観に行きたいなぁと思いながらもなかなかタイミングが合わずにいた美術展、最終日(6/2(土))になんとか滑り込みました。
名古屋出身なのでね
金ピカ好きなんですよ←
まあ冗談はさておき……
神奈川県西部在住なのでかなり近い部類のはずですが、それでも「ついに来たぞー!」感のある距離ではあった上に、岡田美術館って入館料がまあまあ高いんですよね(大人2,800円)
が、結論としては行ってよかったです!
何に感動したといって、展示フロアに入った瞬間!
上のパンフレットの画のような奥行きのある空間の左右と正面に金屏風がずらりと立てられているレイアウトだったので、四方八方からウワーッと光が発せられている感じ。
奥底から湧き上がってくるような
重量さえ感じさせるような
暗いのに艶やかな
そんな光に包まれて、夢見心地でした
もちろん照明技術もあるのでしょうが、金屏風の役割の一つに部屋の明るさ確保があったというのを体感、そして納得しました。
きっとこの空間に足を踏み入れた方たちの多くが谷崎潤一郎氏の『陰翳礼讃』を思い起こしたに違いないと思います!
館内撮影は禁止だった(どころかスマホ類の持ち込みすら禁止だった)ため写真を載せられないのが残念なのですが、置き上げ(胡粉を盛り上げる技法)で立体感モリモリのものもあれば、シンプルでフラットな総金地もあり、紙地もあれば絹地もあり、ひと口に金といっても色々あるのだと知りました。
また、金と銀を組み合わせたデザインの屏風の場合、銀の部分だけ酸化が進んで黒くなってしまっていて、銀地箇所がまだ光を放っていた頃の様子は想像するほかありません。
じっと見つめ、時には目を閉じ、金と銀とがパァーッと辺りを照らしていたときを思い浮かべていると、300年前と今とが重なる感覚がしたものです。
晴れの日の道具は時代を経てもその晴れがましさを失うことはなく、高揚感をもたらし続けます。
「泣きながら飲む人はいない」からシャンパンが好きな私としては、金屏風にもそれに似たものを感じます。
箱根からの帰りは強い雨に見舞われましたが、金屏風に照らされていた私の心の内側は明るいままでした