コード暗記記録 St.Thomas | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

昨日、コードを再記憶した曲は

Sonny RollinsのSt.Thomas。

こんな曲だ。

 

 

この曲をもらった当時は、

コードを記憶することがそれほど大事だと

認識していなかったので、

(大切さを自分で実感したのは、なんとこの夏!)

しっかり覚えていたか、ただ

指の鍵盤のポジションと音で覚えていただけか

わからないが、昨日はこの曲は弾いた。

そして一周目のテーマの

コンピングを耳コピした。これをアイデアにピアノで

テーマを弾くことにしようと思う。

 

ふと、疑問がわいてきたことがあった。

ジャズピアノの教則本などに、

テーマが書いていない、コードだけのページがよくある。

『なんか変。どうして、五線紙が存在するのに、

コード進行だけ書かれていて、何も音符が書かれていないまま、

1ページも印刷されてるの、意味なくない?』

曲の構造、Structureを見るだけだったら、テーマとコードが

両方書いてあるリアルブックのようなものがあれば、

十分なんじゃないだろうか。それとも、

そのようなページは、自分のアイデアを

書き込んでもいいように、1ページなら1ページが用意

されているのだろうか。それとも、コードのII V 1とか

度数とか、暗記の助けになる分析を、

自分で書き入れていくものなのだろうか。

プロのジャズマンに尋ねてみたい。

返ってくる返事が、

「自分の好きなように使ったらいいんちゃう?」

というものであるような気もするが。

 

また、ほかの楽器とアンサンブルで弾いていてソロをとる時、

コードだけを見たいのに、テーマの音が音符で書かれていて

邪魔、と感じたことがあるのはわたしだけだろうか。

目の前に音符で書かれた音があったら、どうしても

そこに目が行く、それを弾いてしまうか影響されて

しまうのだ。その音符やリズムが目に入ってから、

自分は別の何かをソロで弾こうとすると、

ゆっくりの曲では対応できても

速い曲だと、対応できない。

先に書いた、音符のない、コード進行だけの五線紙は

そういう人に役に立つのだろうか。

ジャズをする人は、リードシートのようにテーマと

コードが書かれているものから、ソロをとる時、

携帯電話の写真でできるように、頭の中に編集をかけて、

コードだけをクローズアップし、テーマの音符や

リズムに瞬間的にモザイクをかけることができるのだろうか。

去年、一緒にジャズのアンサンブルクラスにいた

他のメンバーの若者は全員、どんなに速くても

初見でソロが取れたので、脳内編集ができて、

テーマの音符に邪魔されずにソロが取れていたのかなと

推測する。別の可能性として考えられるのは、彼らは

たくさん曲をやって、その都度コードをしっかり覚えて

ソロの練習もしてきているので、ある程度、次の

コード進行が推測できて、それに対応する音が弾ける

自分自身のフレーズもしくはコード音によって自分の

使う音型を複数持っていて、いつでも使えるように

ふつうのテンポだけでなく、高速でも

練習しているのかもしれない。

 

8月からは、もう、新学期の仕事の用意もしていこうと

思っている。ジャズの方もコード暗記だけをしてもその曲が

弾けなければ意味がない。例がついクラシックになって

しまうが、たとえば、あなたがベートーベンの

エリーゼのためにのコード進行を

覚えたと喜んでいたにしても

曲が弾けなかったら意味がないという事だ。

ジャズはテーマが弾けるようになった後、

自分でソロをとるし、他の楽器を演奏する人の

ソロのコンピングもすることになる。

実はコード進行を暗記すると言うのは初めの第一歩なのだ。

それをないがしらにしてきたので、今、わりと規則的に

やっているが、第一歩の次を踏み出さないといけない。

コード暗記には慣れてきたので時間をかける割合を減らす。

あと、十曲くらいは、CDが付いていて便利だという

理由だけでなく、自分が弾けるようになりたい曲と言う

観点で選んでみたい。

それを探すのに、昨日はもう一度、i real pro の

曲のタイトルをAからZまで声に出して読んでみて、

やりたい曲を、音声にとって残した。

いっぱいあったが、そのうちからまずは10曲

くらい選ぼうと思っている。

I real proと 親しくなれた夏だ。

 

