水のないプール(1982) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
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若松孝二監督、内田裕也主演の官能犯罪映画

 

実在するクロロホルムを使った強姦事件をモデルにした作品

 

 

 

これは犯罪映画の皮を被ったファンタジーである

 

 

「水のないプール」

 

 

 

 

 

1982年公開 / 103分 / 日本 (米題:A Pool Without Water)

 

監督    若松孝二
脚本    内田栄一
製作    若松孝二/浅岡弘行/清水一夫
音楽    大野克夫
撮影    袴一喜
編集    中島照雄
製作会社    若松プロダクション
配給    東映セントラルフィルム

キャスト
内田裕也/MIE/中村れい子/藤田弓子/紗貴めぐみ/浅岡朱美/殿山泰司/安岡力也/常田富士男/赤塚不二夫/黒田征太郎/タモリ/沢田研二/原田芳雄他

 

クロロホルムを使って意識を失った若い娘を犯すという、世間を騒がせた実在の事件を基に、若松孝二監督が内田裕也主演で映画化した実録犯罪ドラマ。昼は地下鉄の駅員としてキップ切りや駅の清掃をし、夜は口やかましい女房の相手と、単調で退屈な日々を送るしがない男。男はある日、息子が昆虫の標本作りで使う注射器を見てあることを思いつく。さっそく薬局で大量のクロロホルムを購入、夜、若い女の住む部屋の窓からクロロホルムを吹き込むと予想通り女を眠らせることに成功した……。

(allcinemaより抜粋)

 

Wikipedia:水のないプール

 

*****

 

アマプラのほうで、

 

なんと「水のないプール」が始まっておりましたので、

 

これまた久しぶりに観返してみました。

 

内田裕也さんの80年代の代表作の一つ

 

 

 

 

私の中ではこの「水のないプール」と翌年の「十階のモスキート」は

 

80年代の邦画を代表する作品の1つだったと思うほど私の中では高いところに位置づけられている作品であります。

 

初見であの頃観たときのインパクトがね

 

この2作品にはありました。

 

 

それではちょっとストーリーも話していきましょう

 

 

 

内田裕也は地下鉄の切符切りをしている

 

現在では改札は機械で切符を切ってくれるが以前は人が改札で切っていた。

 

ただ1日切るだけの仕事

 

実際は他にも仕事があるのでしょうが

 

劇中の彼はずっと切符を切っている。

 

ある日、仕事帰りに強姦される女性を助けた。

 

 

 

襲われていた女性はピンクレディーのミーちゃん。

 

映画初出演だった

 

家まで送ると名前も教えずに帰る裕也

 

ただ、この時ジンジャーエールを飲み、ハマる。

 

これから彼はことあるごとにジンジャーエールを飲んでいる

 

 

男は家は団地暮らしで奥さんと子供がいる

 

 

 

おとなしめの地味な父親だ。

 

ちなみに奥さんは藤田弓子さん。

 

 

 

男は居酒屋で絡まれている男を助け、自分が怪我をする

 

 

 

怪我された相手にはジュリー登場。

 

その他にもタモリだったりカメオ的に有名人が出てくる

 

 

怪我した手を水で洗ってると謎の女がやってきて「水のないプール」へと連れてくる

 

この水のないプールは非常に幻想的で抽象的な場所である

 

 

それからミーちゃんとは駅で仕事中にまた出会い、

 

喫茶店に行ったりするようになる

 

 

 

 

男は喫茶店のきれいなウエイトレスさんを尾行し家を見つける

 

 

 

 

ウエイトレスには中村れい子さん

 

お綺麗な人です。

 

 

男はついには注射器で彼女の家にクロロフィルを流し込み眠らせ、

 

痴漢行為をするようになる。

 

 

段々エスカレートし、

 

色んな女性の家を同じ手口で襲うようになるが、

 

ウエイトレスの家では、行為の後、寝ている間に洗濯して朝食を用意して出ていくようになる

 

さらには他の男が彼女に近づくと陰で「近づくな」と脅し、寄せ付けないようにする。

 

 

男は徐々に徐々に狂っていく

 

病的な目で、薄ら笑いを浮かべる顔。

 

仕事は辞め、夜な夜な出ていく夫に怒りをあらわにする妻。

 

すると妻までクロロフィルで眠らせ、犯行へ出かける・・

 

 

男はとあることで犯行がばれ、捕まる。

 

 

捕まる前、「水のないプール」にいた謎の女は

 

吹いていたシャボン玉だけおいて姿を消す。。

 

しかし、最後はまた謎の女が現れ、

 

内田はプールに寝転がり、舌を出し笑う。

 

 

 

 

この映画は、

 

以上犯罪を取り扱っていながら

 

どこか抽象的でふわふわ、内田自身がクロロフィルでラリっているかのような、

 

また夢の中のような感じがあります。

 

あの「タクシードライバー」のトラヴィスが最後、妄想なのか現実なのか分からないまま終わるのと同じく

 

内田の「してやったり」の顔で終わるのだ。

 

だが、その「水のないプール」はいつのまにか廃墟のようになっていた。。

 

それは彼の心の中は快楽におぼれた果てにボロボロになってしまったのだ。

 

これは内田裕也という「男」のファンタジーであり、

 

夢物語のような話だ。

 

 

ある意味、

 

現代の「浦島太郎」でもある

 

女を助け、

 

女を眠らせ好き勝手、自由にする。

 

しかし、彼が最後に目覚めた場所は「水のないプール」の底に寝ていたのだ

 

 

 

 

酒池肉林の末、目が覚めると(玉手箱を開けると)

 

廃墟となったプールの底にいた。

 

 

そして最後もそこに居た謎の女、

 

彼女は助けたミーちゃんの同居人でもあり、

 

ミーちゃんのもう一つの姿としてとらえると、

 

「亀」にあたり、

 

ファンタジー的なとらえ方をすると

 

ピーターパンを誘うティンカーベル(妖精)となるのではないだろうか。

 

実は男は「水のないプール」の底でずっと寝ていたのかもしれない。。

 

 

 

 

この80年代の、この時代、

 

ロマンポルノからの派生からか、

 

ちょっと文学的なポルノっぽい作品が多く撮られていた

 

ピンク映画やロマンポルノ出身の監督らが一般映画へ進出していた頃になる。

 

個人的にはそのような作品にハマるきっかけになったのが

 

この作品と「十階のモスキート」でした。

 

 

今回観返して感じたのは、

 

やはり内田裕也の病的な演技は素晴らしい。

 

てことでしょうか。

 

 

一時期は観ることが困難でしたからね

 

私も、

 

これまではビデオをダビングしたヤツで何回も観ていたので

 

綺麗な画質で観るのも実際初めてな感じでしたかも。

 

まあ、印象は変わりませんが、前より好きになったかもですねエ。

 

 

原田芳雄氏らが楽しそうに演じてるのもね

 

楽しかったりしますね(^^)

 

 

 

 

一時期のお蔵入りに近い状態だったのは、

 

 

やはりロリのせいかなあ。。。(^^;

 

この作品でもあの風呂上りシーンはね、

 

確信犯的なところはありますね(汗

 

 

また、

 

カエルだけはいまだ、正視出来なかったなあ。。

 

嫌いですワ。。

 

カエルは昔から(^^;