【映画】モスラ(1961):極彩色のモスラが印象的なエンタメ怪獣映画決定版 | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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新作海外ゴジラ映画にも登場した怪獣「モスラ」単体の初作品

 

円谷英二の手掛けた精巧なジオラマには今観ても驚嘆する

 

 

 

「モスラ」

 

 

 

1961年公開 / 101分 / 日本 (米題:MOTHRA)

 

監督: 本多猪四郎
特技監督: 円谷英二
脚本: 関沢新一
原作: 中村真一郎/福永武彦/堀田善衛
製作: 田中友幸
音楽: 古関裕而
撮影: 小泉一(本編)/有川貞昌(特撮)
編集: 平一二
製作会社/配給: 東宝

出演者    
フランキー堺/香川京子/小泉博/ザ・ピーナッツ/ジェリー伊藤/田山雅充/河津清三郎/志村喬/上原謙他

 

南洋のインファント島に座礁した第二玄洋丸の乗員は、無人と思われたその島に、原住民が生存していることを伝えた。インファント島で核実験を行なったロリシカ国は、実態を調べるため、島に調査隊を派遣する。調査隊の一行は、そこで巨大な卵と卵に仕える妖精のような小さな女性“小美人”を発見する。隊長のネルソンは小美人を連れ帰り、見せ物にして売り出すことを画策した。一方、虜となった小美人は、テレパシーで島の守り神、モスラの救けを呼ぶ。モスラは小美人の声に応え、海を渡って日本に上陸した。街を破壊して進むモスラの幼虫に、自衛隊は激しい攻撃を加える。幼虫は東京タワーに繭を作り、やがて成虫となってその巨大な姿を現した……。これまでの怪獣映画では、元凶は人間にあっても、怪獣は滅ぼされるべき存在であった。その点で、本作でのモスラの位置づけは新しい試みと言える。モスラのキャラクターは、『モスラ対ゴジラ』でより明確になる。緻密なミニチュアワークが驚異的。

(allcinemaより抜粋)

 

Wikipedia:モスラ

 

 

*****

 

ではでは。

 

今回は「ゴジラVSコング 新たなる帝国」でもお出になられていました此方

 

 

 

モスラ様のね、単体作の1作目やっていきたいと思います

 

まずはいつもの如くこの1961年という時代、

 

前年に60年安保闘争が起き、

 

非常に盛んにデモが行われている時代でありました。

 

そんな中、アメリカの映画会社コロンビアピクチャーズと提携されていたこの作品、

 

終盤、ニューカークという架空の街を破壊するなど国際色のある作品になっています

 

 

キャストにも人気物のフランキー堺にザ・ピーナッツ、

 

東宝の一流どころの香川京子に上原謙などなど出演

 

歌にスペクタクルにアクションと

 

エンターティメント性の高い作品です

 

1本の映画としても大変優れているとも思える作品

 

 

 

てなわけで話の方も追いながら行きましょう

 

 

 

 

日本の貨物船、第二玄洋丸が台風により沈没する

 

乗組員たちは、インファント島という島に漂着

 

 

 

 

このインファント島は

 

ロリシカ国の水爆実験で放射能汚染に覆われた島になっていた

 

 

しかし、その島から救助された乗組員らは放射能の被害が見られなく、

 

 

 

しかも驚くことに島には原住民が住んでいたと言うのだ

 

「あの赤い汁を飲んだおかげかな」と1人の乗組員が言う

 

それを調べる為、調査隊が組まれることに

 

「赤い汁」は「ゴジラVSコング 新たなる帝国」にも登場

 

 

この核のセンターのようなところで博士の上原謙に平田昭彦、

 

記者のフランキー堺にカメラマンの香川京子らが顔を揃える

 

 

 

 

 

とてもダンディな上原謙さん

 

スターの風格がありますな。

 

 

調査隊には言語学者である中條=小泉博

 

 

「ゴジラの逆襲」に続き主役級で登場

 

一番最初に小美人を見る人物になる

 

 

調査団はロリシカ国との合同で組まれており

 

団を統括する男にクラークネルソン=ジェリー藤尾がいる

 

 

 

 

ロリシカ国は、ロシアとアメリカを組み合わせた名だが

 

モデルはアメリカだろう

 

調査隊の船にフランキーが忍び込みそのまま合流する

 

 

 

 

調査隊の出航にはなんと鹿児島

 

これは後から知ったのですが、

 

モスラには別バージョンのシナリオがあり

 

それが鹿児島と宮崎が舞台となっているようで

 

ロケも行っていたらしい

 

フランキー堺さんは出身が鹿児島なんでそれでかと思っていましたが

 

ラストが海外ではなく霧島連山の高千穂の峰になっていたらしい

 

この高千穂峰こそ天孫降臨の山と言われており

 

古代の熊襲のいた地域と言われている

 

 

このバージョンも観れるといいのがだ、これまでこのバージョンは出てきたこと無いので

 

紛失しているのかと思われる

 

 

この「モスラ」という作品は

 

「日本」そのものに実は非常に関連付けられているので

 

高千穂を持ってくるとなればその色はもっと色濃く作品に出たかもしれない

 

その辺の話は最後辺りにしましょう。

 

 

インファント島で調査を始めると

 

中條が怪奇植物に襲われる

 

その時に小美人を見る

 

 

不思議な洞窟も発見

 

 

 

 

ネルソンは不穏な行動をとる

 

 

 

 

 

小美人を見つける調査隊

 

 

するとネルソンらが小美人を捕獲しようとする

 

 

 

連れていこうとするネルソンらを

 

先住民たちが囲む

 

 

 

しかし彼らは武器を持たない為

 

石を鳴らしながら警鐘をならし圧力をかける

 

 

そんな原住民らをネルソンらは銃撃し

 