それから、ジャズを始めて今までずっと疑問だったことが

ある。まず、わたしが以前ついていたジャズマンは、

鬼才と言えるほどジャズピアノが弾ける。わたしも

そう感じていたが、別のプロのジャズピアニストが、

べた褒めしているのを、あるコンサートの機会に聞いた。

それは数年前のこと、

当時、わたしが参加していたアンサンブルのグループを

担当していたドラムの先生か、ジャズアレンジの先生に

お声がかかり、実現した、別の音楽学校とのコラボの

コンサートの時のことだった。

わたしたちは、一般のお客が来るディナーコンサート会場で

演奏した。賄いつきで、わたしたちはコンサート会場の

裏側に当たる食堂、レストランで、優雅に食事を提供された。

わたしはお酒を飲むとピアノが弾けなくなるので

飲まなかったが先生たちはワインも普通に飲んでいたように

記憶している。別の、待合室兼楽屋には低いテーブルと

ソファがあり、乾燥したおいしい野菜のシップスが

置いてあった。先生たちがリラックスした雰囲気で

談笑していた。

わたしが以前ついていたピアニストはそこには

来ていなかったが、コラボ先のプロのジャズピアニストが

ものすごく彼のことを褒めていたのだ。

 

わたしはそういうスペックの高い

ジャズピアニストについていた。

そのジャズピアニストは、

わたしに何でも耳でやれと言った。

覚書を書くと嫌がられたし、リードシートを見て

弾こうとするとリードシートをとられた。

ジャズは口承音楽だ、耳でやる、といつも言っていた。

その言葉は、わたしに疑問を投げかけた。

『ところでソロは、書いたら、あかんのやろか?』

そのピアニストは、忙しすぎて練習する時間がない、

ステージ上で、ダイレクトに弾く、と言うようなことを

よく言っていた。でも、耳コピは欠かさないらしい。

そんな情報から、一生懸命考え続けていたことがある。

「書かないで出てきたソロの方がレベルが上なのだろうか?

それともジャズのソロは作曲なの?」

 

わたしはコンピューター世代でないので、

自分のコンピューターを買ったのも、耳コピをするためで

ジャズを始めて1・2年後のことだった。

そのころは子どもたちがまだ小さくて

彼らの習い事の送り迎え、家事、仕事も始め、忙しく、

ネットで何かを検索する習慣がなかった。

最近、ネットでジャズ系の動画も見る機会が増え、

また意見が変わるかもしれないが、今の段階での

自分なりに答えを出した。

「書きソロがいいのか、その場での即興の方がいいのか?」

という質問への答えだ。

ここは意見が分かれるところかもしれない。

あなたはどんな意見だろうか。

わたしの答えは、「どっちでもいい、アイデアがあれば。」

ただし、わたしのようなレベルの人が

慣れていないテンポ、たとえば300bpmで

弾かなければならないとしたら、

今のところ書きソロしか方法はない。練習しないと

おそらくコード進行にもついていけないだろう。

わたしが前についていたピアニストのように、

練習していなくても何か弾けるくらいコンサートを

こなしている人でない限り、わたしのレベルでは

特に速い慣れていないテンポでは書きソロは必要だ。

ずっと、ソロを書くことは耳でする音楽に対して

「悪」レベルなのだろうかと、頭の片隅では気になっていた。

それに気が付いてくれたのだろう、

数年前に、ブログでジャズの先輩である田川さんに、

「書けばいいんですよ」とアドバイスしてもらったことは

ずっと覚えていた。

 

ただ、わたしのように、楽譜を道具にしている人、

たくさんの楽譜を目にして仕事をし、全部の楽譜のコードを

分析しているわけでもない、覚えているわけでもない、

伴奏を弾きながら生徒やコリストのピアノなり歌を

指導するために楽譜を読んで弾いている機会が多い人は

ジャズをするときに注意点がある。ジャズは初見で弾いて

おわりではソロは取れない。

コード進行を覚えて、

テーマを覚えて弾けるようにし、

自分のソロを弾き、

コードに沿って他の人の伴奏をする。

全部覚えてする、そのことを前のジャズピアニストは

耳ですると言い換えていたのではないだろうか。

人の真意はわからないので知らんけど。(笑)

ただわたしが言えるのは、書いたらいけないと言う人が

いるとしたら、間違っていると思う事。

ここは絶対書いてソロ弾いていると思う、

本当によくできた場所とかあるやん?

そんな込み入った素敵なフレーズが、空から降ってくる

わけはない。