第39回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル:ジェンマ・ベルタニョッリ リサイタル | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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チャツボミゴケ公園から戻って、西の河原露天風呂♨️で汗を流し、着替えをして さっぱり。

近くのバス停から草津音楽の森国際コンサートホールへのシャトルバスに乗ると、雷雨になりました⛈️


第39回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
ジェンマ・ベルタニョッリ ソプラノ・リサイタル
≪シューベルト:ナイチンゲールに寄す≫

16時~
草津音楽の森国際コンサートホール


HPの紹介文は
『「林檎の木の枝にとまるナイチンゲールに心を寄せて……」シューベルトは毎日の日課として午前中に1曲のリートを書くように努めました。イタリアの歌姫ベルタニッリの澄んだ声でこうしたリートを聴く喜びを感じられるリサイタルです。』

バケツをひっくり返したような雨の中、ホールに入りました。
なので今日も アルプホルンの歓迎の吹奏はホール内。それも昨日のように 人は外で…ではなく、人も中。混雑したロビーはさらにごちゃごちゃで アルプホルンがホール内に響いていました。

今日は10列目の右手ブロックの内側で聴きました。


井阪さんのお話のあと、最初にバロックの作品から。今回はすべてヘンデル。
🎶G.F.ヘンデル: 『9つのドイツ語アリア』より第3曲、第9曲、第4曲[詩:B.H.ブロッケス] 
🎵「甘い香りのする花よ」HWV204
🎵「燃えるばら」HWV210
🎵「心地よい静けさ」HWV205
ソプラノ:ジェンマ・ベルタニョッリ
チェンバロ:クラウディオ・ブリツィ
ヴァイオリン:マルクス・ヴォルフ
3部形式の聴きやすい作品を3曲。初めて聴く曲だと思います。
ダ・カーポのあとの装飾は控えめ。節制のとれた落ち着いた歌唱は、時にヴァイオリンに負けてしまうくらい。でもチェンバロとのバランスが良かったので、ヴァイオリンが出過ぎてたってこと?

🎵G.F.ヘンデル:世俗カンタータ「わたしの胸はさわぐ」HWV132
ソプラノ:G.ベルタニョッリ
オーボエ:トーマス・インデアミューレ
チェンバロ:C.ブリツィ
チェロ:大友肇
レチタティーヴォとアリアが2曲ずつ。
ちょっぴりオーボエとの合わせに苦労しているような感じが。ベルタニョッリさんのレチタティーヴォの大きな表現がなかなか。レチタティーヴォでは高音、アリアでは低音が目立つ ちょっぴり歌いにくそうな作品って感じがしました。

チェンバロはここまで。続いてベーゼンドルファーのピアノが舞台中央に置かれました。

まずはピアノのソロの作品を1曲
🎵C.ツェルニ-:ロンド・パストラーレ
ピアノ:ブルーノ・カニーノ
派手な序奏のあとに、ロンドが続きましたが、そのロンド主題がスイスの民謡風で私好みだったので、一気にひきこまれました。スイスの民謡で思い出されるのは、ショパンに変奏曲ですが、それに似た 素敵な作品でした。
カニーノさんは落ち着いたテンポ設定で端正に仕上げていきました。そしてベーゼンドルファーの中音域で木目調の色を呈した音色が とってもこの作品に合っていました。

続いて
🎵F.シューベルト:春の想い 作品20-2 D.686[詩:L.ウーラント]
🎵F.シューベルト:ナイチンゲールに寄す 作品98-1 D.497[詩:M.クラウディウス]
🎵F.シューベルト:ミューズの子 作品92-1 D.764[詩:ゲーテ]
ソプラノ:G.ベルタニョッリ
ピアノ:B.カニーノ
「春の想い」は初めて聴いた曲。やっぱりシューベルトの歌曲はきれい。
次の「ナイチンゲール…」は私の好きな曲。ベルタニョッリさんの歌は、子音が弱く、母音が繋がるかの様で、ドイツ語ではないように聴こえました。ただ その発声ですが、この曲では、旋律がとてつもな流麗につながり、とても新鮮でした。
「ミューズの子」は子音もはっきり。ドイツ語らしい 表情豊かな歌が聴けました。

ここで休憩。
休憩時間にロビーで、開演前に混んでいて受けられなかった、抹茶とお菓子(落雁)の接待。どちらも とっても美味しくいただけました。晴れていると、中庭での接待だったのですが、急な雷雨でスタッフさんは大変そうでした。でも休憩時間には、雨も上がって爽やかな空気に入れ替わっていました。


休憩のあとは、シューマンとR.シュトラウスの歌曲から
🎶R.シューマン:『ミルテの花』作品25より第7曲、第24曲、第1曲
🎵「はすの花」[詩:H.ハイネ]
🎵「君は花のよう」[詩:H.ハイネ]
🎵「献呈」[詩:F.リュケルト]

🎵R.シュトラウス:セレナード~『6つの歌』作品17より第2曲
🎵R.シュトラウス:ひそかな誘い~『4つの歌』 作品27より 第3曲
ソプラノ:G.ベルタニョッリ
ピアノ:B.カニーノ
「献呈」以外は初めて聴く曲。献呈もリスト編曲のピアノ版の方が耳に馴染んでいる。
どの作品も私にはとても新鮮。情感豊かなベルタニョッリさんの歌唱は 尻上がりで魅力を増している様に聴こえました。
そんな中、ベルタニョッリさんのビブラートがとっても綺麗なのが印象に残りました。特に「ひそかな誘い」の最後の音が海の波でキラキラ輝く夕日の様。最高でした。どうしてこのようなビブラートを日本人は掛けないのかなぁ~。いつも日本の歌手の(演歌のような?)ビブラートに苦言を呈している私ですが、決してビブラート嫌いなのではないのですよ!

次にカニーノさんのソロで
🎵F.シューベルト:2つのスケルツオ D.593
ピアノ:B.カニーノ
シューベルトの楽しい曲。とちらも最後の音をユーモアたっぷりに終わらせる作品。カニーノさんはそれを 真面目にしっかりと弾きつつ、そこにニヒルさを醸し出していました。

🎵E.ショーソン:終わりなき歌 作品37[詩:C.クロ]
ソプラノ:G.ベルタニョッリ
ピアノ:B.カニーノ
パノハ弦楽四重奏団
なんと贅沢!パノハSQをこの曲だけに呼んじゃうなんて。さすが音楽祭。
フランスの香気漂う作品。弦楽四重奏の扱いが控え目だったのが、ちょっぴり残念。フランス語はさっぱりわからない私ですが、ベルタニョッリさんの生き生きとした歌はしっかり届きました。

大きな拍手に応えてアンコールは
🎵F.シューベルト:至福 D.433
ソプラノ:G.ベルタニョッリ
ピアノ:B.カニーノ
やっぱりシューベルトは聴いている人を笑顔にしちゃいますね😊

終演後は 長野原草津口駅行きのシャトルバスで草津温泉バスターミナルまで。夕食と夜の果物とお菓子、明日の朝食をスーパーで買って旅館へ。
温泉でゆっくり脚をほぐしました。

陸上を見たら 再度温泉に入って、早めにゆっくり休みます♨️