「原爆の父」と言われたロバート・オッペンハイマーの伝記映画
冴えるノーラン監督の演出に名優たちの見ごたえある個性豊かな演技、
まさに怒涛の息つく暇ない3時間。
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「オッペンハイマー」
2024年日本公開 / 180分 / アメリカ (原題:Oppenheimer)
監督/脚本: クリストファー・ノーラン
原作: カイ・バード/マーティン・J・シャーウィン
『オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』
製作: エマ・トーマス/チャールズ・ローヴェン/クリストファー・ノーラン
音楽: ルドウィグ・ゴランソン
撮影: ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集: ジェニファー・レイム
製作会社: シンコピー・フィルムズ/アトラス・エンターテインメント
配給: ユニバーサル・ピクチャーズ/ビターズ・エンド・ユニバーサル映画
キャスト
キリアン・マーフィー/エミリー・ブラント/マット・デイモン/ロバート・ダウニー・Jr./フローレンス・ピュー/ジョシュ・ハートネット/ケイシー・アフレック/ラミ・マレック/ケネス・ブラナー/トム・コンティ/ゲイリー・オールドマン
「ダークナイト」「TENET テネット」のクリストファー・ノーラン監督が、日本の広島と長崎に甚大な被害をもたらした原子爆弾の開発に世界で初めて成功し、“原爆の父”と呼ばれた天才理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの実像に迫った伝記ドラマ。主演は「28日後...」「プルートで朝食を」のキリアン・マーフィ。共演にエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr。アカデミー賞ではみごと作品賞・監督賞を含む最多7部門を受賞。
第二次世界大戦下、アメリカはナチス・ドイツに先駆けて原子爆弾を開発することを目標に極秘プロジェクト“マンハッタン計画”を始動させ、そのリーダーにイギリスやドイツの名門大学に留学経験のある天才物理学者ロバート・オッペンハイマーを任命する。ユダヤ人でもある彼は、ニューメキシコ州のロスアラモス研究所に全米の英知を結集し原爆開発に邁進、ついに世界初の核実験を成功させるのだったが…。(allcinemaより抜粋)
オフィシャルサイト
Wikipedia:オッペンハイマー
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本日は2本ほど映画館で観てまいりました。
1本目はこちら
まあ最初から褒めちぎってますがw
これはヤバい。
こりゃあ冗談でも入れとかにゃ身がもちません
しょっぱな、
ファーストカットが雨の水たまりに落ちる波紋から映し出される
もうこの一番最初の1シーン目から
原爆の揶揄です
そしてこれが最後のカットにそのままつながります。
たくさんの原爆が落ちるというのを最初からイメージさせる
そして神話のプロメテウスの引用
もうこの時点に傑作になるのは確定される
時代背景は
戦前のオッペンハイマー=キリアン・マーフィーの大学の頃から
戦後の赤狩りの頃までを行ったり来たりするが
わかりにくいことは無い
学生から教授になるまでのオッペンハイマーは
物理学を物理的に解き、
原子のことで頭がいっぱいの男であった
果ては宇宙のことまでに行きつく
弟の付き合いで共産主義の会合に行くと
そこで恋人が出来る
ジーン・タトロック=フローレンス・ピュー
今作はこのお二人の絡みおよび裸体があるためR15+になっている
タトロックさんも実在し恋仲で在り、映画同様自殺にてこの世を去る
このへんはキナ臭く劇中も描かれている
オッペンハイマーがソ連のスパイではないかと疑いがかけられ聴聞会に掛けられるが
この時に結婚後もタトロックと密会していたことも暴かれ
奥さん大激怒。
しっかしおぞましいほどの過剰演出
しかしこれがノーラン節ともとれるのです。
実にダイナミックで、ケレン味のある演出が
クリストファーノーラン監督の凄みでもあり
いつもはハッタリの聞いたSF映画にその演出が合うのですが
今回は伝記映画であるものの
これまでの緊迫感のある演出が生かされている。
奥様=キャサリン・オッペンハイマーにはエミリー・ブラント
勝気な奥様を演じきっています
他にはマンハッタン計画の責任者レズリー中将にマット・デイモン
本作においての重要人物の一人ルイス・ストローズにはロバートダウニーJr
アインシュタインにトム・コンティ
笑ってまうほど強烈なトルーマン大統領にゲイリー・オールドマン
他にも個性的な俳優がワンサカ出てきます
オッペンハイマーは第2次大戦中に
マンハッタン計画(核爆弾製造)に携わり
核実験を成功させる
その後、完成したアトミックボムは軍へ引き渡され日本で2つの爆弾が投下される
ここは科学者たちが知らず、軍に引き渡すも「出来るなら落とさないでほしい」くらいのニュアンスで話が進み、
ちょっと曖昧な表現になっている
彼自身は大量破壊兵器を作ってしまった罪の意識に悩まされ
原子力を抑止力としてそれ以上の破壊力を持つ水爆の研究には反対するようになる
彼自身も核実験前と実験後では顔つきも変わって見える
「核」という巨大なエネルギーを作り出した「前」と「後」では
人間の暮らし自体も、世界の構図も変わってしまう
核爆弾を落とされた唯一の国「日本」でさえ
「核」エネルギーに依存し暮らしている
この映画は反戦・反核映画かといわれると迷わず「そうだ」と答えが出るが
日本人にしてみると
やはりちょっと複雑な映画になるのはやむを得ない
トリニティ実験に成功し
歓喜するアメリカ人
苦労して挑んだ実験が成功したことは喜ばしいことと判ってはいるが
素直に喜べない
オッペンハイマーも実験後にこう思い浮かべたと術している
「我は死なり、世界の破壊者なり」
劇中でも出てくる言葉だ
最後のアインシュタインとの会話に現れる
後ろの池には
小雨が降り、大量の雨の波紋が落ちている
ノーラン監督の作品群の中で、
もう一本核爆発がでてくる映画が
「ダークナイトライジング」だ。
本作のバットマンが爆弾を持ち右往左往するのは
1966年の「バットマン・オリジナルムービー」のオマージュとも言われているが
ノーランさんもこれから影響され
「オッペンハイマー」へ行きついたとするとw
大した人でございます(^^;
まあ
ヘヴィーな作品だけにね
ちょっとは茶化さないとね
と言うわけで
次はもう1本の鑑賞したのを行きましょう
あっちもヘヴィーだったなあ。。
では。