【映画】アイアンクロー(2023):実話 呪われたエリック一家の映画化 実際との検証あり | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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昭和のプロレスファンなら皆知ってるであろう

 

プロレス一家フォン・エリック・ファミリーのことを映画化した作品

 

次男のケビンをザック・エフロンが演じる

 

 

プロレスごっこでやると渋いと思われる技です

 

 

「アイアンクロー」

 

 

 

2024年日本公開 / 132分 / アメリカ (原題:The Iron Claw)

 

監督/脚本    ショーン・ダーキン
製作    テッサ・ロス/ジュリエット・ハウエル/アンガス・ラモント
音楽    リチャード・リード・パリー
撮影    エルデーイ・マーチャーシュ
編集    マシュー・ハンナム
製作会社    A24/BBCフィルムズ
配給    A24/キノフィルムズ

キャスト
ザック・エフロン/ジェレミー・アレン・ホワイト/ハリス・ディキンソン/モーラ・ティアニー/スタンリー・シモンズ/ホルト・マッキャラニー/リリー・ジェームズ他

 

 “アイアンクロー=鉄の爪”の異名で日本でも活躍した伝説的プロレスラー、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの真実の物語を描いた伝記ドラマ。父の跡を継ぎ、プロレスラーの道を歩み始めた息子たちを待ち受ける栄光と悲劇を、次男ケビンを中心に家族の葛藤と絆の物語として描き出していく。主演は「セブンティーン・アゲイン」「ベイウォッチ」のザック・エフロン、共演にジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ。監督は「マーサ、あるいはマーシー・メイ」「不都合な理想の夫婦」のショーン・ダーキン。
 1980年代初頭。“鉄の爪”こと伝説のプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックによって最強を宿命づけられた息子たち、次男ケビン、三男デビッド、四男ケリー、五男マイクが次々とプロレスデビューを飾る。やがてフォン・エリック兄弟は華々しい活躍でプロレス界を席巻、目標の世界一も目の前に迫っていた。しかし、そんな彼らに次々と不幸が襲う。いつしか“呪われた一家”と呼ばれるようになってしまったフォン・エリック家を、ケビンはそれでも懸命に支えていくが…。(allcinemaより抜粋)

 

オフィシャルサイト

 

 

 

Wikipedia:アイアンクロー

 

 

*****

 

説明しよう

 

タイトルのアイアンクローとは

 

フォンエリック一家の代名詞と言われるプロレスの必殺技のことで

 

父フリッツフォンエリックから、一家に代々伝わる必殺技となっている

 

 

 

りんごを潰すほどの握力でただただ相手の頭をギュってする

 

繰り出すレスラーに覇王力がないと説得力のない技になってしまう

 

 

この貫禄たっぷりの強面のレスラーこそが

 

このファミリーの父であり、

 

アメリカのプロレス団体WCCW(1966-1990)のオーナーでもある

 

 

 

左のモノクロ写真が実際の親子で、

 

右のカラーが今作

 

 

この兄弟たちの話がメインとなるが、

 

 

 

実際の兄弟は一番下にクリスという末っ子がおり、

 

長男は幼い頃に事故で亡くなったジャック・アドキッソン・ジュニアがいる。

 

(ジャックは劇中に語られる)

 

クリスは、

 

物語を作る上であまりにも悲惨な話になるのと時間などの関係上割愛したとのこと

 

 

最初、このエリック一家の映画があると聞いたときに

 

鬱映画にしかならないのではないかと思ったが

 

作品はしっかり感動できる作品に仕上げていた。

 

しかし悲しい作品ではある。

 

 

この一家の兄妹は、次男のケビンフォンエリックの他の5人(劇中は4人)とも若いうちに亡くなられている

 

その顛末を映画化したのだ

 

昭和のプロレス好きなら皆知ってる出来事だ

 

この一家がプロレス一家ではなく野球やサッカーの一家だったら観に行かなかっただろう

 

それくらいに悲惨な話なのだ。

 

 

 

誰がどう亡くなったかはネタバレともなるので控えておきたいと思いますが

 

現実との違いと、人物の紹介はやっていきましょう

 

長男は早くに亡くなっているので、

 

次男がケビン=ザック・エフロン

 

 

実際ケビンは少し線が細かった

 

 

三男がデビッド

 

 

タッパもあり有望視されていた

 

 

 

四男ケリー

 

 

新日にケビンとケリーのエリック兄弟で来日した時に弟が会場でTシャツを買っていた

 

