梅雨の晴れ間……!

いっぱいいっぱい気味な最近の私でしたが、シーツを干しながら見上げた明るい空に、ほんの少し心の余白を取り戻したような気がしました。
もちろん、お天気任せにしているわけにもいきませんので、心を解きほぐすためのアクションも意識的に起こしています。
先日の週末は、
東西食器の旅
に赴きました。
そんな東西食器巡りをしてきました。
どちらもそこまで規模の大きくない美術館だからこそ可能なことですが、それでも美術館の梯子はかなりくたびれました

でも頑張った甲斐はあった!
同じ器でもコンセプトが対極にある和と洋の両方を比較しながら鑑賞できました〜♪
ちなみに客層もだいぶ違っている印象で、そういう意味でも興味深かったです。
まずは懐石のうつわのほうから。
こちらは私が行った日が最終日でしたので、「行きたかったけど結局行けなかった〜!」という方はぜひバーチャル鑑賞なさっていってください

※本記事に掲載している展示物の写真については、個人ブログへの掲載が可能であることを運営サイドに確認済みです。安心してお楽しみくださいね!
今回のような和食器や日本画といった「和もの」を含む東洋系の展示って、往々にしてデザインが控えめで押し出しがあまり強くないせいか、西洋系の展示に比べ、混雑しないというイメージがあります。
(あくまで私個人の感覚的な話とはなりますが)
ですが、今回は会期最終日だったということもあり、結構な人出で、案内係の方が空いている展示室へと誘導しているほどでした。
展示室内に私を含めて3人しかいない漆器の企画展もあったなぁと記憶しているだけに、
「和ものも素敵ですよね〜!」と誰彼構わず話しかけたくなるようなウキウキ気分でしたねー

さて、懐石のうつわということは、茶の湯の席で出されることが前提となっているわけですので、展示されているうつわは基本的にどれも季節感モリモリ、(実用性の反対の意味で)趣味性バリバリです。
つまり、
「我が家の食卓でも使いたい」
という目線ではなく、
非日常の世界観や趣向を楽しむ展示
ということです。
(以下、もしも日常使い目線で見たら……という話です。
いろいろとケチつけていますが、批判しているわけではありません)
茶席の器を日常目線で見た場合
ほっこりとする色合いと絵柄が素敵。
でも重ねて収納することはできない
色絵梅鶯文銅羅鉢。
備前焼ならではの景色が味わい深い
牡丹餅文手鉢。
収納性という点では絶望的。
縁起物シェイプの向付一式は
おめでたさ満点!
だけどいったい何を載せれば……
(特に分銅と丁子)
縁を透かしにした白釉輪花透し鉢は
野々村仁清作。
日常使いするとしたら
ポッキリ折ってしまう未来しか見えない…
鉄製燗鍋に似せた祥瑞風の銚子は
永楽保全作。
……使った後に洗うこと忘れてませんか?
こちらも、茶席で出たら
本当に素敵な織部角繋ぎ向付ながら、
家庭では「トップクラスの洗いにくさ」が
フィーチャーされること確定。
もはや、何をか言わんや……な
銹絵(さびえ)舟形向付。
とまあ、文句ばっかり言っていますが、こういう「日頃の食卓ではまず使わない」ような器たちだからこそ、なお一層魅力を放っているのですよね。
浮世を離れた心持ちで臨みたい茶席であればこそ、風情や情緒やコンセプトに全振りした器の出番なわけです。
お茶席に縁のない私でさえ、鑑賞中は「きっとお茶席ではこんな風なのだろう」と思わせられるような、雑念がかき消えたような心持ちになりました。
実際に料理を載せてみると…
展示方法として「いいなぁ!」と思ったのは、全てではありませんが、ただ現物が展示されているだけではなく、実際に料理が載せられている様子の写真も併せて紹介されているという点でした。
独特の形状がなんともいえず魅力的な
景徳鎮窯の祥瑞の向付には……
高台の内側の鮮やかな緑釉が特徴的な
古九谷様式の色絵丸文台鉢には……
藤浪きんとん
織部の草加文角鉢には……
特に印象に残った器たち
数多くの展示作品のほんの一部しか載せられないのをもどかしく思いますが、中でも個人的に強く印象に残った器をいくつかご紹介させてください。
わりとよく見かけそうじゃない?
とも思えてしまう
景徳鎮窯の祥瑞松竹梅文袖形向付。
でも、見込みの絵を見てください!
川辺の景色まで描かれていて
ありそうでない、魅力的な器です。
金襴手の色絵赤玉寿字文向付。
完成度の高さがすごい!
上の写真だと四方襷文でびっしりと
埋め尽くされているように見えますが、
実は (少し角を取った感じの)毘沙門亀甲文と
描き分けられています!
明代の呉州赤絵胡人獅子文鉢。
青呉州の鮮やかさがエキゾチックで
存在感ありますよね。
乾山風のダイナミックな色絵菊文八角鉢。
素朴な力強さを引き立たせる色使いが
ガツン!と来ます。
立体的な捻りと文様のコンボが圧倒的な
景徳鎮窯の祥瑞唐子唐草文鉢。
縁の部分に帯状に「福」「禄」と
繰り返されていますが……
丸枠を均等に割り振っていったら
奇数になってしまったらしく、
おそらく数合わせのために
1字だけ「寿」が混じっています。
こういうのを見ると、時を超えて
当時の職人さんをとても近くに感じます。
内側も一切手抜きなし!
縁に描かれているのが波状文
というところがとても好きです。
そうそう、静嘉堂文庫美術館の目玉作品(?)である曜変天目のお茶碗も展示されていました。
(撮影不可のため写真なし)
完全な姿で残っている曜変天目はこの世に3つしかないそうで、中でも静嘉堂文庫美術館蔵の通称・稲葉天目は最上級品と言われています。
初めて見たのですが、想像していたよりも小ぶりでした。
そして、そんな小ぶりなお茶碗の内側に、得も言われぬ星々が輝いていました
現在は国宝指定されていますが、それ以前から超、超、貴重な品であったのは確かです。
それなのに……
江戸幕府三代将軍・徳川家光が、乳母の春日局に「薬を飲むための器として」与えたのだそうで……
贅沢過ぎやしませんか!?
将軍ともなると「天下の名器を投薬用に」っていう異次元の発想になるのでしょうか。
Wikipediaによれば、春日局が病に伏した際、かつて幼少の家光の疱瘡平癒を願って薬断ちをしたからと言って治療を断ったのだそうです。
そんな春日局の身を案じた家光が「超貴重な茶碗と薬をセットで下賜するから、ちゃんと薬を飲みなさい」と自らこの茶碗で服薬させたという逸話が伝わっているとのこと。
すっかり長文となってしまいました。
次回に続きます。
本日のおやつは、八天堂さんのくりーむぱん。
抹茶味
食べたかった生クリーム&カスタードは
息子に食べられちゃいました
でも抹茶味も美味しい♪