レストア暦35年のプロが語るレストアラー養成講座 -4ページ目

自動車の補修塗装の下処理

こんばんは、
レストア職人のSRです。



ここ数日は、
仕事が忙しい上に、
地域の役員をしてるため、
役員の改選や総会に向けた準備で
ブログの更新も出来ませんでした。



地域には、多少なりとも貢献できればと
思いますが、


厄介な会議や協議事項が多すぎて、
私の貴重な夜の時間まで制約されているので、

心が折れそうです。




さて今回は、
自動車の補修塗装の下処理についてです。




レストアのような本格的な鈑金や
パテなどの塗装の下処理も補修塗装の
延長線上にあるわけです。


ですから、


キズやヘコミの補修塗装を勉強して
パテ付けやパテ研ぎでパネルの歪の取り方
も覚えてくださいね。



ドアやフェンダーなどのキズ、へこみ、
を修理する場合、



まずは、
ヘコミなどの歪のある範囲をパネルを
斜めや横から透かして、
チェックします。


凹みが大きくなれば、
その周りが折れて膨らんでる事も有るので
色々な角度から透かして歪を確認する
癖を付けてください。


歪の範囲が分かれば、
マジックなどでパネルに影響がある範囲に
印を付けます。



その印から3センチくらい大きめに
ダブルアクションサンダーでフェザーエッジを
研いで作ります。




上のダブルアクションサンダーは、
鈑金塗装には必需品です。



凹みの部分は鉄板まで研ぎ、
フェザーエッジもこのサンダーに120番の
125mmの丸いペーパーを付けて研ぎます。




フェザーエッジとは、
塗膜を研ぐと年輪のように塗料の層が見えます。


塗膜はトップコートのクリヤーから鉄板が出る
までの何層もある塗料を斜めにカットすることを
フェザーエッジを作るとか研ぐとか言います。



このフェザーエッジの間にパテを付ける訳です。



パテの工程については次回にお話しましよう。


自動車塗装のスプレーガンの種類と選び方

こんばんは、
レストア職人のSRです。



今回は、
自動車塗装のスプレーガンの種類と選び方
についてです。




自動車の塗装に必要な道具といえば、
スプレーガンが思い浮かぶと思いますが、
スプレーガンにも種類があります。


今、
主流で使われているのが
上カップといわれる重力式の塗装ガンです。


自動車の補修塗装に多く使われていますが、
私は、
全塗装など広範囲のペイントにも使います。



以前、よく使われていた、
下カップといわれる吸い上げ式ガンは、
広い面積やオールペイントするときに、
使われます。


ほかにも


昔、オールペイント専用に流行った
圧送式スプレーガンや静電塗装機
といったものも有ります。




また
それぞれの塗装用のスプレーガンには、
口径に種類があり、


ソリッド用
メタリック用
2コートパール用
3コートパール用
クリアー用
サフェーサ用

など、
口径の違うスプレーガンを
それぞれの塗料専用に使い分けてる
スプレーマンが多いと思います。



お気に入りのガンのメーカーや口径など
専用ガンの分け方は、
塗装の職人さんにより違いが有ります。


塗装のプロではない人の場合、
絶対に分けないとダメだということは
有りませんが、


塗料用、クリアー用、サフェーサ用は、
最低それぞれ専用ガンを使わないと、
トラブルの原因になります。




使用後にはガンの洗浄をしないと塗料が
固まってしまいますので、
毎回、一部分は分解して洗浄していますが


長く使ってると、


洗浄しきれないガンから出てくるカスの
ようなものが、


仕上げのクリアーに混じることがあり、
最悪、
再塗装することになりかねませんからね。




自動車の塗装が初心者の場合は、
はじめから何本ものガンを買うわけには
いけないと思いますが、


ソリッド系、サフェーサやクリアーは
1.3~1.5mm程度の口径の上カップガン、


メタリック、パールの色系は
1.3mm程度の口径の上カップガンを選べば
問題なく塗装できると思います。


自動車の塗装の工程

こんばんは、
レストア職人のSRです。


今日は、

ペイントの基礎的な塗装の工程について

紹介しておきます。




自動車の塗装には、
いくつもの工程に分かれています。


軽補修塗装だと、
部品の脱着や鈑金工程も殆ど無く、
塗装の工程のみで補修塗装が完成します。


塗装の工程に含まれるのが、
下記の項目のすべてが塗装作業の工程です。




キズやヘコミの部分の
塗膜剥離のサンディングと足付け
  ↓


旧塗膜にフェザーエッジを作り
  ↓


パテ付け
  ↓


強制乾燥
  ↓


パテ研ぎ(歪が取れるまで数回繰り返し)
  ↓


旧塗膜に足付け
  ↓


サフェーサー用マスキング
  ↓


サフェーサー塗装(3回塗り)
  ↓


サフェーサー強制乾燥
  ↓


データ調色
  ↓


調色の補正(塗装するパネルに調色)
  ↓


サフェーサにスポットパテ(巣穴やキズを埋める)
  ↓


サフェーサのサンディングで最終歪取り
  ↓


塗装パネル全体の脱脂と足付け
  ↓


塗装用マスキング
  ↓


塗装前の脱脂と静電気防止、
  ↓


ホコリの清掃及びエアブロー、塗装面の最終点検
  ↓


メタリック及び2コートパール塗装の場合
下吹き塗装(1回塗り)
  ↓


色決め塗装(2~3回塗り)
  ↓


ムラ取り塗装(1~2回塗り)
  ↓


クリアー塗装(2回仕上げ)
  ↓


強制乾燥(60度30分)
  ↓


塗膜の研磨(ゴミなどブツ取り)
  ↓


塗膜の肌合せ磨き(細目・極細コンパウンド)
  ↓


塗膜のバフ目消し(超微粒子コンパウンド)
  ↓


最終仕上げ(艶出し、オーロラ取り)
  ↓


洗車及び完成検査




上記の項目は、
どんな小さなキズでもほぼ同じ工程を
行わないといけません。



逆に塗装するパネルが多くなれば、
各工程の作業量が増えるだけで、
補修塗装でもオールペイントでも同じです。



上記の塗装の工程は、

私が実際に塗装作業をしている工程ですので、

他社の塗装作業や工程と同じでは有りません。


今後、
塗装の各工程を分かりやすく
紹介していきます。