フルメタルジャケット(1987) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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天才スタンリーキューブリックのベトナム戦争映画

 

ドキュメンタリーチックな演出ながらドラマとして引き込まれていく手法は監督の成せる業でしょう

 

 

まさにキューブリックセンス!

 

「フルメタルジャケット」!

 

 

 

 

1988年日本公開 / 116分 / アメリカ・イギリス (原題:FULL METAL JACKET)

 

監督    スタンリー・キューブリック
脚本    スタンリー・キューブリック/マイケル・ハー/グスタフ・ハスフォード
原作    グスタフ・ハスフォード
製作    スタンリー・キューブリック
音楽    アビゲール・ミード
撮影    ダグラス・ミルサム
編集    マーティン・ハンター
配給    ワーナー・ブラザース

 

キャスト

マシュー・モディーン/アダム・ボールドウィン/ヴィンセント・ドノフリオ/R・リー・アーメイ/ドリアン・ヘアウッド/アーリス・ハワード/ケヴィン・メイジャー・ハワード/エド・オロス/ジョン・テリー他

 

ヴェトナム戦争を舞台に、新兵の厳しい訓練と彼らが赴いた戦場での体験を描く。「シャイニング」以来7年ぶりのスタンリー・キューブリック製作・監督作品。エグゼクティヴ・プロデューサーはヤン・ハーラン、共同製作にフィリップ・ホブス。グスタフ・ハスフォードの原作をハスフォード自らとキューブリックおよびマイケル・ハーが脚色。撮影はダグラス・ミルサム、プロダクション・デザイナーはアントン・ファースト、音楽はアビゲイル・ミード、編集はマーティン・ハンター、録音はエドワード・タイズが担当。出演は「ビジョン・クエスト 青春の賭け」のマシュー・モディン、「地獄の黙示録」のリー・アーメイ、「俺達の明日」のアダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオほか。(moviewalkerより抜粋)

 

*****

 

どもです。

 

前回予告していた作品です。

 

まずは当時のことから。

 

 

この作品の公開された1988年は

 

前年1987年にアカデミー賞受賞の「プラトーン」から始まり、

 

「ハンバーガーヒル」、「ハノイヒルトン」、「友よ、風に抱かれて」

 

1988年に「グッドモーニングベトナム」などなど、

 

いろんな角度から見たベトナム映画が生まれていた時代だった

 

 

そんな中、あのキューブリックがベトナム映画で新作を出すという報が飛んでくる

 

彼の作品では「シャイニング」以来約7年ぶりとなるわけで、

 

私なんざ、「シャイニング」の頃なんて小学生だ。

 

この映画のことは知っていたが当時11歳で映画館でイカレタおっさんを観ようなんて微塵にも思わなかったのだった。

 

それから時が経ち、高校を卒業するころだったかは覚えちゃいませんが

 

その頃に1人で映画館での初キューブリックを楽しみに観に行ったのを覚えている。

 

 

結果、とても衝撃的な作品で

 

これまでのどの戦争映画とも違ってた

 

 

作品は2部構成になっており、

 

その映像センスと音楽、

 

そして戦争の狂気をキューブリックらしく映画作品として撮っている

 

 

 

 

いきなり冒頭からは「ハローベトナム」という軽快なオールディーズ風の音楽に合わせ、頭をバリカンで丸刈りにしていく若者たちが映し出される

 

そして「2001年宇宙の旅」のように何の説明もなく訓練兵たちのシゴキのみを視覚で伝えてくる序盤

 

手法としてはドキュメンタリーを観ているような撮り方をしている。

 

誰かの目線というわけではなく、あくまで第3者として映像を私たちは見せつけられている。

 

それから次第にドラマが動き出し、

 

 

 

主人公はジョーカー=マシュー・モディーンであることが解る

 

あのアランパーカー監督の「バーディ」の主人公を演じた役者だ

 

 

教官のシゴキ、その罵声に圧倒させられる

 

 

その教官の標的にされる『ほほえみデブ』ことレナード=ヴィンセント・ドノフリオ

 

 

 

 

彼が次第に訓練の中で狂っていき、惨劇を生む。

 

 

 

 

正直、ここでの彼のアングル等、

 

「シャイニング」のジャックニコルソンと一緒やん

 

なんて当時は思いましたが、

 

彼が狂気に至ったのは

 

シゴキや、仲間のいじめではなく、

 

ましては戦争でもなく

 

「銃」を持つことで彼は狂気に侵されていっているのです。

 

タイトルの「フルメタル・ジャケット」はまさに銃弾のことであり、

 

2部でもスナイパーに狙われるところが山場となっている。

 

 

2部ではジョーカーが広報部に配置され戦地に向かってからの話になる

 

 

 

 

彼は「Born to KILL」の文字の入ったヘルメットを被り

 

胸にピースマークを付けている

 

 

この映画を反戦映画ととらえられることにたいし

 

キューブリック監督はベトナム戦争そのものを撮ったと言っているようですが

 

戦争の狂気そのものを監督のセンスで撮ると

 

おのずと反戦映画となってしまうのだろう。

 

 

その狂気の日常を

 

監督のセンスで撮られている

 

 

相手のベトナム兵を、

 

「ねずみども」と言っていたアメリカ兵士が

 

最後に「ミッキーマウスマーチ」でわらわらと行軍するセンス。

 

 

そしてさわやかな「ハローベトナム」で始まり

 

最後はストーンズの「黒くぬれ」で終わるセンス。

 

 

それから話題となっていたお下劣なスラング(セリフ)

 

類まれなる天才的映像センス

 

 

 

 

当時観たときは面白かったと感じることより、なんか凄いものを観たと思ったものでしたが、

 

今回観返してもその感覚は変わらず。

 

やっぱり天才の撮った戦争映画だったなと

 

思った次第です。

 

つまりは

 

黒澤明監督クラスの別格的な戦争映画だと

 

そう位置づけてもおかしくない作品ではないかなと

 

思いましたね。

 

 

 

んなわけで、

 

 

最近は上げていきたい作品が詰まっている状態でしてw、

 

思考と手が追いついていかない。。

 

なるべく詰め詰めで記事を挙げていきたいと思っていますので、

 

ちょっと頑張りたいと思います。

 

 

では。