『泥濘の食卓』どんなところに着地するのだろう?とぞわぞわしていたけれど、ハッピーエンドだった。よかった。
新しい登場人物が出てくるたびにどいつもこいつも違った角度の異常者で、なのになぜかリアリティがあって、不気味だった。
描かれているのは学校生活、スーパーマーケットでのやりとり、家庭の団欒()、幼なじみとの会話──よくある日常の風景なのに、なにもかもがおかしい。
それぞれがそれぞれの対象にその人なりの“愛”を注いでいる。
みんな愛情深い。
けど、その“愛”はまったく幸福に繋がっていない。
いやあ、とんでもない漫画だった。
凄かった。
ありえない設定だけど、みんなイカれてるけど、リアリティがあった。
面白かった。
舞台がおそらく刈谷と名古屋あたりで、知っている地名や店名をもじっているのが楽しかった。
ハルキとちふゆの高校、刈谷ケ丘高校は刈高か刈北かな。三河地方ではかなり賢い高校。
ピアゲはピアゴ(ユニーグループのショッピングモールに近いスーパーマーケット)。

因果は巡る…のか?
主人公は父に殴られ母から否定され続け、自己肯定感がゼロになっている。かなり年上のおっさんの店長に優しくされてコロッと不倫にハマってしまったのは生育歴のせいかもしれない。
毒親両親の親も支配的だったので負の連鎖といえる。
負の連鎖といえば、店長が不倫しているのはスーパーのブラックな勤務体制も原因のひとつだろう。シフトに入ってくれる人材(好きな男のためならがんばっちゃう)が必要なのだ。
ふみこの鬱は夫が浮気していることにも起因している。
ハルキが幼なじみからのストーカーに悩まされているのに家族に相談できないのは母が病だからだし、父が多忙だからでもある。
登場人物はそれぞれどうかしているが、どうかしている原因はある。その原因を取り去って問題が解決するかどうかはまた別のはなし。
登場人物ごとの紹介
捻木家
捻木深愛(ねじきみあ):本作の主人公。25歳。スーパーでアルバイトしていたが、辞めてからは自称カウンセラーとして働く(無給)。店長と結婚して子どもを産んで幸せになりたいと思っている。頼まれたら断れない。お父さんもお母さんも好き。店長もハルキくんもふみこさんも好き。唐揚げが好物。覚醒する。
捻木ママ:みおの母親。義父母や夫によく仕えた。夫を亡くしてからは看護師として働きながら家事に育児に奮闘する。みおはママがいないとなにもできないからしっかり守ってあげなくちゃ。健康には和食。
捻木パパ:みおの父親。怖いお父さんとして有名。女子どもは殴ってわからせる。
捻木祖父祖母:めっちゃ嫁いびりしてた。捻木ママの呪いのせいか交通事故死する。
あかりおばさん:捻木パパの妹。家庭の雰囲気に反抗して中学から金髪。40代でも刺青ピアスバリバリ。妊娠中は揚げ物派。この作品の良心のような存在。
那須川家
那須川夏生(なすかわなつお):スーパーすずらんの店長。自己肯定感の低い若いアルバイト女性を恋愛(不倫)で依存させシフトを埋めるシステムを構築している。スーパーの半額鮭弁当をよく食べる。
那須川ハルキ:店長の息子。ちふゆに付き纏われレイパーの濡れ衣を着せられ不登校になる。
那須川ふみこ:店長の妻。鬱病。独身時代はグラフィックデザイナーとして活躍していたが手柄を横取りされて落ち込んでいるときに夏生にプロポーズされ結婚する。みおのカウンセリング()で快方に向かう。みおに料理を教える。覚醒する。
尾崎家
尾崎ちふゆ:ハルキとは幼なじみ。ハルキが好き。告白したのに振り向いてくれないから手段を問わずハルキを我が物にしようと画策する。
尾崎パパ:ちふゆの父親。うまれながらのお金持ちで働かなくても悠々自適なので無職。一人娘のちふゆを甘やかし放題に可愛がっていた。夏生は唯一の友だち。覚醒する。
スーパーすずらんのパートやアルバイトたち:店長が不倫していることを噂する。シフトには非協力的。
みあの思い出
転校生ハルト:みあが中学生のとき東京から引っ越してきた。兄が母に家庭内暴力をふるっており、心を痛めている。みおの家庭内被虐に気付き、逃避行(家出)するも失敗する。
ドラマ化してたらしい。
2023年のNHKナイトドラマ。
(コメントで教えていただきました。テレ朝系ナイトドラマだそうです)

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