
作詞・作曲が4人と書いてあったり
 
今回のように、それぞれ2人ずつの

名前が書いてあったりしたのですが、

一応、このように書くことにしました。


著作権の問題でこういう事は結構あって、

この場合というわけではなく、
 
たとえ少ししか関わっていなくても
 
名前を連ねるだけということが

あるらしいのです。

実際のところ、この場合は、
 
作詞がドン・ジョージで、

作曲はエリントンだったようです。

 
【運命の出会いでツキがまわってきた】

”What a diff'rence a day made~縁は異なもの~”
 
 
”On the sunny side of the street~明るい通りで~”
 
のように、運命の出会いによって
 
ようやく自分にもツキが回ってきた!
 
というようなジャズスタンダードは結構あり、
 
この曲にもその意味が含まれているのです。
 
タイトルにある”Light”は
 
『灯かり』などのほかに、

『希望の光』と言う意味もあります。
 
これは、運命の人との出会いによって、
 
今まで何に関しても
 
全く興味が持てなかった、
 
人生を諦めかけていた主人公にも、
 
「ようやく一筋の希望の光が見えてきたよ」

ということを表現するために、
 
『月夜の光』や『夕暮れ』、
 
『蛍の光』や『ろうそくの火』、
 
『火事の等級をあらわす言葉』など
 
大小様々な『光るもの』を歌詞に盛り込んで

歌われているのです。

【ここでもヤドリギが重要なポイント】

因みに『ザ・クリスマス・ソング』
 
のときにもお話しましたが、

日本ではあまり馴染みのない
 
 
鳥などが食べた食べ物の種子が、
 
木にこすり付けられたり、排泄されたときに、

もともとの大きな木に
 
別の種類のその種子が育って
 
寄生する木です。


とても神聖なもの、素晴しいもので、
 
その中のロウソクの火は、

うっとりとするものがある、と思われていて、

この宿り木の下では
 
好きな人にキスをしてもいいという

言い伝えがあるんだとか。


リースと同じことだと思うのですが、
 
海外でクリスマスなどに丸めて、

扉にぶら下げ、その真ん中に
 
ロウソクをたてる習慣があるそうです。
 

そういったこともあって
 
この曲の『Mistletoe(宿り木)』を解釈すると、

なるほど!となりますよね音譜
 
【火事の等級をあらわす言葉まで】

そしてもう一つ。
 
”A four alarm fire”というのは『火事の等級』で

One alarm fire→Two alarm fire→
 
→Three alarm fire→Four alarm fire

と表現されるそうです。
 
なので、この曲の場合は
 
”A four alarm fire”なので、

最も大きな火事のことを表わしているのです。

【誰を聴く?】

これも名曲なので
 
沢山の歌手に歌われています。

特に、エラ・フィッツジェラルドのものが有名で
 
エラらしい、明るいノリの録音もあります。
 
男性歌手では、メル・トーメ。
 
マイケル・ブーブレ!

女性歌手でサリナ・ジョーンズなど、
 
”Beginning To See The Light”
 
の部分をマイナーにして
 
雰囲気を出して歌っているものも素敵です。
 
それではI’m Beginning To See The Light 
 
『希望の光がみえてきた!』です!
 
どうぞっ!!


《英語歌詞》

I never cared much for moonlit skies

I never wink back at fireflies

But now that the stars are in your eyes

I’m beginning to see the light


I never went in for afterglow

Or candle light on the mistletoe

But now when you turn the lamp down low

I’m beginning to see the light


Used to ramble through the park

Shadow boxing in the dark

When you came and caused a spark

That’s the four alarm fire now


I never made love by lantern shine

I never saw rainbow in my wine

But now that your lips are burning mine

I’m beginning to see the light
 
 
 
【若生りえ・解説】

今まで一度も
月の輝く空には関心がなかったし
ましてやホタルの光に目を向けることなんて
全然なかったけど
今は君と出会って
まるで星のように光る煌きを
君の瞳に見つけられたから
ようやく僕にも
希望の光が見えてきたみたいだよ

今まで一度も
美しい夕映えに見とれることもなかったし
ましてや宿り木のロウソクの火なんて
全然興味がなかったけど
今では君が部屋の灯りを暗くして
夕映えや宿り木のロウソクの
柔らかな光の美しさにも気がつかせてくれたから
やっと僕にも
希望の光が見えてきたんだ

よく公園のあたりをぶらっと散歩していたなぁ
暗闇でシャドウ・ボクシングなんかしながらね
そんなある日
突然君がむこうからやってきて
僕の心に火をつけちゃったもんだから
そりぁもう、たっくさんの消防車を
呼ばなくちゃいけないほどの大騒ぎさ!

今まで一度も
ランタンの火を見つめながら愛を語ったり
傾けたワイングラスに
虹のような輝きを見たことも
全然なかったけど
でも、今は君のキスが
僕の唇を燃え上がらせちゃったから
やっと僕の人生にも
希望の光がさして
ツキがまわってきたみたいだね!