 

昔のプロレスTは宣材写真をプリントしているだけだったが今ではダサかっこよくかなりレアなTシャツになっただろう

(引っ越しの際にどこか無くなってしまったらしい)

 

 

五男マイク

 

 

線が遅くミュージシャンを志望していたがレスラーに

 

 

 

劇中には出てこないが六男クリス

 

 

彼は身長が伸びず年齢も他の兄妹より離れていたがレスラーになる

 

 

父はフリッツ

 

敏腕プロモーターでもあり、ダラスに一大帝国を立てる

 

母は敬虔なキリスト教徒だ。

 

 

ケビンには恋人ができ

 

 

そのことも描かれている

 

現在存命なのはケビンだけなので、どうしてもケビンが主人公の話となり、

 

ケビンを「ベビーフェイス(善玉)」としていやらしいほどストーリーは進む

 

 

他の登場するレスラーも紹介しよう

 

まずザ・シーク

 

 

劇中はアイアンシークの髭の形に似てたが、時代が合わないのでザ・シークなんだろう

 

父との対戦で登場

 

そして帝王ハーリーレイス

 

 

劇中はただのオッサンのようだったが実際はクソ強面のレスラー

 

狂乱の貴公子リックフレアー

 

 

劇中はそっくりさんだったのか似ていた

 

得意技の四の字固めに入るときのドヤ顔がたまらん2枚目キ〇ガイレスラー

 

上の二人は当時権威のあったNWA世界ヘビーのチャンプ

 

フリッツのWCCWはこのNWAの傘下にいた

 

立場的には日本の全日のようなNWAと提携するアメリカの団体となる

 

劇中はなにしろ父エリックのこのNWAの世界ベルトへの執着がエグイ

 

一家の呪いと言うよりはこのベルトへの執着が一家の悲劇をもたらしたかのように描かれている

 

 

その他のレスラー

 

WCCWが主戦場だったブルーザーブロディとジノ・ヘルナンデスがタッグで登場

 

実はこの二人、

 

1人は殺され、1人は薬物だ

 

それもジノ・ヘルナンデスは黒い噂まであったレスラーで暗殺説まである

 

劇中は一家の悲劇はデビッドの死から始まったように思われがちだが

 

このジノ・ヘルナンデスの死からWCCWの衰退が始まる

 

この件をきっかけにNWAとの提携が解消される

 

それによりレスラーが次第に離れだしたようだ

 

 

 

他にはマイケルヘイズ、テリーゴディらのファビュラス・フリーバーズ

 

 

彼らとの抗争が長く続いていたとのこと

 

ゴディも決して若くはないが40歳で亡くなられている

 

 

そして、四男のケリーがWWFに出て巡業するシーンには

 

暴走狼アドリアンアドニスに似たレスラーが一瞬映る

 

 

彼も早くで交通事故死している

 

あと、帳面に名前だけ確認できたがアンドレザジャイアントのギャラの帳簿の記載がある

 

 

 

さすがにそっくりさんはいないかなww

 

 

恐らくこの監督さんは確信的に早くに亡くなられたレスラーを出していて

 

表立って言ってないがこの頃のプロレス界がキナ臭い世界だったと表現している

 

そしてチャンプは王として君臨し

 

父エリックにとってはそれは神である如く挑戦し続ける

 

母がクリスチャンであることも物語上、別の目線でみると非常に大きな意味をもたらしている

 

母の教えに逆らい戒律を破るシーンをいくつか入れている

 

逆に生きのこったケビンは妻が初めての人だと映画上で告白している

 

つまり神に逆らった人が罰せられたという見方も出来るのだ

 

 

しかしこの映画は最後に大きな矛盾点を起こしている

(これも確信的にかもしれない)

 

 

死んだ兄弟たちがあっちの世界で出会うシーンがある

 

とても感動的なシーンだが

 

自殺した人は天国には行けないのだ

 

 

だから本当は彼らは天国で逢うことも無いと断言できる

 

せめて映画の中だけでもと

 

製作者側の優しさととっていいかもしれません

 

 

自殺を肯定した作品では決してなく

 

苛酷な労働条件の中で、

 

痛み止めを打ち、筋肉増強剤を投与しなければいけない状況だった

 

当時の若くで亡くなってしまったレスラーたちへの鎮魂の作品だと感じました。

 

 

やっぱね、

 

プロレス好きなら悲劇と分かっていても

 

 

観たい作品なわけです。。

 

 

 

では。