THE CHRISTMAS SONG ~ザ・クリスマス・ソング~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

THE CHRISTMAS SONG 

~ザ・クリスマス・ソング~
1946年
作詞・作曲/ 

ロバート・ウェルズ  Robert Wells
メル・トーメ  Mel Torme

 

image

『宿り木』の風景。2014年mamiさん撮影

(フランス・モンサンミッシェル近く)

 

≪「The」は必須!の『The Christmas Song』≫

 

世の中には「ジングル・ベルや「赤鼻のトナカイ」などの
いわゆる「クリスマスソング」は数多くありますが、
この「ザ・クリスマス・ソング」というのはこの曲のことです。

 

楽譜売り場でも、この曲のタイトルの『The』

省略して書いているものも結構ありますが、

たしかに、どちらの「クリスマス・ソング」を
指しているのか紛らわしいので、この曲の場合は、
ちゃんと『The』を付けてお話しようと思います。

 

さて、この曲は2人の名前が載っていますが、

その一人は、男性歌手のなかでも

素晴しい歌声とスキャットでも有名な
あの『メル・トーメ』です。

 

実はこのほかにも、彼は作詞・作曲はもちろん、
アレンジャーとしても素晴しい才能を持っており、
クリスマスの曲もたくさん作っているのです。

 

≪この曲ができた面白エピソード≫

 

その美しいメロディーと可愛らしい歌詞をもつこの曲は、
作曲されたなかでも1番有名で、

いまや「ホワイト・クリスマス」を追い抜き、
人気ナンバーワンといわれていますが、なんと、
まだエアコンのない時代の

真夏の暑い日にできたんですって太陽てへ汗

 

曲を作ったもう一人の

ロバート・ウェルズ(通称ボブ)の家に、
仕事で来ていたメル・トーメが、
ピアノの譜面立てにあった、

ボブのリングノートのメモ書きの、
この曲の「はじめの4行」の詩をみて、

「この夏の暑さを、寒い季節の

クリスマスの曲を書いて紛らわそう!」

と、二人でピアノに座り、

途中まで書いてあった言葉とメロディを

さらに書きすすめ、たったの40分ほどで
作ってしまったんだとか!

 

素晴らしい歌唱力を持つメル・トーメですが、

プロデュース能力もあったのでしょう。

この曲をあの「ナット・キング・コール」に

勧めました。

 

そしてナット・キング・コールも気にいり

当然のことながら大ヒットとなりました。

 

曲を作った人たちから

「ぜひこの曲はナット・キング・コールに歌ってほしい!」

と思わせる彼は、やはり素晴らしいですねネコ・照れる星

 

≪遊び心満載の歌詞≫

 

この本文の歌詞自体は、賛美歌とは違い、
「神のご加護を」的な表現は使われず、
「1才~92才までの、全てのいたずらっ子たちへ」みたいに、
どちらかと言えば、「遊び心」のある歌詞になっています。


「Jack Frost」は、寒さを擬人化した表現で、

日本の「冬将軍」というのと同じ。

 

私が大好きな歌詞の一部は

サンタさんがプレゼントを持ってやってくるのを

子供たちがワクワクしながら

眠れなくて窓から空を見上げ

「サンタさん早く来ないかな。」

「トナカイは本当に空が飛べるのかな?」

なんて目を輝かせながら待っているシーン。

 

あと、この曲で重要なのはやはり

Mistletoeは、「宿り木」という言葉が

使われているということ。


日本ではあまりここまで

馴染みがないかもしれませんが

外国ではクリスマスの飾りとしてよく使われ、

 

「その宿り木の下で
愛を誓った男女は結ばれる」


「このヤドリギの飾りの下でであった二人は、

キスをしなければいけない。」


というような風習の一つでもあることから、
ジャズやクリスマスの歌詞にも本当によく使われます。


本来「宿り木」というのは、

果実を食べた鳥が落とす排泄物が小枝に落ちたり、
また、果実だけを食べようとして、

枝で種をぬぐったりしているうちに、
その種が枝の上に残り、

樹木の幹に根を張り発芽する「植物」のこと。


「宿り木」に関しての詳しいページはこちら!!

上記含め、私が撮影した「宿り木」の写真つきです!!
 

それでは、「ザ・クリスマス・ソング」です

 

【英語歌詞】

(VERSE)

All through the year 

We're waited

Waited through spring and fall
To hear silver bells ringing
See winter time bringing
The happiest season of all

(CHORUS)

Chestnuts roasting on an open fire
Jack Frost nipping at your nose
Yuletide carols being sung by a choir
And folks dressed up like Eskimoes

 

Everybody knows a turkey and some mistletoe
Can helps to make the season bright
Tiny tots with their eyes all aglow
Will find it hard to sleep tonight

They know that Santa's on his way
He's loaded lots of toys and goodies on his sleigh
And every mother's child is gonna spy
To see if reindeer really know how to fly

And so I'm offering this simple phrase
To kids from one to ninety-two
Although it's been said many times, many ways
Merry Christmas to you


Love and joy come to you and to you your Christmas too
And God bless you and send you a happy new year
And God send you a happy new year

 

大ヒットさせたナット・キング・コールの優しくおおらかな名唱。

 

でもやっぱりこの録音は素晴らしい!

作詞・作曲したメル・トーメ本人がヴァースから、

大女優ジュディ・ガーランドと歌っております。

映像左側ピアノ弾き語りが「メル・トーメ」です。

お相手の女性は、映画『オズの魔法使い』などの

大女優「ジュディ・ガーランド」。

メル・トーメって、なんとなくサンタさんぽい(笑)?

でも、改めて歌手としてもメル・トーメって素晴らしい!

もちろんジュディ・ガーランドも!

子役時代の代表曲『虹の彼方に』をもじって、

歌詞のレインディア(トナカイ)をレインボウ(虹)に言い換えてます。

(ヴァース)

この一年

ずっとぼくらは待ち望んでいた

春夏秋を越えて

銀の鈴の音が聴こえると

一年の中でも

もっとも美しい冬の季節

幸福な季節がやってくることを知るんだ

 

(コーラス)

暖炉で焼いたクリがはじけて

冬将軍が君の鼻をつまむこの季節になると

聖歌隊はクリスマス・キャロルを歌い

人々はみな雪国の人みたいに着ぶくれしてる


そしてみんなが知っているんだ

七面鳥や宿り木が

この季節をきれいに彩ってくれることを

子供たちはみんなワクワクして目を輝かせているよ

あの感じでは今夜はとても眠れそうもないね


だってサンタはもうこっちへ向かっているんだもの

ソリにたくさんのおもちゃや贈り物を積んでネ!

そしてすべての子供たちは 

今夜こそ確かめようと思ってる

トナカイが本当に空を飛べるのかどうかを!


みんながそれぞれの

クリスマスを迎えようとしているけれど

この簡単な言葉を、1才から92才までの

『すべてのいたずらっ子たち』に捧げたい

昔からずっと使われてきたありきたりな言葉だけれど

「素敵なクリスマスを!」



 愛と喜びがあなたにおとずれますように。

 そしてクリスマスもそうでありますように。

 新年も神のご加護がありますように。
 そして素晴しい1年になりますように。