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50代からの人生リスタート戦略ノート

立ち止まりながら、これからを考えるためのノート

——制度や組織論の前に、起きていること

事業承継の相談を受けていると、
ある場面で空気が変わることがあります。


数字や制度、スケジュールの話をしている間は、
経営者はよく話す。

 

ところが、
「誰に、何を、どこまで引き継ぐか」
という問いに近づいた瞬間、言葉が止まる。

 

沈黙が生まれると、周りはつい
「準備不足だ」
「決断が遅い」
と解釈してしまいがちです。

 

ただ、私はこの沈黙を単なる弱さや先延ばしだとは思っていません。

 

承継は、経営課題であると同時に、
人生の話に触れてしまう。


そこが、話が止まる最大の理由ではないでしょうか。

 

 

 

 

「承継が進まない」は、制度の問題だけでは説明できない

もちろん、制度設計は重要です。

株式、相続、税務、役員体制、ガバナンス……
整えるべき論点は多い。

 

しかし現場では、制度の話が“進んでいるように見えて”、
核心部分だけが動かないケースが少なくありません。

 

  • 後継者候補はいるが、最終決定に至らない
  • 権限移譲の計画はあるのに、日々の意思決定が手放せない
  • 幹部育成を進めても、任せる場面になると踏み切れない

 

ここで「経営者の覚悟が足りない」と切ってしまうのは簡単です。

 

ただ、覚悟の有無に還元してしまうと、
問題はむしろ深く潜ります。

 

 

 

経営者が黙るとき、頭の中では何が起きているのか

1)会社を手放した後、自分は何者になるのか

役職や肩書きの話ではありません。
「毎日が埋まっていた状態」から
「自分で意味を作らなければならない状態」へ
移ることへの不安です。

2)引き継がせたいものは“仕事”だけなのか

理念、判断軸、こだわり、譲れない基準。
会社は成果物ではなく
「生き方の痕跡」になっていることがあります。

3)正しさが書き換わる感覚

承継が進むということは、
これまでの意思決定が唯一の正解ではなくなる
ということでもあります。

この問いが同時に立ち上がると、沈黙は自然になります。

 

 

 

組織論が効かなくなる瞬間

事業承継では
「組織を仕組み化しよう」
「権限移譲を進めよう」
と言われます。

 

ただ、経営者の中で引き継ぐ意味が整理されていない段階では、
組織論は空回りしやすい。

 

  • どこまで任せていいのか(境界線)
  • 何を守り、何を変えていいのか(判断軸)

 

この前提が共有されていないと、人は育ちません。

 

 

最後に

事業承継は、制度と計画で進む面もあります。

 

同時に、経営者の中で「引き継ぐ意味」が定まったときに、
一気に動き出す面もあります。

 

もし今、承継の話題で言葉が止まるなら、

それは能力不足ではなく、
向き合うべき問いに触れているサイン
かもしれません。

 

 

 

 

 

補足として

この記事は、事業承継や組織の話を、制度や手順ではなく、
「経営者自身の意思決定の前提」という視点から整理しています。

 

もし今、


・承継や組織の話題になると、言葉が止まる感覚がある
・答えは急がないが、考える材料は欲しい

 

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