小美人を拉致する

 

 

 

石をたたいて鳴らすだけの彼らを無差別に襲撃する

 

 

瀕死の長老は祠まで戻り祈祷すると

 

 

 

 

 

そこからモスラの卵が現れる

 

 

 

モスラは

 

この者たちの神として祭られている

 

 

それに対しロリシカ国のネルソンは

 

拉致した小美人を

 

見世物として興行を打つ

 

 

 

 

商業主義に略奪、

 

ロリシカのモデルはまさしくアメリカなのだ

 

 

ショーは大盛況で

 

小美人は「モスラの歌」を歌う

 

 

 

 

モスラの歌の歌詞は

 

日本語に訳したものがあり、

 

以前アップしたことがありますの貼っておきます

 

 

モスラの歌歌詞と日本語訳

 

 

小美人にはテレパシー能力があり

 

人間と話す時もテレパシーを使い

 

モスラともテレパシーで通じている

 

 

インファント島の住民らの祈祷により

 

卵から孵化する

 

 

 

祈祷は男女の舞によるもの

 

まさに天岩戸神話の天照大御神になる

 

 

幼虫のモスラは小美人を追い、海を渡る

 

 

 

 

途中、ロリシカの空爆に遭い行方をくらますが

 

 

奥多摩のダムに姿を現す

 

 

 

 

特撮ファンには馴染み深い小河内ダム

 

 

ダムの監視員に広瀬正一氏が出演している(キンゴジのキングを演じた方)

 

 

 

 

そこから横田基地方面へ向かい

 

 

 

 

渋谷へと向かう

 

 

 

 

 

提供バヤリース

 

 

このモスラの一番の見どころは

 

この精巧なミニチュアで

 

渋谷から東京タワー周辺のジオラマの再現は必見です

 

 

 

 

 

当時の道玄坂辺り

 

 

 

 

自衛隊らも戦車が街道を走る

 

車両のミニチュアはモーターで動くようになっている

 

 

 

 

洗車の横をバイクが走り抜けるという細かさ

 

 

 

 

 

そして逃げ惑う人々

 

このモブシーンも素晴らしい

 

 

 

 

 

そして東京タワーへと向かうモスラ

 

 

 

 

 

 

塔に上ると折れてしまう

 

 

 

 

倒れるモスラもカワイイ

 

 

 

 

 

そして糸を吐き繭を作る

 

 

 

 

 

一方小美人は

 

フランキーや

 

 

中條の息子が助けてやると言ってはいたが

 

 

 

ネルソンらによりロリシカ国へと逃亡していた

 

 

ちなみに中條の息子役だったこのぽっちゃりした少年は

 

後にシンガーソングライターとなり「春うらら」をヒットさせる田山雅充さん

 

 

 

モスラの繭は

 

ロリシカ国製の兵器「原子熱線砲」で焼かれてしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜ぶネルソン

 

 

 

 

小美人はなおも歌を奏でると

 

 

 

 

 

繭から成虫となったモスラが現れる

 

 

 

 

 

 

モスラはそのまま小美人のいるロリシカ国のニューカークへ

 

 

 

モスラは飛遊しながら羽根を動かす

 

 

 

 

 

この羽根の動きが優雅で美しい

 

 

ネルソンは手配され自国の警官に撃たれ死亡する

 

 

 

 

しかしニューカークの街はモスラ飛来の暴風により被害が出る

 

 

 

 

 

 

 

 

ニューカークの街は緊急で作ったため正直出来が良くない

 

しかし、モスラ「神」が起こす暴風(神風)により

 

ニューカークの街に被害をもたらすという比喩がここでは暗に起こっている

 

 

モスラを鎮めるべく

 

中條はインファント島にあった碑文の印を飛行場に書き

 

 

 

 

 

 

 

小美人の声に似た教会の鐘を町中一斉に鳴らし

 

飛行場へと降り立ってもらう

 

 

 

 

小美人と会いインファント島へ一緒に帰る

 

インファント島では

 

モスラに感謝と労をねぎらう歌が歌われる

 

まさしくそこは神の国だ

 

島の碑文の最後にはこう書かれている

 

「平和こそが永遠に続く繁栄の道である」

 

 

 

 

紛争を亡くし平和でいること

 

それが一番のこの作品のテーマであると思う

 

 

 

このインファント島は

 

核を落とされた、神と崇めるもののある島。

 

これは日本を意味する

 

 

 

日本の発展の1つに繊維業がある

 

これも「繭」で繋がり、

 

「武器」を持たないというのも少なからず日本にあたる

 

 

消滅した別バージョン

 

日本誕生の地の高千穂の峰でネルソンが倒されるラスト

 

こっちの方も非常に興味があります

 

見れないのは非常に残念ではありますが

 

 

このエピソードがあり、

 

「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)では

 

モスラ様は鹿児島から出現したのかと

 

今回観返して妄想してしまいました(汗

 

 

 

このエンタメの裏にあるメッセージ性

 

この作品に関しては一貫して「平和」がメインテーマであり

 

その後の怪獣映画でもモスラのイメージとして

 

「平和」が当てはまります

 

 

 

この次回作が「キングコング対ゴジラ」(1962)を挟み「モスラ対ゴジラ」(1964)になるのだが

 

「モスゴジ」はゴジラの造形ともに一番好きなゴジラ映画となりますので

 

こちらも近いうちやりたいと思っております。

 

 

ちょっとゴジラの全世界的な盛り上がりを受け

 

東宝特撮の作品をやり直していこうと思います。

 

 

本当は今年は

 

 

70~80年代の東映映画を色々やろうかなと思っていたのですが(^^;

 

路線変更です(汗

 

東映作品も進めていこうとも思っていますので

 

長い目で見てやってくださいw

 

 

では。

 

 

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